2021年6月12日 更新

【京都ぶらり】南北一直線に並ぶ大伽藍パワースポット☆新緑の世界遺産「東寺」

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は南区九条にある世界遺産であり真言宗総本山のお寺『東寺』。今回は新緑の境内の伽藍配置に着目。

新緑にたたずむ一直線の大伽藍

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南区、九条通沿い。平安遷都に建立された世界遺産・東寺。この日、日頃の運動不足解消のため近くを通りかかり久々にやってきました。

平安京造営の頃、延暦15年(796年)桓武天皇により創建。
皇居から南に延びる朱雀大路の南端に、都への入り口として羅城門、その東に東寺、西に西寺(現在はありません)の官立寺院として建立。

その後、嵯峨天皇より空海(弘法大師)に下賜され、真言密教の根本道場に。真言宗総本山のお寺。
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そのお濠には、まるで警備を担当しているのか?と思えるほど微動だにしないアオサギたち多数(笑)実際にはお濠の魚を狙ってたんですかね。
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今回は南大門から境内へ。

慶長6年(1601年)に三十三間堂の西門として建てられた八脚門を明治28年(1895年)移築。そう言われてみると、三十三間堂の南大門と雰囲気が似ています。
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南大門をくぐると、いきなり大伽藍・金堂が正面に見えます。

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中心堂宇、諸堂塔のうちもっとも早く建設され、東寺が空海に下賜された弘仁14年(823年)までには完成していたと言われています。当初の金堂は文明18年(1486年)の土一揆で焼失。

現在のお堂は、慶長8年(1603年)に豊臣秀頼の寄進によって再建。桃山時代の代表的建築ながら、細部には唐・和風様式。薬師三尊・十二神将を安置。荘厳の極み。
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さらに、金堂の真北には講堂。

天長2年(825年)弘法大師により着工され、承和2年(835年)頃には完成。その後大風や地震で大破し、度々修理を重ね、金堂と同様に文明18年(1486年)の土一揆により焼失。現在の講堂は、延徳3年(1491年)に再興。旧基壇の上に建てられ、様式も純和様で優美。
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堂内の大日如来を中心とした立体曼荼羅は、歴史教科書でもお馴染み。この日もコロナ禍で少なめではありましたが、拝観する方ちらほら。
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その途中、いつも弘法市で露店が並ぶエリアにある木の根元。無造作にゴロンと置かれてた建材らしき巨石。けっこう古そうな石。かつて使用されていたものではないかと。
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講堂の北側、柵越しからの眺め。一直線に伸びる参道。
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その参道の延長線上に立ち、振り返って北側を見ると、奥には食堂(じきどう)があり、その両サイドの小さな建物・夜叉神堂。
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初代食堂は空海没後の9世紀末から10世紀初め頃にかけて完成したと推定され、文禄5年(1596年)の地震で倒壊。その後江戸時代再建されるも、昭和5年(1930年)に火災で焼失。現在の建物は昭和9年(1934年)に再建されたもの。
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そして、今まであまり気にもとめていなかったんですが、参道両サイドにある小堂・夜叉神堂。
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かつて南大門の左右には夜叉神像が安置されていましたが、中門(現金堂前あたり)の左右に移され、中門が倒壊した慶長元年(1596年)以降、現在の夜叉神堂が建てられ安置。夜叉神立像は、弘法大師(空海)の作とされ、歯痛を治す神として親しまれています。

東に雄夜叉(本地文殊菩薩)、西に雌夜叉(本地虚空蔵菩薩)が安置。
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ふだんなら雄夜叉神が安置されているんですかね。現在は御還座中とのこと。雌夜叉神もお堂の中が真っ暗で全く確認できませんでしたが。
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そして、よくよく考えると、この南大門から一直線に金堂、講堂、食堂が並ぶ端正な伽藍配置、とても特徴的だなぁと。

この配置は創建当初から変わらず、伽藍の規模も当時のままなんだとか。これらは『仏法僧(ぶっぽうそう)』、金堂は本尊の「仏」、講堂は密教の教え「法」、食堂が「僧」を表し、生活のなかに修行を見いだす所ということがその由来になっています。

さらに、この配置はかつて存在した西寺にも同じように反映されていたことが、その後の調査で明らかになっています。なんといいましょうか。密教曼荼羅の世界観がそのまま伽藍配置にも反映されているような、そんな印象を個人的に受け神秘性を感じます。

そんないつもとは違った視点で境内を歩いてみると、また違った発見ができるのが東寺の素晴らしいところですね。

詳細情報

名称:東寺(教王護国寺)
住所:京都府京都市南区九条町1
電話番号:075-691-3325
関連サイト:http://www.toji.or.jp/
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