2022年8月17日 更新

【京都建物】七代目小川治兵衛作の庭園と武田五一建築の宿泊施設「白河院・法勝寺跡」

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は左京区岡崎にある京都市指定名勝にもなる宿泊施設。この別荘界隈らしい庭園と数寄屋造りの和風建築。

南禅寺界隈の別荘エリアにある歴史的建造物の旅館

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左京区岡崎、ちょうど京都市動物園北側の二条通沿い。周辺の南禅寺界隈は古くからの別荘エリアで、この辺りにもそんな趣きのあるお屋敷然とした建物が並んでいます。

その一つ、前から気になっていた場所、和風旅館『白河院』があります。地元民なのでほぼ宿泊することのない施設ですが、日本私立学校振興・共済事業団の京都宿泊所になっています。
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入口の門構えや屋根の様子から、いつも足を止めて見入ってしまう建物。

こちらは、京都近代建築の父として知られる武田五一の手掛けたの数寄屋造りの建物と、無鄰菴や南禅寺界隈の別荘一帯の作庭手掛けていることでもおなじみの七代目小川治兵衛による池泉回遊式庭園があり、京都市指定名勝。

一瞬この雰囲気から、関係者以外利用できないのかと思い、この時は躊躇して中には入りませんでしたが、一般の方でも利用でき、宿泊はもちろん予約すれば数寄屋造りの建物とお庭を見ながら京会席も楽しめるみたいです。
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平安時代、このあたり一帯は栄華を極めた北家藤原氏の別荘エリア。この白河院も藤原良房により建立され、その後藤原師実によって第72代白河天皇に献上。承保2年(1075)には白河天皇により法勝寺が建立。法勝寺は、尊勝寺、最勝寺、円勝寺、成勝寺、延勝寺とともに六勝寺と総称され、広大な寺域を誇り、境内には、金堂、講堂、阿弥陀堂などの諸堂が立ち並んでいたとか。
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中でも、池の中島の八角九重塔は壮大な高塔であったと伝わり、現在の動物園観覧車あたりに位置していたとか。文治元年(1185)の大地震により九重塔以外の諸堂の大半が倒壊。更に康永元年(1342)の火炎により残る堂舎も消失。その後覚威和尚により一部再建されたが衰退の一途を辿り、やがて廃寺に。

明治・大正時代には呉服商営む下村忠兵衛がこの地を所有することになり、大正8年(1919年)に邸宅として数寄屋建築の旧館と庭園が造営され、現在に至ります。

数々の歴史が重層するエリアにある歴史的建造物。宿泊や食事処として利用し、別荘地らしい趣きを味わいたいですね。

詳細情報

名称:白河院・法勝寺跡
場所:京都市左京区岡崎法勝寺町
電話:075-761-0201
公式サイト:https://www.hotelgp-kyoto.com/shirakawain/
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