2021年6月18日 更新

【動画】京都ミシュラン掲載蕎麦店『花もも』店主が蕎麦を打つすべて

キョウトピ初?の癒し動画です。定点カメラでとらえた、そば打ちの様子は、水回し、延ばし、切り、茹でとたんたんと進んでいき、短いドキュメンタリーのよう。静かなガムラン音楽のBGMも動画を邪魔しません。本気でそば打ちに挑戦したい人はもちろん、蕎麦好きの方にぜひ見ていただきたい動画です。

「花もも」蕎麦打ちのすべて、大公開

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夏になるとメニューに顔を並べる「すだち蕎麦」で有名な京都御所南の『花もも』。鉢一面をすだちの輪切りが覆う写真をどこかで目にしたことのある人も多いのでは? こちら『花もも』は、2020年現在、ミシュラン・ビブグルマンに5年連続で選ばれ続けている京都の蕎麦の名店。
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店主の百瀬さんは、酒好きの美食家でとても面白い方。ぜひお店にも足を運んで、お話してみてください!
なかなか家でそば打ちをしようと思う方は少ないと思うので、レシピ動画というには無理がありますが、ただただ職人技を鑑賞するという姿勢で見ても、とっても楽しめる動画だと思います。リズミカルな手さばき、蕎麦粉に対する水の分量の的確さ、思い描くとおりに伸びていく蕎麦生地の様子など見ていてとても気持ちがいいです。

そば打ち

工程一) 玄そばから製粉

ここでは『花もも』がお店で出す蕎麦をつくるまでの毎朝の風景を動画で紹介していきます。まず、『花もも』の蕎麦は、玄そばをまるぬきにするところから始まります。玄そばとは、お米でいうところの籾殻(もみがら)。まるぬきは、いわば玄米のような感じ。そして、まるぬきを石臼の機械で挽いて、そば粉をつくります。蕎麦の実を脱皮させるところからお店でされているからこそ、食通も納得の蕎麦ができあがるのですね。そこまでされている蕎麦店は、京都でも数店舗だけらみたいです。

工程二)水打ち

ここからの動画がとても楽しいです。
大きなこね鉢に、たっぷりの碾きたてのそば粉。そこにボウルに適量入れた水を真ん中に流し入れます。この適量具合が、職人技。

最初、水を入れた真ん中あたりを粉と水をなじませるようにそよそよと混ぜ、その波紋をほんの少しづつ広げていきます。深く濁った沼のようになったところで、堤防のような周りのそば粉をぐるりと手を回して中に引き込み、広げた左右10本の指で水分を全体になじませていきます。

大きな頭をシャンプーしているみたいな手の動きで、だんだん粉が粉末から塊になっていくのですが、この時点では水分が足りないみたいにみえます。それがやさしい動きに見えて力強い手のチカラで、ひたすら混ぜていくうちに徐々に粉末の部分がなくなり、まんまるのひとつのタネになるのです。カット割りは3回ぐらいの長回しですが、ノーカットで見たくなるほど見応えがありますよ。

水打ちがしっかりとできていないと、ブチブチと切れる蕎麦になるそうで、大事なポイントです。

工程三)延ばし

ここからが延ばしです。自分でパンやクッキーを作ったことがある人の中には、生地延ばしの作業が楽しくて好きという方もいらっしゃるのでは?

『花もも』の延ばしは、水打ちしてまんまるにしたタネを、手で鏡餅のような形にしてから、粉をふったまな板の上に置きます。さらに打ち粉をして、鏡餅(タネ)の外側から手のひらの腹の部分でリズミカルに反時計回りに押していきます。140度くらい押したら、タネを時計回りに回転させ、押していない部分を押していきます。まな板の上の粉が花びらを描いているところからも、どれだけ均等に延ばしがおこなわれているか、よくわかります。

二周ほどすると、帽子のように真ん中がふくらんだ状態に。ふくらんだ部分を押し延ばしたら、また周囲をリズミカルに延ばしていきます。全体がある程度伸ばされた状態になったら(目測で厚み7mmくらい?)ようやく麺棒の登場です。

打ち粉をしたら、適度のチカラを入れてググッと押し延ばします。麺棒の長さは1mくらい。リズミカルにぐぐぐっと手前から奥まで押したら、またタネをくるりと回して隣をぐぐぐ。回しながら、自在に麺棒を動かし、丸を保ったままタネはどんどん薄くなっていきます。

一定の薄さになったら、延ばしたタネの縦に一筋、打ち粉をし、生地を麺棒に巻きつけるようにして真ん中部分にチカラをいれて延ばします。さらに向きを変えて同じ作業を。体重を少し乗せて、リズミカルに麺棒を動かしていく様子は、本当に職人技。手のひらが生地の厚みを感知するセンサーのように必要な部分を押して、均等に延ばしていきます。

縦、横と巻きつけて延ばして、巻きをほどいたら、なぜか丸かったタネが四角になっています。なんで??マジックのような職人技です。こんなの絶対真似できません・・。四角になってからも延ばします。どこまで延ばすの?どこまで薄くするの?って感じ。このあたりノーカット!

工程四)切り

いよいよ最終工程の「切り」です。薄く延ばした蕎麦を四つ折りにし、でっかい蕎麦切り包丁で切っていきます。押さえのカット面と蕎麦の端をぴっちりと合わせ、迷いなく包丁を等間隔に動かしていきます。包丁だけを見ていると、同じ場所を切っているみたいに見えるのに、間違いなく蕎麦ができあがっています。一切乱れのないペースで、極細の麺が仕上がっていきます。

つるっと喉を通る細さなのに、しっかりコシのある蕎麦はこうやってできあがっているのですねー。

工程五)茹で

いよいよ「茹で」です。地獄の釜みたいにグツグツと煮えた湯の中に、パラパラとほぐすように麺を入れ、沸騰した湯に泳がせるようにして1分。ざるで救い出した麺は、ボウルに貼った清水へ。冷やして締めるのかな?と思ったら、結構しっかりと研ぐように混ぜ、水を変えて、新しい水でまた磨きます。1度目の水は少し濁っているように見えましたが、仕上げ磨きしたあとの水は透明。

最後の最後まで手抜きなしです。いままで何の気なしに食べている蕎麦でしたが、食のありがたみがわかる動画でした。『花もも』行きたくなってくるな・・。
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店舗情報

店舗名:手打ちそば 花もも
住所:京都市中京区丸太町麩屋町西入ル昆布屋町398
電話番号:075-212-7787
営業時間:11:00~18:30
定休日:月曜日(祝日の場合は営業)
公式ホームページ:http://www.adc-net.jp/hanamomo/
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Kyotopi 編集部 Kyotopi 編集部