2021年2月21日 更新

【京都発酵】酒・酢など古都の醸造つかさどる☆図書館敷地内「平安宮造酒司倉庫跡」

発酵で健康!京都発酵食品部です☆今回は中京区、京都市中央図書館敷地内にある史跡。平安時代、都の酒や酢といった発酵食品を醸造し儀式・饗宴に催した役所跡。

図書館の敷地内にある平安京の醸造所跡

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中京区、千本丸太町通をさらに西へ。京都市中央図書館と京都市生涯学習総合センター(京都アスニー)のある場所。
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その敷地内の中庭の植栽や駒札、石標がある場所。このような公共施設、学校や公園内に史跡があるのも、ある意味京都あるあるな風景なんですが。
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この辺りには、かつて平安京があり、周辺には平安京の史跡が数多くありますが、こちらもその一つ。

駒札によると、この場所は平安時代、主に宮内で支給される酒・醴(あまざけ)・酢などの醸造をつかさどる役所であったとあります。

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1978年の発掘調査より、総柱の東西3間(6.0m)、南北3間(7.2m)の掘立柱建物が発見され、醸造用の米等を保管する高床式倉庫の遺構である考えられています。
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このあたりの平安宮跡は全域が市街地であることから、建物跡等がまとまって検出できた調査例はきわめて少なく、造酒司跡においても正庁等の主要建物は検出されていないものの、本倉庫跡のように平安京創建期の建物1棟分の遺構が良好な状態で検出できたことは、特筆すべきことで貴重な遺跡。
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戦火や大火で京都の町は幾度も焼失し、かつてここが国の醸造統制をしていた場所とは知らない人も多いのでは?

現在では、伏見が酒処として知られていますが、当時お酒や醸造ものが供されるのは宮中に限られ、今のように庶民が楽しめるものではなかったんでしょうね。

そんな発酵食品の歴史も垣間見れる史跡です!

基本情報

名称:平安宮造酒司倉庫跡
場所:京都市中京区聚楽廻松下町
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