2016年11月22日 更新

廃墟・廃線マニア必見!わずか9年で廃止になった幻の赤い蒸気機関車☆「大仏鉄道」【京都木津川】

廃墟・廃線マニア必見です。かつて、京都と奈良・大仏を結ぶわずか1.2kmの鉄道があったことを物語る遺構があると聞き、当時の面影を求めて探検気分で行ってきました。

奈良にほど近いJR加茂駅

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全く初めて来ます。京都府内ですが。
京都から奈良に行くにはJRか車ですが、ほぼ素通りする場所。こちらがJR加茂駅。
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広場の一角にこんなモニュメントが。
JR加茂駅東口広場に平成19年10月に設置された、8620型蒸気機関車の動輪一対と鉄道記念碑。
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現在の関西本線の前身で明治の5大私鉄の一つとうたわれた「関西鉄道(かんせいてつどう)(株)」が名古屋方面から大阪への進出を目指し、「加茂駅」から現在の奈良駅北1.1kmの所に仮設的に作った「大仏駅」間を結ぶ8.8kmと、翌年に開通した奈良駅までの通称です。
「大仏駅」の開業は明治31年(1898)4月19日、「加茂駅~大仏駅」が開通し“赤いイギリス製の蒸気機関車が伊勢や名古屋方面からの大仏参拝客を乗せてにぎわった”と当時の新聞が報道してます。客車は「小さな部屋が十個ほどつながっているような感じで、一室に五人くらい。座席は板で隣の部屋には降りなければ移れない」加茂の人たちは汽車を「マッチ箱」と呼んでいたそうです。
この脚光を浴びた花形路線も急坂の黒髪山トンネル(勾配が25‰(パーミナル))越えの難関では、イギリス製(ナスミス・ウィルソン社)の新鋭機関車においても走行は困難を極め、「汽車の速度は遅く、機関車が二両ついているときはまだいいが、一両だと途中でとまってしまう。黒髪山の丘陵が登れなかったときは、客が降りて押したり、法蓮村(奈良市)の人たちが押しに行った」と伝えられています。また石炭の消費量も多かったそうです。
新たに木津駅経由の平坦路線が開通したため徐々に乗客が減少、1907年鉄道の国有化法により僅か9年間で廃止となりました。

点在する遺構を散策

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ランプ小屋。
加茂駅の西側にあるレンガ造りの建物。明治30年(1897)10月に完成した加茂駅開業当時からの建物です。オランダ積みの赤レンガ造りで切妻屋根の倉庫としては珍しく、機関車の前照灯や客室の照明用に使用されていたランプの石油類の給油、保管に使用されていました。
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時折こんな目印があります。
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昭和47年に大仏線の軌道跡を通り、この場所に移動されてきました。その姿から「走る貴婦人」と呼ばれています。

赤い蒸気機関車だったらしいですが、塗り直しされたからか黒でした。
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わたしは1937(昭和12)年生まれ。石炭をもやして蒸気をつくり、その力ではしる蒸気機関車です。「C57」のなかまはほかに200輌。日本のあちこちではたらきました。わたしの自慢は、スピードのはやさとスタイルのよさ。急行列車をひいて、はやく走るために、大きな車輪をつけてもらったら、スタイルもよくなりました。だから、わたしのニックネームは「貴婦人」。上品な女の人のようなかんじがするのだそうです。このあだ名も自慢のひとつです。
わたしのはたらいていたのは、すぐよこを通っている関西本線。急行列車や特別列車をひいて走ったこともあります。あたらしい電車を見ると、また走りたくなるけれど、ここでのんびりとみんなを見まもっていることにしましょう。大切にしてくれたらうれしいなぁ、と思います。
昭和47年6月15日保存 加茂町・加茂駅 (案内板より)
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この標識、突如現れて、しかも表示されてる場所からさらに距離があったりして心許ない感じでした(笑)
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農道を通り、草むらを分け入り、ホントに探検でした(笑)
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で、こんな案内図が出てきてこれ以降はこの順番に奈良方面に向かいながら。

レンガや石造りの立派な遺構

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見どころポイント。観音寺橋台。
現在活躍中のJR線と廃線の橋台が並んで見れます。
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ちょうどいいタイミングで、在来線が通りました。手前が観音寺橋台。大仏鉄道の急な高低差を緩和するために作られた石造りの橋台。
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赤橋。
御影石と煉瓦を組み合わせて造られています。長短の赤煉瓦を交互に積むイギリス式です。大仏鉄道の遺構の中でも最も代表的なもの。
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この上は現役の車道。
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梶ヶ谷隧道。けっこう立派です。
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大仏線築堤を造る際、農道や水路を通すために築堤下部に設けられたトンネル。
壁は煉瓦、側壁は御影石と豪華な作り。アーチ部分の煉瓦は長手積み坑門はイギリス積みで当時の技術の高さが良く分かります。保存状態は極めて良く、大仏鉄道の代表的遺構の一つ。
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これ、関西鉄道の社章模型
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この交差点下の畑地へ下ると松谷川隧道。
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松谷川トンネルの上が軌道跡で現在は市道44号線が走っています。中はこんな様子。

この後、さらに鹿川隧道、黒髪山隧道跡、大仏駅跡(大佛鐡道記念公園)に続きますが、京都エリアはここまで(笑)

さらに興味のある方はぜひ奈良方面まで辿ってみてください。

大仏鉄道 へのツイート

詳細情報

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