善峯寺の参道に佇む京漬物が味わえる和食処
このお店の物語は、約50年前にさかのぼります。店主・山田直永さんの先代は、丁稚奉公で京都へ出てこられ、左京区岡崎で漬物屋を営んでおられました。やがて善峯寺の先代ご住職と意気投合し、そのご厚意で現在の大原野小塩町へお店を構えることに。「よしみね乃里」という屋号と、山田家の名は、亡き先代ご住職が直筆でしたためてくださったものです。お寺との深いご縁から、すべては始まりました。
筍を扱うようになったのも、ふとした出会いから。近所の八百屋さんが廃業されることになり、地元自慢の筍を引き継いだのが始まりでした。「湯がいただけでは腐ってしまう」と缶詰にし、それでも余ると佃煮に炊いて、工夫を重ねるうちに、お客様から「ご飯と一緒に食べさせて」と望まれ、いつしか食事処へと姿を変えていったのです。今のメニューは、すべてお客様の声から生まれたものだと、山田さんは穏やかに振り返ります。
筍へのこだわりも並大抵ではありません。「三月は香りで食べる。四月は味で食べる。五月は歯ごたえで食べる」と先代から教わった通り、季節ごとに微妙に湯がき方と味付けを変えておられるそう。最盛期の四月中旬、白くきめ細やかな筍刺身は、塩を少しつけて食すと素材の香りが口いっぱいに広がる絶品です。
山田さんご自身は、お婿さんとしてこの家業を継がれました。けれども、先輩方や常連のお客様が「自分の親父のように」可愛がり、店主として育ててくださったといいます。「目配り、気配り、心配りがまだ足りひんよ」と、20代から通ってくださる方に今でも叱られるのだとか。その温かな関係が、このお店の空気をつくっています。
そして山田さんが何より大切にされているのが、「絆」という言葉です。数年前、店前の観音像を、京都随一とされる三代続く大仏師の親子に5年がかりで修復していただきました。その際、ご住職と相談して名付けたのが「絆観音」。「日本人の幸せは、人と人との関わり合いの中にあるんです」と山田さんは語ります。「家族、お寺、お客様、地域、この店があって初めて、その絆を守れる。僕らは生かされて、次に渡すだけの人間ですから」。
ご家族で和やかに営まれる店内では、娘さんたちが朗らかに接客し、看板の漬物や筍しぐれを丁寧に手作りされています。最近では、地域の竹の有効活用を目指すNPOと連携し、2,000円以上お買い上げの方に青竹の筒をプレゼントする取り組みも開始。西山の魅力を多面的に届けようと奔走されています。
善峯寺参拝の帰りに、ぜひお立ち寄りください。一皿の筍刺身、一切れのからし菜漬けの向こうに、半世紀にわたって紡がれてきた家族と地域の物語が、静かに広がっています。
善峯寺参拝の帰りに、ぜひお立ち寄りください。一皿の筍刺身、一切れのからし菜漬けの向こうに、半世紀にわたって紡がれてきた家族と地域の物語が、静かに広がっています。
店舗情報
店名:よしみね乃里
住所:〒610-1133 京都市西京区大原野小塩町703
電話: 075-331-5521
営業時間:10:00~17:00
定休日:火曜日
公式HP: http://www.yoshiminenosato.com/
※営業時間は変更となる場合があります。お出かけ前に店舗へご確認ください。
住所:〒610-1133 京都市西京区大原野小塩町703
電話: 075-331-5521
営業時間:10:00~17:00
定休日:火曜日
公式HP: http://www.yoshiminenosato.com/
※営業時間は変更となる場合があります。お出かけ前に店舗へご確認ください。
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