2019年1月24日 更新

「京の冬の旅」開催中!京都にみる日本の絵画 ~近世から現代~【北エリア】

「京の冬の旅」普段は見ることができない貴重な文化財が特別公開!3つのモデルコースごとに紹介します

【京の冬の旅】今回のテーマは「京都にみる 日本の絵画」

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平安遷都以来およそ1100年の間、日本の都であり、文化・芸術の中心地であった京都には、数多くの名画が残っています。また、政治の中心が東京に遷った明治以降も、日本初の公立の絵画専門学校「京都府画学校」(現在の京都市立芸術大学)が開設されるなど、今日に至るまで、京都は日本の絵画の中心として美術界を牽引し、「京都画壇」は日本画革新運動の一大勢力となっていきました。
2019年9月に日本で初開催となるICOM KYOTO 2019(国際博物館会議京都大会)が開催されることに先駆け、「京都にみる日本の絵画~近世から現代~」をテーマに寺院において、通常非公開の文化財を特別公開します。

出発地は京都駅!北エリアのモデルコースをご紹介します

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各コースJR京都駅を起点として、公共交通機関をうまく利用し、
散策しながら拝観できるコースとなっています。

まずは「北エリア」からご紹介!
【相国寺 慈照院】→【本法寺】→【大徳寺】→【善想寺】
という4ヶ所のお寺を拝観し、最後は京都駅に戻ってくるというコースです。

その後ちょっと足をのばして【東寺】さんまで行くこともできますよ。

【相国寺 慈照院】*京の冬の旅6年ぶりの公開

まずは京都駅から地下鉄に乗り込み「鞍馬口」駅まで約11分。
そこからさらに徒歩で10分ほど行くと、
見えてくるのがこの相国寺 総門です。

京都の双璧をなす有名寺院「金閣寺」と「銀閣寺」がともに相国寺の塔頭寺院であることは、ご存知でしたか?
相国寺は足利義満によって創建されました。ほどなく金閣寺が創建され、後年足利義政により銀閣寺が創建されました。足利歴代将軍が創建した禅宗寺院として、本山である相国寺の塔頭寺院となったのです。
相国寺 総門

相国寺 総門

さらにそこから奥へ奥へと進んで行くと現れるのが、
今回京の冬の旅6年ぶりの公開となる【相国寺 慈照院】です。

足利義政と桂宮の菩提所 朝鮮通信使ゆかりの寺

相国寺慈照院 外観

相国寺慈照院 外観

慈照院は、相国寺塔頭寺院で足利八代将軍義政や桂宮家の菩提所となっています。
応永12年(1405年)前後、在中禅師(大本山相国寺住持第13世)の創建。
始めは大徳院と名付けられましたが、延徳2年(1490年)足利義政の菩提所となったことから、慈照院と改号されました。
相国寺慈照院「帝鑑図屏風」

相国寺慈照院「帝鑑図屏風」

客殿(本堂)には宮家代々の位牌を祀り、狩野派の「帝鑑図屏風」が飾られています。客殿北廊下には、柱間を利用して作られた珍しい二重丸炉があります。
相国寺慈照院 客殿前庭

相国寺慈照院 客殿前庭

また客殿の前には、「陸船松」や石組が見事な枯山水庭園が広がっています。
相国寺慈照院 書院「棲碧軒」

相国寺慈照院 書院「棲碧軒」

江戸時代に桂宮の御学問所として建てられた書院「棲碧軒」は、腰高障子や繊細な欄間など桂離宮「古書院」と同じ材や建築法で造られたものです。
相国寺慈照院 朝鮮通信使「韓客詞章」

相国寺慈照院 朝鮮通信使「韓客詞章」

今回は、2017年11月に「朝鮮通信使に関する記録」がユネスコ世界記憶遺産に登録されたことを記念して、慈照院の僧に通信使が贈った巻物「韓客詞章」ほか書画類を特別展示されます。

詳細情報

【相国寺 慈照院】
〒602-0898
京都市上京区今出川通烏丸東入相国寺門前町703
TEL 075-441-6060

公開期間:2019年1月10日(木)~3月18日(月)
公開時間:10:00~16:30(16:00受付終了)
料金:600円(団体割引あり)

関連ページ:https://www.kyokanko.or.jp/huyu2018/

【本法寺】 長谷川等伯生誕480年記念 芸術家たちの美の競演

相国寺から西へ向かって15分ほど歩いて行くと、
次の目的【本法寺】へと到着します。
本法寺 本堂

本法寺 本堂

室町時代に日親上人が創建した日蓮宗本山の一つで、本阿弥光悦の菩提寺となっています。
本法寺 長谷川等伯筆「日堯上人像」(展示替え有)

本法寺 長谷川等伯筆「日堯上人像」(展示替え有)

本法寺 波龍図屏風(展示替え有)

本法寺 波龍図屏風(展示替え有)

