2021年3月1日 更新

イタリアンの巨匠 イル ギオットーネ笹島シェフ直伝「ボンゴレビアンコ」の作り方

全国に名を馳せるイタリアンシェフ笹島 保弘 氏が、初めてイタリアに旅したときに食べた料理が「ボンゴレビアンコ」だったそうです。基本のイタリア料理であり、笹島シェフの愛する「ボンゴレビアンコ」を本人登場の動画をみながら学びましょう!

巨匠が教える「ボンゴレビアンコ」の作り方

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今回、レシピを教えていただいたのは、イタリアンの巨匠、笹島 保弘シェフ。本人直々に動画に登場、プロならではの食材の見極めからパスタを茹でるときのポイントまで、すべてを教えてくださいました!
およそ19分の動画の中に、笹島シェフが現場で使っているプロのコツがいっぱい詰まっています。お見逃しなく!

材料(2人前)

スパゲティ  180g
あさり  300g
グリーンアスパラガス 100g
にんにく 大2片
タカノツメ 1本
EVオリーブオイル 大さじ2

<分量外>
昆布 10㎝角 1片
EVオリーブオイル
水 50〜60ml
塩 適量
花穂しそ

料理の手順

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下準備

・あさりの下処理
あさり同士を一粒ずつ叩いて、音を確認。生きているあさりは、コツンといい音がする。死んでいるあさりは取り除く。
(お店では、使うあさりすべてをチェックされます。大変・・)

3%濃度の塩水(水100ccに対して塩3g)をつくる。
ボウルに入れたあさりに、ひたひたより少なめに入れる。
ふたをして暗くし、涼しい場所に1時間ほど置く。
よく洗ってから充分に水気を切っておく。

ソースベース

ボンゴレの場合、オイルがソースのベースになるので、炒めるときにもエクストラバージンオイル(一番搾りのオリーブオイル)を使う。

火をついていない鍋に、エクストラバージンオリーブオイル大さじ2程度をいれ、にんにくを入れる。
※動画で笹島シェフは、まるまま入れていますが、材料に記載のにんにく分量で調理する場合は、皮をむいて縦半分に切り、芽をとっておきます。

にんにくがキツネ色になったら、もう焦げている状態なので、うっすら色がついた程度で、にんにくを引き上げる。オイルにニンニクのよい香りだけがつきます。
(オリーブオイルは沸点が230度と他のオイルよりも沸点が高いので、焦がさないように。煙が出た時点で、油は酸化しています!注意!まるままのにんにくの場合で、炒め時間は2 分ほど。半割りにした場合、火の通りがよいので、にんにくの色で確認しながら炒め時間を調整してください)

火を止めた鍋に、種を抜いて半分にカットしたタカノツメ を入れ、余熱で辛さをオイルに浸透させる。

まだ火をつけずに、“生”のアスパラガス、殻付きのあさりを鍋にいれていく。あさりを入れてから火をつけ、分量外の水50〜60ml(呼び水というそうです)を入れて蓋をし、中火で蒸し煮にする。
(呼び水をすると、あさりの蓋が開きやすく、うまみの美味しいスープが出てくる)
(野菜は、生のまま蒸し煮にすると、野菜のうまみもスープに溶け出す)

※ここでは一切、塩を加えません。

火を入れすぎないように!あさりの口が開けば、火が通った合図。食べやすいように取り出し、殻を外しておく。
(殻が開いてからも煮続けると、身が硬くなってしまうので注意)

同様にグリーンアスパラガスとタカノツメも取り出しておく。

スパゲティを茹でる

<動画8:24>
昆布だしでスパゲティを茹でるのがおすすめ。
(アスパラの皮や野菜の切れ端などを入れても出汁がでる。昆布がない場合は、スープやだしの素を入れても、塩水だけで茹でるよりも断然おいしくなる。)

