2021年1月5日 更新

【京都発酵めぐり】京の台所・錦市場スグの名店☆冬の京漬物『千枚漬』の老舗「大藤」

発酵で健康!京都発酵食品部です☆今回は中京区、京の台所として知られる錦市場スグの麩屋町通沿いにある京漬物の老舗。京都三大漬物の一つ、千枚漬をレポート。

京の冬の味覚『千枚漬』の老舗

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京都市中京区、400年の歴史を持つ、ご存じ京の台所・錦市場。

国内外問わず、多くの買い物客や観光客でにぎわう場所。でしたが、昨年初旬の新型コロナウイルス感染拡大以降、外国人観光客を中心に利用者激減。コロナ以前なら通りはいつもすし詰め状態でした。

現在では国内の観光客を中心にまた客足も戻りつつありますが、それでもインバウンド需要で盛り上がっていた頃よりも利用者少なめ。

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こちらは一昨年の師走の様子。年末に向け、おせち用食品や冬の味覚などを目当てにした買い物客でにぎわっていました。

毎年師走に錦市場の活気づいた様子を見ると、自然とこちらも心躍るような、そんな風景。スーパーの買い物では感じ得ない、昔から続く市場風情と言いましょうか。
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そんな錦市場も東側、麩屋町通下がったスグの場所にある京漬物の老舗。

創業は江戸時代、慶応元年。現在で5代目だそうです。
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いつも師走に錦市場を訪れると、お店の前に出された大量の端材。これを見ると、あぁ師走やなぁ~と私なんかは思うわけですが。うちの実家も京漬物店で、師走は同じような状況でしたので(笑)
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京の伝統野菜、いわゆる冬の京野菜の代表格である聖護院かぶら。それを使った京都三大漬物の一つである千枚漬の仕込み後。
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京野菜である聖護院かぶらは通常の蕪に比べ、かなりの大玉かつ皮の厚さが特徴。なので、美味しく漬ける秘訣として、かなりぶ厚めに皮を剥き中の柔らかい部分を使用することになり、こうして大量の端材が出来上がります。周辺では聖護院かぶら特有の甘い香りが漂い、それも含めての冬の風物詩的京漬物。
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で、そんな千枚漬ですが、今シーズン友人に自家製の大根ヌカ漬けを年末におすそ分けしたところ、そのお返しにこちらの千枚漬をいただきました。どういう意味でしょうか。これ食べて、もっと勉強せぇ!てことなんでしょうか(笑)

まあ、前々から一度食べてみたいと思っていたので、うれしい贈り物でした。
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京漬物にもいろいろ種類があるわけですが、とりわけ千枚漬においては、そのフォルムや醸し出す雰囲気、製造工程が他の漬物と一線を画すものだな、と常々思っていましたが、その成り立ちを考えると合点がいきます。

添えられたリーフレットによると、江戸時代の終わり頃、京都御所で料理人勤めをしていた初代の発案により誕生したのが千枚漬。

当時、漬物といえば保存食で、どちらかといえば庶民の食べ物。それを宮中仕立てに作られたのが千枚漬。白味噌雑煮もそうですが、宮中では白が好まれ、さらにその淡味淡泊な優雅で上品な味わいと姿が好まれ、それが後世庶民にも広がり、今にまで受け継がれているとか。
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昔から、この千枚漬を構成するかぶらの白、昆布の黒、壬生菜の緑の三色の配色にうっとりしていたものですが。それにも意味があり、かぶらを白砂、壬生菜を吉祥の松に見立て、御所の瑞兆を表わしているんだとか。こうして袋詰めされた状態でも、その耽美(たんび)さが伝わります。
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千枚漬は漬物の中では浅漬けにあたり、ヌカ漬けなどに比べるとあまり日持ちしないのが特徴。

製造工程としては、千枚漬用のカンナで薄くスライスしたかぶらを塩漬けし、昆布や調味液で漬けるというもの。昆布の量や調味液の違いで、お店独自の味に仕上げます。
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で、カットして実食。
お正月のハレの日のお漬物として、壬生菜をかぶらでロール状に巻いてカットしたりもよく見かけますが、こんな風にホールケーキ風にカットするのが一般的。壬生菜も細かくカットして添えて。昆布は今回彩りに添えてみました。

原材料表示にもあったとおり、調味液に砂糖と醸造酢を使用しているため、ほのかな甘みと酸味、昆布の旨味がかぶらの風味を損ねず、わりとあっさり淡い味わいに漬けられている印象。おせち料理など濃いめの味付けのものと合わせるとちょうどいいバランス。リーフレットにもあったように、その白さ、淡味が印象的でした。

食卓にあるだけでちょっと華やかな印象を与える千枚漬。縁起物ですね。

詳細情報

名称:大藤
場所:京都市中京区 麩屋町通り錦小路下る桝屋町510
電話番号:0120‐025‐975
営業時間:9:00~17:00
定休日: 4月 ~9月 木曜日 【7月31日棚卸につき休業】
    10月~3月 無休 【1月1・2日を除く】
公式サイト:https://www.senmaiduke.com/
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