2021年7月29日 更新

【京都発酵】知る人ぞ知る江戸時代創業醸造酢☆有名店も愛用「齋(いつき)造酢店」

発酵で健康!京都発酵食品部です☆今回は中京区、二条城にもほど近い場所にある老舗の醸造酢のお店。主に業務用で純米酢を提供。全国的にも知られる有名店も愛用する、知る人ぞ知る名店。

全国の料理人が愛用する知る人ぞ知る老舗の醸造酢

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中京区、六角油小路東。
以前、六角通を歩いている際、たまたま見つけたお店。後で調べると、料理業界では有名な老舗『齋造酢店』。その日は定休日で、中の様子がわからず、平日電話で問い合わせると、お店にうかがえば購入可能とのこと。
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一部、ネットでポン酢『花菱味付けぽん酢』は購入でき、ファンも多い商品だそうですが、今回はやはり要の純米酢『花菱酢』を入手しようと。純米酢は直接お店に行かないと購入できないようで、しかも業務用の一升瓶仕様。なので、この日は祇園祭後祭の山鉾も周辺には建っていましたが、いったん購入したら一升瓶抱えて歩き回れずトンボ返りすること覚悟で(笑)
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控えめに暖簾も出ています。定休日に来た時は看板でしかお酢屋さんであることがわからないほど、周辺の住宅に紛れてしまうというか。

でも、こちらのお店は京都、いや全国的にも知られる名店が愛用する造酢。特にお寿司屋さんや和食店で重宝されるお酢のようで、地元はもちろん遠方の料理人も買いに来られ、業界では何気に超有名店。ですが、ひっそり黒子に徹しておられるような、そんな印象を受けます。
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お店は古い京町家。奥に蔵もうっすら見えます。
現在で10代目まで続く、江戸時代創業の老舗造酢。元々京友禅の色止めに使われていたお酢。当時は多くの造酢店があったと言われて、現在残っている老舗も元々色止め用のお酢をつくっていたところが大半。その色止め剤も薬品でまかなわれるようになり、お酢の需要は食用が主体に。こちらでは3代前から食用の醸造酢にシフトされたんだとか。
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ほぼほぼ業務用で販売されてるんでしょうね。店内は特に一般客向けな仕様にはなっていませんが、こんな様子。奥の蔵は石畳状になっていて、それだけで古いお店であることがわかります。
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こんな風に商品が並んでいます。
お目当ての一升瓶サイズの花菱酢はケースに入っていて、そこから欲しい分抜いていく様子。一升瓶サイズは2種類あり、調味酢と純米酢。調味酢はそのままご飯に合わせて酢飯にしたり、ピクルスにしたりできるよう調合されています。
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で、炎天下一升瓶をリュックに背負い、こちらを購入。純米酢972円。一瞬、日本酒風な硬派なラベル。いぶし銀なカッコよさ。
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原材料表示みると、大手メーカーの純米酢の酸度4.5%なので、同等以上ということですね。で、何より注目が食塩が入っています。
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で、味見。
そこそこしっかりとした酸味を感じつつ、深いコクとまろやかさ、そして後味に隠し味適度の塩味。この塩味がコクやまろやかさを引き立ててる印象です。あんこ炊くときに塩入れるような感覚の。これ、通常の純米酢に後から塩を添加して同じような味になるか?と考えると、そうならないような味の深みを感じます。
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で、そんなことを踏まえ、今回はこの純米酢を使い、バラ寿司を作ってみました。寿司酢には純米酢と砂糖のみ。普段なら旨味がたりないと思い、隠し味に液体出汁を添加したりするんですが、純米酢に旨味が感じられるので砂糖だけで十分。あらかじめ刻んだみょうがを寿司酢に漬けて発色させ、それを炊き立てご飯に添加し熱いうちに混ぜ合わせます。そこに、ちょうど土用の丑というので買っておいた鰻の蒲焼きを少し残しておいて、刻んだもの、炒りごま、大葉の千切りを一緒にさっくりと混ぜ合わせ、出来上がり。

純米酢と砂糖のみの寿司飯ですが、旨味に物足りなさはなく、とても美味しく仕上がりました。鰻のこってり加減もお酢効果でさっぱりとしつつ、ちょっと玄人っぽい仕上がりの味に。これもこの純米酢効果ですね、きっと。ちょうど暑い盛りで食欲も減退する時期。そんな時にフル活用したいお酢。オススメです!

詳細情報

名称:齋(いつき)造酢店
場所:京都市中京区本能寺町114
電話:075‐221‐5393
営業時間:9:00~18:00(土曜~15:00)
定休日:日・祝日
関連サイト:https://hanabishiponzu.com/#products3
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