今回は、本法寺塔頭に寄宿していた長谷川等伯が京都で最初に手がけた「日堯上人像」(重文)、「波龍図屏風」や狩野山楽筆の「唐獅子図屏風」などの絵画が特別公開されます。
本法寺「巴の庭」

本法寺「巴の庭」

巨大さと見事な描写から「京都三大涅槃図」の一つに数えられる長谷川等伯筆「佛涅槃図」(重文・製)のほか、光悦が作庭したと伝わる斬新な図形的意匠の「巴の庭」(名勝)も見どころですよ。

詳細情報

【本法寺】
京都市上京区小川通寺ノ内上ル本法寺前町617
TEL 075-441-7997

公開期間:2019年1月10日(木)~3月18日(月)
公開時間:10:00~16:30(16:00受付終了)
料金:600円(団体割引あり)

関連ページ:https://www.kyokanko.or.jp/huyu2018/

【大徳寺 本坊】 洛北の禅刹 国宝方丈を飾る探幽の代表作

本法寺最寄りのバス停「堀川寺之内」より市バス(12系統)に乗り込み約5分、
最寄りのバス停「大徳寺前」から歩いていくこと7分程度で、
お次の目的地【大徳寺 本坊】に到着!

大徳寺は境内に20を超える塔頭がある、臨済宗大徳寺派大本山です。
千利休と豊臣秀吉のエピソードで知られる山門をはじめ、塔頭もほとんどが普段は非公開。

今回はその本坊内の「方丈」が公開され、狩野探幽の障壁画や庭園を見ることができます!
大徳寺本坊 方丈「狩野探幽筆障壁画」

大徳寺本坊 方丈「狩野探幽筆障壁画」

大徳寺本坊 方丈「狩野探幽筆障壁画」

大徳寺本坊 方丈「狩野探幽筆障壁画」

江戸初期建立の方丈(国宝)は8室に分かれ、開山・大燈国師の像を安置する「雲門庵」が設けられています。内部を飾る「山水図」「芦雁図」などの障壁画(重文)は、江戸初期を代表する絵師・狩野探幽の代表作で、余白を生かした詩情豊かで瀟洒な水墨画として知られています。
大徳寺本坊 方丈南庭

大徳寺本坊 方丈南庭

方丈庭園(特別名勝・史跡)は江戸時代初期の枯山水庭園で、聚楽第の遺構と伝わる唐門(国宝)を望む南庭は、一面の白砂の奥、深山を表す椿の刈込を背に滝を表す2つの大石を立てた平庭になっています。
大徳寺本坊 方丈東庭

大徳寺本坊 方丈東庭

また東庭は小堀遠州の作庭と伝わっています。

なお公開期間中の1月16日(水)~18日(金)・21日(月)、2月21日(木)、3月1日(金)は拝観休止
となりますのでご注意ください。

詳細情報

【大徳寺】
〒603-8231 京都市北区紫野大徳寺町53
TEL 075-491-0019

公開期間:2019年1月10日(木)~3月18日(月)
※拝観休止:1月16日(水)~18日(金)・21日(月)、2月21日(木)、3月1日(金)
公開時間:10:00~16:30(16:00受付終了)
料金:600円(団体割引あり)

関連ページ:https://www.kyokanko.or.jp/huyu2018/

【善想寺】*京の冬の旅初公開

大徳寺最寄りのバス停「大徳寺前」より市バス(12系統)に乗り込み約18分、
最寄りのバス停「堀川三条」から歩いていくこと7分程度で、
最後の目的地【善想寺】に。

「身代わり地蔵」と800年前の上皇の石仏

善想寺 本堂

善想寺 本堂

開基・想阿善悦上人の法名の二字を取って善想寺と名付けられた浄土宗寺院で、平安中期の上皇の御所だった四条後院の跡地に建てられました。
善想寺 石仏阿弥陀如来

善想寺 石仏阿弥陀如来

石仏阿弥陀如来」は、平安後期に上皇により造立され信仰を集めました。
善想寺 泥足地蔵

善想寺 泥足地蔵

地蔵堂に祀られた「地蔵菩薩像」は、伝教大師最澄が自ら彫ったと伝わる念持仏で、「泥足地蔵」や「汗出し地蔵」とも呼ばれ身代り地蔵尊として信仰されています。
善想寺 本尊・阿弥陀三尊像

善想寺 本尊・阿弥陀三尊像

本堂には、中尊と脇侍の背後を1枚の船形光背が覆い、両掌を胸前で水平に重ねる独自の印を結ぶ脇侍が特徴の「善光寺式阿弥陀三尊」が安置されています。

※毎週日曜日10:00~13:00は拝観休止となりますので、ご注意ください。

詳細情報

【善想寺】
〒604-8336 京都市中京区六角通大宮西入三条大宮町240
TEL 075-841-1658

公開期間:2019年1月10日(木)~3月18日(月)
公開時間:10:00~16:30(16:00受付終了)
※拝観休止:毎週日曜日10:00~13:00
料金:600円(団体割引あり)

関連ページ:https://www.kyokanko.or.jp/huyu2018/
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