2022年6月23日 更新

【京都俳句めぐり】『奥の細道』で知られる俳人・松尾芭蕉の詠んだ古の観月池「広沢池」

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は右京区嵯峨にある風光明媚な風景広がる日本三沢の一つに数えられる景勝地。古より多くの和歌や俳句が詠まれた場所。

古より多くの歌人や俳人を魅了してきた景勝地『広沢池』

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右京区北嵯峨にある広沢池。
日本三沢の一つ。京都市内に居ながらにして里山風景広がる開放的空間。すぐ近くには大覚寺があり、大沢池とともに月見の景勝地として有名で、古来より数々の歌や俳句にも登場するスポット。
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ちょうど広沢池の向かいには歌碑があり、月を詠んだ歌が数々紹介されています。源頼政、西行などが詠んだ名歌ぞろい。
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そして、今回は広沢池に江戸前期の俳人・松尾芭蕉の詠んだ俳句の句碑があると聞き、やってきました。松尾芭蕉といえば、 元禄2年(1689)門人曾良を伴い江戸から奥羽・北陸の各地をめぐって詠んだ俳句をつづった『おくのほそ道』が代表作で、今年は奇しくもおくのほそ道生誕320年を迎えます。

芭蕉の句といえば主に東北地方で詠まれたものが大半かと個人的に思っていましたが、もしやこの広沢池で芭蕉が俳句を詠んだのか?と。
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で、その句碑は一体どこにあるんだろうと方々探してみましたが、どこにも見当たらず。
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で、池の手前を見ると、『廣澤の池』と書かれた石標が。その右側面をよくよく見ると、何やら俳句のようなものが書かれています。これが句碑のようです。そして、そこにはこう書かれています。

名月や池をめぐりて夜もすがら

松尾芭蕉が43歳の時の名月を詠んだ代表作とも言われている作品。芭蕉は京都嵯峨野にある、高弟・向井去来が営んだ落柿舎に滞在したこともあり、その際広沢池を観て詠んだと言われていますが、他にも説があり、東京にある芭蕉庵で「月見の会」が開催された際、隅田川に舟を浮かべて中秋の名月を詠んだ句であるなど、諸説あります。ですが、観月をして池のまわりをめぐったことを詠んだ句であることは間違いないようです。
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この句の季語は『名月』で仲秋。シンプルな解釈としては、仲秋の名月を眺めながら池の周りを歩いていたらいつの間にか夜が明けてしまった、というもの。この界隈は今も昔も夜は街灯などの灯りがなく、とりわけ美しい月を眺めるにはうってつけの場所。それが、仲秋の名月ともなると尚のこと。もしかしたら池の水面にも月が映り、さらにそれが反射して辺りを明るく照らしていたのかもしれません。そんな風景に酔いしれていたら、つい夜通し池の周りを歩いてしまいそうですね(笑)しかも、広沢池は周囲1.3kmの比較的安心して歩いて回れる距離。
この風景を目の当たりにしながら芭蕉の句を照らし合わせると、いろんな解釈ができます。そして、仲秋の名月だけに限らず、この風景を見れば誰もが俳句が詠みたくなるかもしれませんね。

基本情報

名称:広沢池 芭蕉句碑
場所:京都市右京区嵯峨広沢池下町31−2
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