2020年9月24日 更新

【京都ぶらり】難読地名『東一口』エリア☆干拓で消失した巨大池の名残りも「巨椋池排水機場公園」

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は京都市、宇治市、久世郡久御山町と2市1町にまたがり、かつて存在した巨椋池。干拓で姿を消しつつ、その名残りを感じられるエリアの公園。

かつて存在した幻の巨大池『巨椋池』の名残り

 (191769)

京都府久世郡久御山町界隈。すぐ近くを流れる川向うが京都市伏見区だったり。

そして、よく京都の難読地名として登場する『東一口(ひがしいもあらい)』地区。
 (191766)

水の豊かな場所で、水路や川が集中し、さらにその先には一級河川淀川(宇治川)。そして、さらに対岸には京都競馬場もあり、見晴らしのいい場所でもあり。
 (191773)

そんな、水路や川と淀川をつなぐ場所に立地する『巨椋池排水機場』。昭和7~9年に築造され、巨椋池の干拓事業や、地域の農業排水や洪水の被害防止に重要な役割を果たしてきた施設。

かつて、京都市伏見区・宇治市・久御山町にまたがる界隈には琵琶湖を水源とする『巨椋池(おぐらいけ)』が存在し、その規模は池というより湖と言うにふさわしいほどの大きさを誇っていました。

明治時代には、大雨による水害防止のため、淀川と巨椋池を切り離す10年にも及ぶ大工事がなされました。しかしその結果、水害は減るも、生活排水流入による水質悪化でボウフラが大量発生。それに伴いマラリアが流行。
 (191765)

生活環境の悪化を改善すべく始まったのが、巨椋池の干拓事業。8年にも渡る大工事。その際この排水機場のポンプで巨椋池の水を淀川に汲み出し、機能したのがこの施設。

かつてこの辺りは漁業の盛んな場所でしたが、干拓後の土地は農地として活用。
 (191770)

その施設横には公園があり、当時使用されていた排水ポンプが公園に展示されています。

『巨椋池まるごと格納庫』という展示施設もあり、現在はコロナ禍で休止中のようですが、平日のみ見学も可能。
 (191771)

 (191772)

樋門ですかね。普段見慣れないような、特殊な建物や治水施設もあり。
 (191767)

この水路の上流にある旧山田住宅。この時はまだ開館時間前で見学できませんでした。

 (191768)

江戸時代、巨椋池の漁業権を独占し、池に浮かぶ高台の村落・東一口の13ヵ村をまとめ、総帥的存在だった大庄屋。建物の風情からもその名残りを感じられます。

かつて存在した巨大池は、干拓や治水でその姿を消し、さらに人々の暮らしや産業にも影響。そんな移り変わりの歴史を垣間見れる、興味深い場所でもあり。

詳細情報

名称:巨椋池排水機場公園
場所:京都府京都市伏見区向島又兵衛
13 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

【保存版】京都オススメ奥深い魅力の池・沼☆豊臣秀吉ゆかり~古の観月池まで【厳選5所】

【保存版】京都オススメ奥深い魅力の池・沼☆豊臣秀吉ゆかり~古の観月池まで【厳選5所】

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は京都オススメの池・沼を集めました。平安時代から和歌に詠まれた名所から伝説の巨大池まで。
【京都ぶらり】豊臣秀吉によって治水整備された遺構!現在歴史公園建設中☆「宇治川太閤堤跡」

【京都ぶらり】豊臣秀吉によって治水整備された遺構!現在歴史公園建設中☆「宇治川太閤堤跡」

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は宇治市莵道、宇治川右岸にある史跡。宇治川の治水整備のため、天下人・豊臣秀吉によって築造された堤跡。
【京都ぶらり】4月リニューアルオープン☆豊臣秀吉築造の御土居も保存「大宮交通公園」

【京都ぶらり】4月リニューアルオープン☆豊臣秀吉築造の御土居も保存「大宮交通公園」

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は北区大宮にある市内唯一の交通公園。今年4月にリニューアルオープンを果たし、以前とはちがう様相に。
【京都宇治】戦国武将・豊臣秀吉ファン必見☆お茶と宇治のまち史跡公園「宇治川太閤堤跡」

【京都宇治】戦国武将・豊臣秀吉ファン必見☆お茶と宇治のまち史跡公園「宇治川太閤堤跡」

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は宇治市莵道、宇治川右岸にある史跡を新しく整備した史跡公園。
【京都ぶらり】江戸時代の西日本大動脈『西国街道』を歩く☆後編・前編~東寺

【京都ぶらり】江戸時代の西日本大動脈『西国街道』を歩く☆後編・前編~東寺

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は江戸時代の西日本の大動脈『西国街道』。東寺から下関まで続く長距離街道。そのうちの京都エリア、長岡京から東寺を目指し歩いた記録、後編。

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

三杯目 J Soup Brothers 三杯目 J Soup Brothers