塩は塩分濃度1%程度になるように入れる。計るのが面倒な場合は、味見をしてみて、お吸い物くらいの味が塩分1%の目安。

お鍋の大きさは、パスタが入れば大丈夫!少ないお湯でもよいそうです。

茹でるときのコツは、強く沸かさないこと!!茹でているスパゲティが見える程度にコトコトと沸かす。沸騰して、白い泡が出ているような状態はよくないそうです。注意!
強く沸かさず、パスタがほぐれたら、さわらず放っておくのがポイント。
(コトコト茹でることをイタリア人は「微笑むように茹でる」というそうです)
(白い泡が出ている状態は、スパゲティが溶け出ている証拠。麺がねっとりしてしまうので、麺を茹でる火加減に注意しましょう)

茹で時間は、スパゲティの袋に書いてある標準時間から1分30秒ほど少なめに。
時間を計らない場合は、麺1本を取り、指の腹でポンっと切れたらまだ硬く、なかなか切れなくなってくるとアルデンテになってきている。

パスタが水分を吸い込む余白を残した状態で取り出し、湯切りする。

スパゲティとソースを合わせる

具材(あさり、アスパラガス、タカノツメ)を取り出したソースを味見して、塩分が強ければ水を足す。
(味付けしていませんが、あさりの煮汁だけでかなりの塩分があります)

茹で加減に余白を残したスパゲティが、おいしいスープを吸い込ませるために、ここからがポイント!

タイムラグがないように、スープはしっかりと沸騰させておき、湯切りしたスパゲティを沸騰したソースに入れてからめる。

強火で、鍋肌で焦がさないように、素早く混ぜ合わせる。

ここでさらにポイント!

スープと麺だけでは、なかなか麺にスープが絡まないので、分量外のエクストラバージンオイルを足す。そうするとスープが乳化し、麺とスープが完全に絡む。これがイタリアのボンゴレです!
(動画では、かなりのオリーブオイルを入れています。大さじ2杯分くらい??)

しっかりと麺とスープが絡んだ状態まできたら、具材を戻し、さらに香りづけでオリーブオイル(分量外)を入れる。これで出来上がりです。くるりと巻いてお皿に盛りましょう。

香りをつけるために花紫蘇をちぎって飾ります。和の食材を取り入れたイルギオットーネらしさがおうちで再現できますよ! 初夏にはやわらかい木の芽を使っても、和の香りが楽しめるそうです。

プロのコツ〜まとめ〜

●あさりが生きているかどうかは、貝同士をぶつけた音で確認する

●にんにくを炒めるときは冷たいオイルから。ほんのり色がついたくらいで引き上げる

●オイルは、炒めるときもエクストラバージンのオリーブオイルを使う

●ソースにオリーブオイルを足して、乳化させることで麺との絡みがよくなる

●パスタとソースを合わせるときは、ソースを沸騰させておく

●パスタを茹でるときは「微笑むように」茹でるのがポイント!決して沸騰させない

動画外

試食タイムに教えていただいたお話を少し...

・スパゲティの麺選び
ボンゴレビアンコには、1.8mmの太さの色が白っぽい麺が合う。
(白っぽく見える麺と黄色い麺は、パスタをカットする刃の材質が違って、白っぽいものは麺の表面がザラザラしているので、ソースが絡みやすいそう)

・オリーブオイル
笹島シェフが使われていた商品は、樹齢1000年のオリーブの大木が茂る広大な自家農園で手摘みで採取されたオリーブを使ったエクストラバージンオイルです。喉にピリピリする感じがなくて、料理に使いやすく、ご自宅でも愛用されているそう。オリーブオイルで味は全然変わるので、これぞという一品を探して、作ってみてください!

・昆布だし
60度のお湯で1時間抽出する方法が、昆布のうま味を最も引き出せるとのこと。和食づくりにもいかせますね!

店舗情報

店名:イルギオトッーネ 京都本店
住所:京都市東山区 八坂上町388-1
電話番号:075-532-2550
営業時間:12:00~14:00(L.O) 18:00~19:30(L.O)
定休日:火曜日
公式ホームページ:https://www.ilghiottone.com/

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Kyotopi 編集部 Kyotopi 編集部