2024年6月12日 更新

【京都癒しスポット】新緑の『法然院』 静寂を楽しみながら散策しましょう

法然院は鹿ケ谷の山間にたたずむ寺院です。紅葉の絶景スポットとしては大変有名で、シーズンになると多くの方が訪れます。でも紅葉に負けず劣らず美しい景色が見られるのが、まさに今なのです。今回は、新緑に囲まれた法然院の境内を散策しました。

法然院の由緒

法然院が建立されたのは鎌倉時代初期のことです。
浄土宗の宗祖・法然上人が弟子の安楽・住蓮とともに鹿ケ谷に草庵を建てたのが始まりでした。
しかし、建永元年(1206)に後鳥羽上皇の女房であった松虫と鈴虫が、安楽と住蓮を頼って安楽寺(法然院の近くにあります)において出家したことで、上皇の激しい怒りをかってしまいます。
安楽寺

安楽寺

via 藤花
その結果、安楽と住蓮は死罪、彼らの師匠である法然上人は讃岐国へ流罪となりました。
草庵は荒廃し、次第に忘れられていきましたが、江戸時代初期になり、知恩院の萬無和尚が再興します。
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その後現在の伽藍の基礎が築かれ、今に至っているそうです。
法然院の伽藍は通常非公開ですが、毎年4月1日~7日・11月1日~7日のみ一般公開が行われています。

法然院の境内

法然院は、哲学の道から先心橋か法然院橋を渡って東へ8分ほど歩いたところにあります。
私は、先心橋から法然院へ向かいました。
道中は上り坂、急な道もあってけっこうしんどい…。
しばらく歩くと、法然院へ向かう参道が見えてきました。
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参道を道なりに行くと…
新緑に覆われた風情ある景色、SNSでよく見るあの山門です。
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苔むしたかやぶきの屋根、その向こうに見える境内が想像以上の美しさ。
しばしたたずみ、ただただ山門を眺めてしまいました。

雨上がりの白砂壇

山門を抜けると参道の両側にあるのが、白砂壇(びゃくさだん)です。
白い盛砂に美しい模様が描かれてとても見事…と言いたいところですが、なんと作務衣姿の方が白砂壇をならしていらっしゃるところだったのです!
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この日の前夜は大雨だったこともあり、おそらく白砂壇はすっかり崩れていたのでしょうね。
でも逆にとっても貴重な場面を見たようで、得した気分でした。
ちなみに普段の美しい白砂壇はこんな感じです。

本堂とお地蔵様

白砂壇を過ぎ、ゆっくり参道を行くと小さな橋。
それを渡った向こうには本堂と方丈があります。
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額アジサイが可愛い手水鉢を見ながら、本堂正面へ。
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堂内は暗くてあまり見えませんんが、ご本尊阿弥陀如来坐像の前には二十五菩薩を象徴する二十五の生花が散華されているそうです。
本堂の向かい側にいらっしゃるのは、地蔵菩薩様です。
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法然院を再興された萬無和尚を手伝った弟子の忍澂和尚の等身大の像だとか。
確かにお地蔵様にしては大きくて少し驚きました。
お地蔵様の左側にあった仏足石も大きい!
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方丈から経蔵、そして講堂へ

方丈も表から拝見するだけですが、ちょうど正面には屏風絵が飾られていました。
境内をゆっくり散策しながら、経蔵から講堂へ回ります。
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経蔵には多くの経典の版木が所蔵されているそうです。
講堂はもともとは大浴室だったものを昭和52年(1977)に改装したもので、講演会やコンサート、個展などに利用されています。
経蔵

経蔵

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不思議な楽器と花器

講堂

講堂

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この日の講堂では、あとりえ三昧堂の個展「あかりとひびき展」が開催中。
鍛冶師・河上真琴の素敵な花器や燭台などのインテリアが展示されていました。
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サイズの違うお皿のようなものが何枚か並んでいたのですが、実はこれ楽器なのです!
恐る恐る叩いてみると、とてもやさしい音色が響きます。
壁に飾られている花器も素敵でした。
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法然院から哲学の道へ

最後にもう一度境内をゆっくりと回り、少しずつ形が整ってくる白砂壇を眺めながら、法然院を後にしました。
帰り道は法然院橋を目指し、三門からまっすぐに参道を歩きます。
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できることならこのまま1日中過ごしていたいと思うくらいの新緑の美しさとマイナスイオン!
途中ですれ違った女性が「すごい…」とひとり言をいっておられて私と目が合った!
お互いに「ですよね」って感じで挨拶をしました。
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哲学の道は桜のシーズンが嘘のように静かな風景。
ここでも新緑の道を楽しみながら南へゆっくりと散策しました。
この後南禅寺へ向かったのですが、それはまた次の機会にお話ししますね!
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法然院の基本情報

・住所 京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町30番地
・境内自由
・拝観時間 6:00~16:00
アクセス
・最寄り駅 京阪本線「出町柳」駅 徒歩約30分
・バス 「南田町」徒歩約5分/「浄土寺」徒歩約10分

公式:http://www.honen-in.jp/index.html
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