2020年2月11日 更新

【京都発酵体験レポート】京野菜や老舗麹など京都食材で冬の味覚『かぶら寿司』を作ってみました☆

発酵で健康!京都発酵食品部です☆今回は伝統京野菜や老舗の生麹など京都食材を使い、石川県伝統の発酵食品『かぶら寿司』をつくるワークショップ。その様子をご紹介します。

本場金沢に負けない京都食材でつくる発酵食品『かぶら寿司』

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東山区祇園にある日本酒好きにはお馴染みの有名酒店『浅野日本酒店』の日本酒バー。
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以前こちらへ伺った時、日本酒のアテとして提供された石川県金沢の伝統料理『かぶら寿司』。金沢の伝統野菜であるかぶらを冬の味覚・寒ブリを挟んで麹漬けにした代表的発酵食品。その美味しさが忘れられず、また食べてみたいと思い、金沢へ旅行中の友人に買ってきたもらうことに。
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石川県金沢市内にある創業140年余続く、伝統発酵食品の老舗『四十萬谷本舗(しじまやほんぽ) 本店』。特にこちらのかぶら寿司は全国的にも有名で、この時も芸能人が買いに来るほどだったとか。

かぶら寿司の起源は不明ですが、江戸時代魚屋が得意先へのお歳暮として作っていたのが始まりと言われています。大正時代には富裕層の間で広まり、庶民には大根にサバを挟んだ大根寿司が一般的でした。

金沢出身の作家・泉鏡花には特に愛された、金沢を代表する発酵食品。
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そのかぶら寿司がこちら。馴れずし(魚を塩と米飯で乳酸発酵させたもの)の一種。
かぶらをちょうつがい状にスライスし、その中に薄くスライスした寒ブリを挟み、まわりに米麹、人参、などが具材として一緒に漬け込まれています。

で、これを京都が誇る食材を使ってつくったら、もっと美味しいかぶら寿司ができるんじゃね?という、とても単純な発想でやってみることに(笑)

かぶら寿司のレシピ

かぶら寿司の作り方のタイムラインとしてはこうです。構造としてはシンプルです。


①寒ブリを塩漬けにし、1ヶ月以上熟成

②かぶらをカットし、2~3日塩漬け

③米麹の調整

④①と②と③をあわせ、5日間漬け込む。

⑤食べやすくカットし、完成


で、実際これに沿って作ってみました。調理の際は完成予定日から逆算して作業を行ってください。

①寒ブリを塩漬けにし、1ヶ月以上熟成

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とにかくこの仕込みが一番期間を要するので、完成より1ヶ月半ほど前倒しで始めます。
こちらは年末のおせち用に販売していたサク状のブリ。ちょっと水揚げ場所は忘れましたが、日本海で水揚げされたブリ。それに大量の塩が必要。今回うちにあった荒塩を使用しましたが、食塩でも可。要はブリの水分を出し切ることがポイント。
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こんな具合に惜しみなくブリのまわりを塩で多い、塩釜状に。とにかく、水分が溜まるとそこから腐ってくるため、大量の塩で覆ってください。

この状態で冷蔵庫で1ヶ月近く熟成。お手本となる四十萬谷本舗のかぶら寿司用ブリは半年熟成とのことですが。

②かぶらをカットし、2~3日塩漬け

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もう一つの主原料となるかぶらの調達。亀岡市にある産直野菜を販売する「ファーマーズマーケットたわわ朝霧」。
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冬野菜が豊富に並び、かぶら類も種類豊富にあります。赤かぶや通常の小かぶなども。
そんな中で、やはり代表的なのが伝統京野菜である聖護院かぶら。京漬物・千枚漬けやかぶら蒸しなど、冬の味覚として重宝される冬野菜。

これをかぶら寿司に使ったら、絶対美味しいにちがいない!と聖護院かぶらで試してみることに。
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その中でも比較的小さいものをチョイス。本場金沢のかぶら寿司に使用されるかぶらの径に合わせて。しかも年明けのかぶらは割安です。2~3個入った袋で100円前後。

他、一緒に入れる人参や柚子もここで購入しました。
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まずは聖護院かぶらの皮を剥きます。わりと分厚めに硬いスジを取り除くように。
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大体かぶらの厚さが3センチくらいになるよう輪切りに。
さらに、一部を残してちょうつがい状になるように包丁でその真ん中に切れ目を入れます。ちょうどこの部分にブリを挟むことになります。
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本当は円状にカットするのがベストでしたが、扱いやすいため半月にもカット。ちょうつがい状にすることはもちろんですが。

そこに、かぶら重量の3パーセント分の荒塩を降り入れます。今回かぶら7個分で大体2段になりました。
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これに重石を乗せ、2~3日置き、かぶらを塩漬けに。

③米麹の調整

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漬け込みに使用する米麹の調達はこちらで。
東山区、六波羅蜜寺スグの場所にある、創業300年余続く老舗種麹屋「菱六」。発酵食品に関わるさまざまな麹菌(もやし)を取扱い、安定した品質で提供するお店。また発酵食品に詳しい人にとっては発酵聖地的お店。
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そのお店で生麹1キロ1300円を購入。
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いい麹は栗の香りがするとも言われているみたいですが、香り嗅ぐの忘れました(汗)
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炊飯器で2合ご飯を炊き、その炊き立てご飯と米麹、ヒタヒタになるよう湯を加え、炊飯器の保温機能を使いながら50〜60℃、7時間キープしながら調整。

麹菌自体の繁殖適温は25~30℃、50℃前後で死滅、60℃前後で米を糖化。それを思うと、かぶら寿司に入れる目的は甘味の付与かな?と思い、米が糖化するように設定。
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使用時には完全に冷ましておく。どろっとした濃い甘酒状に。

④①と②と③をあわせ、5日間漬け込む。

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①で塩漬けしたブリは水分が完全に抜け切った状態。かぶらの個数分に合わせスライスしておく。
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②で塩漬け後のかぶら。かぶら自体から同量分くらいの水が出て、しんなりした状態。塩水を切っておきます。
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そして、ブリにも米麹を絡めかぶらで挟み、さらに米麹をまぶしておきます。
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一緒に漬け込む具材に、人参、柚子皮、利尻昆布を用意し、それぞれ千切りにしておきます。量は適量。

京人参(金時人参)を使うと、華やかな色目でより京都らしくなるだろうと思いましたが、たまに紅白なますで発生するような色素がにじみ出たりする恐れを懸念し、今回は通常の洋人参を使用。
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サンドイッチ状のかぶらを樽に並べます。
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そこに人参、柚子皮、昆布を散らし、残った米麹を加えます。
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重石を乗せ、この状態で5日間寒風下で放置。

⑤食べやすくカットし、完成

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そして、出来上がりがこちら。
ブリは塩漬けして水分が抜けた状態で漬け込みましたが、もとの切り身の時のようなしっとりとした状態に復活。かなりの絶品に仕上がり、試食した全員には大好評でした。日を追うごとに乳酸発酵がすすみ酸味が増しますが、それまでに食べ切るのが美味しいですね。

とくに、今回聖護院かぶらで漬けてみましたが、ブリに勝るとも劣らない、かぶら本来の美味しさを堪能できる味わいに仕上がりました。かぶら寿司自体、どの食材も旬の時期が限られるため、すでに仕込時期を逸していますが、来年試してみたい方はぜひ参考にしてみてください。驚愕の美味しさです!


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