京都の老舗、その女将さん。
「イケズっぽい」「取っつきにくそう」そんな感情を抱いている人も多いかもしれない。
「京都の女将さんについてどう思う?」と周囲に聞いてみたところ、令和になった現代にあって、ステレオタイプな女将のイメージがいまだ根強いのに疑問を持った。
「イマどきの女将さんって、どんなんなんやろ」。リュックにお酒をたんまり背負って、お酒好きだというとある女将に話を聞いてきました。
「私、この世で1番好きなのが『淡麗グリーンラベル』なんですよね!」とグラスの液体を飲み干す着物美女。創業110年を超える扇子屋さんの老舗「大西常商店」の女将・大西里枝さんです。
大西さん「そうですね。ボランティアをするサークルに所属していて、飲み会を知ってからはもう死ぬほど飲んでました。サークルに入る前は『飲み会に行ったら乱暴されるんじゃないか!?』くらい不安に思ってたのに」
おかん「飲み会をなんだと思ってたんだ」
大西さん「いや〜、お酒おいしいですよね!最近本当に外飲みが多くて、ついに旦那さんから『行かなければいけない飲み会以外、平日は家でも飲みません』って誓約書を書かされました!ワハハ!」
おかん「わろてまう」
おかん「そうか、旦那さんは九州の方なんですよね。京都の老舗の跡取りと結婚して、自分も京都に移住するのは義理の親御さんや旦那さんは反対しなかったんですか?」
大西さん「それもなかったんですよね〜。主人の実家は熊本の田舎の方なんですよ。風土も文化も違った場所で育った人だったから、受け入れてもらったのかも」
大西さん「それはね〜!!(笑) でも行く必要のあるものはOKしてくれますよ。やっぱり結構あるんですよ、職業柄。伝統工芸系の集まりとか、同業者の集まりとか……」
おかん「お店をやってるとやっぱり横の繋がりは大事ですもんね」
大西さん「私、緊張しいだし、もともとすごく人見知りなんですよ。お店に立つようになって随分マシにはなりましたけど。だから集まりがあると緊張をほぐすために大量にお酒を飲んじゃうんですよね。それでベロベロになっちゃって」
おかん「それは自分が悪いと思う」
おかん「意外と育ちも結婚もハードルがなくていわゆる「老舗って〜」感がないので、なんかないんですか。『老舗あるある』っぽいネタ」
大西さん 「振り方が雑〜!!」 「そうですねえ……珍しくないとおもうんですけど、毎月1日はお赤飯を食べますね」
おかん「それは十分珍しいのでは!?」
大西さん「あれ、そうなのかな!?」
おかん「歴史のあるお店の知り合いが少ないだけかもしれないですけど、はじめて聞きましたよ。家で炊くんですか?」
大西さん「いえ、懇意にしてる和菓子屋さんに頼むんですよ」