2022年5月24日 更新

【京都俳句めぐり】『絶景かな絶景かな』で知られる南禅寺三門の句碑☆新緑の境内 

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は左京区、京都屈指の観光名所・臨済宗大本山南禅寺。そのシンボル三門にある僧侶の俳句を記す句碑。

悟りの境地をあらわす南禅寺三門に佇む僧侶の句碑

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左京区岡崎エリア。臨済宗大本山・南禅寺があります。南禅寺は文永1年(1264)に亀山法皇によって創建された臨済宗南禅寺派大本山のお寺。日本の禅宗の寺院の中で最も高い格式が高い京都五山の中でも別格寺院。
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この日は毎月第2、4日曜日に開催される暁天坐禅会に参加。絶え間なくウグイスの鳴き声のする禅堂での禅行でした。お話は坐禅儀の一説から。
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終了後は境内を散策。
法堂裏に季節の白い花が咲き誇っていました。おそらくシャリンバイだと思われます。境内を掃除されてるお寺の方に聞いてみましたが、不明でした(笑)
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他にも鮮やかなピンクを放つサツキ。
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そして南禅寺名物スポットの水路閣。

境内を通る琵琶湖疏水の分線の水路橋で明治時代に完成。レンガ造りの明治建築と南禅寺発祥の地・南禅院前にあります。ちょっと不思議な景観をつくり、それが南禅寺らしいとも言えます。よくサスペンスドラマのロケ地にもなっていて、最近ではサスペンスドラマの帝王として知られる俳優・船越英一郎さんのポスターも最寄り地下鉄駅を飾っています(笑)
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三門へとつづく参道。

青もみじが旺盛に茂り、朝とは言え日差しは夏の力強さを感じさせます。

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そして、南禅寺のシンボル的存在である三門。
歌舞伎狂言「桜門五三桐」で、大盗賊石川五右衛門が満開の桜を眺めながらの放った「絶景かな絶景かな~」のセリフで広く知られる門。南禅寺では「山門」ではなく「三門」と書きます。これは、本山級の禅宗寺院に見られる独特の巨大な門のことで、「三」は「空」「無相」「無作」という悟りに至る三つの境地を指すことから由来します。

永仁3年(1295)西園寺実兼の寄進によって創立され、応安年間に新三門へと改築するも、文安4年の火災で焼失。現在の三門は寛永5年(1628)藤堂高虎が大阪夏の陣に倒れた家来の菩提を弔うために再建したもので、禅宗様式独特の圧倒的な量感と列柱群が特徴。
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そんな三門前の参道脇にある巨大な岩。ちょっと岩の質感で分かりづらいですが俳句が刻まれています。今までしょっちゅうこの参道を通っていましたが、それが俳句であるとは認識していませんでした(汗)
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ここには伊万里市の臨済宗南禅寺派・円通寺の高僧・森永湛堂老師によって詠まれた句が刻まれています。僧侶であり俳人でもあった老師。俳号(ペンネーム)は杉洞(さんどう)を名乗り、ホトトギス派の俳人。

『この門を入れば涼風おのづから』

一見にして、この三門のことを詠んだ句であることがわかります。季語『涼風』は晩夏をあらわします。単純に考えると、夏の暑い盛りを過ぎ、この三門には少し秋を思わせる涼風が自然と吹いていて心地よいさまをあらわしている、というそのままの解釈になりますが、そこはきっと老師らしい思いが込められているんだろうと。

前述にもあるとおり、三門の「三」は執着や束縛から解放された「空」「無相」「無作」という悟りの境地、つまり無常をあらわし、苦しみや悩みのもととなる執着や束縛は自分の心が作り出したものであり、それは心の有り様により、風に例えると時にはさわやかに感じられたり、あるいは暑く感じられたり、自分次第でいかようにも変わる、という意味では?と。そんな風に解釈すると、普段参加している坐禅会での法話をそのまま俳句にしたような、そんな印象を受けます。それを俳句の五七五に乗せて端的に詠まれている凄さ。感銘を受けました。

ちなみに俳句の解釈は人それぞれで、これはあくまでも個人的解釈。なので、自由に自分の解釈をしていい、というのも俳句の良さ。
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17音であらわす世界で一番短い定型詩・俳句。その俳句で、目にした風景に例えて禅の教えをも表現できるという可能性の幅広さ。いつも以上に収穫の大きい朝でした。

詳細情報

名称:臨済宗大本山 南禅寺
住所:京都府京都市左京区南禅寺福地町
電話番号:075-771-0365
関連URL:http://www.nanzen.net/index.html

暁天坐禅
場所:南禅寺・龍淵閣〔TEL:075(771)0365〕
日時:第2、第4日曜日(8月は休会・12月第4・1月第2日曜は休会)
内容:午前6時 坐禅および10分間法話 (11月~3月は午前6時30分からです) 
   午前7時 解散 
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