2019年10月31日 更新

【京都】秋の特別公開「金戒光明寺」夜間拝観も開催!

浄土宗最初の寺院として知られ、幕末は京都守護職の本陣となり松平容保や会津兵が滞在したことでも知られる金戒光明寺。2019年秋は特別公開として11月4日(月・休)~12月8日(日)の期間、御影堂・大方丈・庭園と、山門の楼上内部が期間限定で特別公開されます。 また、同期間で金戒光明寺夜間拝観(ライトアップ)も開催。幻想的な夜の光景を見ることもできます(山門の夜間拝観はありません)。

《金戒光明寺の山門》

昼の姿、夜の姿もそれぞれに美しく、「くろ谷」と呼ばれる小高い土地にある金戒光明寺は京都屈指の夕焼けの名所でもあります。同じ1つの寺院でもじっくりと腰を据えて多彩な景色を楽しむことも可能です。
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金戒光明寺の山門は江戸時代末期に完成したもので、楼上正面に後小松天皇宸翰「浄土真宗最初門」の勅額があります。階段と青空に映える山門の姿は威風堂々として圧巻の迫力。階段がどうしてもしんどい場合は山門右手側の車道に沿ったスロープ状の歩道もあります。
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山門の周辺は庭園と並び、紅葉が美しい場所の1つ。紅葉越しに山門を見上げるのも素晴らしいですが、楼上から見下ろすのも普段とは違う角度から紅葉をお楽しみいただけおすすめです。
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金戒光明寺の山門からは京都市内の絶景を見ることができます。近距離では岡崎公園の眺めや平安神宮の朱色の大鳥居、東山の峰々などが見え、お天気がよければ遠方には大阪のあべのハルカスなどが望めます。
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山門楼上内部、天井一面には「蟠龍図」が描かれ、釈迦三尊像と十六羅漢像が安置されています。

《御影堂・大方丈・庭園特別拝観》

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金戒光明寺の御影堂は火災による焼失後、昭和19年に再建されました。
本堂右前には源頼朝に仕えた熊谷直実が一の谷の合戦のあと法然上人を尋ね、鎧を掛けたと伝わる鎧掛けの松。現在の松は三代目に当たります。
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内陣正面には宗祖法然上人75歳の御影(座像)を奉安しているほか、名仏師・運慶作とされる文殊菩薩や遣唐使・吉備真備ゆかりの吉備観音(重文)が祀られています。
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御影堂と渡り廊下でつながった大方丈では「謁見の間」や「虎の間」等が拝観できます。「虎の間」は日本画家・久保田金僊による仕掛けのある虎の襖絵がみどころです。
その他、大方丈では伊藤若冲筆「群鶏図押絵貼屏風」や法然上人ゆかりの寺宝が展示されます。
金戒光明寺といえば御所にも近く見晴らしが良い天然の要塞地でもあり、幕末には会津藩主松平容保が京都守護職に就任するとその本陣となりました。大方丈の謁見の間では幕末当時は頻繁に新選組幹部が足を運んだといわれ、当時と同じように再現された大方丈は歴史ファンや新選組ファンの方にとっては一度は足を運んでみたい場所の1つでしょう。
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平成18年に作庭された白砂と杉苔の枯山水庭園「紫雲の庭」は、大方丈から見て右側が美作の国、左側が比叡山延暦寺での修行時代、真ん中が浄土宗開宗・金戒光明寺の興隆を表しています。白川の白砂の中の道筋も印象的で法然上人の辿った生涯を連想させられます。また、石組で所縁のあった人物像を表し、つねに法然上人が多くの人々と縁があったということがわかります。
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庭園北側にある大池周辺には「ご縁の道」が整備され、秋の風情を楽しむことができます。

開催概要

京都秋の特別公開《山門》《御影堂・大方丈・庭園》 
期間:2019年11月4日(月・休)~12月8日(日)
料金:大人800円/小学生400円(15名以上は1割引)
セット券(御影堂・大方丈・庭園・山門):大人1,400円/小学生700円(団体割引なし)
拝観時間:9:00~16:30(16:00受付終了、セット券での拝観は15:30までにお越しください)
お問い合わせ:京都市観光協会 075-213-1717

《金戒光明寺特別夜間拝観》

また、金戒光明寺では秋の特別公開と同期間となる2019年11月4日(月・休)~12月8日(日)、御影堂・大方丈・庭園夜間拝観もおこなわれます。ライトアップされた紅葉やお庭は必見で、山門もライトアップが行われます(夜間公開では山門は特別公開いたしません)。
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紅葉が美しい金戒光明寺の境内ではライトアップに照らされる木々の様子も見逃せません。画像左側は阿弥陀堂で、三重塔や會津藩殉難者墓地から石段を下りて来ると極楽池があり、右手に阿弥陀堂が見えてきます。
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こちらは大方丈南側にある方丈前庭で、本堂と大方丈とともに再建された唐門を望み、一面白砂の枯山水庭園となっています。また、大方丈では毎日琴や篠笛などの邦楽の生演奏(演奏予定時間18:00~、18:45~、19:30~)もお楽しみいただけます。
(C)水野克比古 (168110)

紫雲の庭からご縁の道にかけては庭に降りて歩いて行くことができます。
池の水面にカラフルな紅葉が写りこむのはまさに幽玄の美の世界です。
※夜間拝観では山門は特別公開されません。
via (C)水野克比古

開催概要

期間:2019年11月4日(月・休)~12月8日(日)
拝観時間:17:30~21:00(最終入場 20:30)
拝観料金大人:800円(大人20名以上は700円 )/小学生:400円
お問い合わせ:京都コネクト株式会社 075-203-2940

《夕焼けもいかがでしょうか?》

昼夜ともに素晴らしい見所に溢れている金戒光明寺ですが、実は境内からは夕焼けの眺めも美しく、ライトアップ前に夕日に染まる京の町の眺めを楽しむこともできます。特別公開は昼夜入れ換え制であり、両方見たいけれど間の時間がちょっともったいないな、なんて時は30分早く拝観できるプレミアム拝観プラン(金土日のみ、要予約)や、境内でも特に高い場所に建つ三重塔の周辺で夕焼けを楽しんでみるというプランもお勧めです。
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三重塔へ向かう途中の石段脇にはちょっと変わった髪型をした、通称アフロ仏として話題になっている五劫思惟阿弥陀仏(ごこうしゆいあみだぶつ)が鎮座しています。
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塔へ向かう石段からは天候に恵まれれば夕日に染まる京の町を見ることができます。くろ谷から西へ約2キロの地には京都御所があり、さらに西方には西山連峰が。また、三重塔周辺には會津藩殉難者墓地があり、鳥羽伏見の合戦などで亡くなった人々の慰霊碑もあります。
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山門の近くにある鐘楼からの夕景。このあとのライトアップへの期待も高まってきます。帰りはぜひ御影堂前やこの鐘楼周辺からの夜景もお楽しみください。

基本情報

名称:金戒光明寺
住所:京都市左京区黒谷町121
アクセス:京都市バス「岡崎神社前」下車徒歩約5分、「東天王町」下車徒歩約15分、「岡崎道」下車徒歩約10分
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