天台圓浄宗(てんだいえんじょうしゅう)の大本山である、御所東に位置する『盧山寺』。当時は藤原氏の邸宅で、紫式部はこちらで結婚生活を送り、子供を育て「源氏物語」を執筆したと言われています。さらに「源氏物語」だけでなく「紫式部日記」や「紫式部集」も執筆したため、『盧山寺』は世界文学発祥の地でもあります。
境内には紫式部が幼馴染に向けて詠まれた歌が記されていました。『めくりあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半(よは)の月かな』久しぶりに会ったのにすぐに帰ってしまったことを嘆いた歌で、幼馴染が男か女なのかもわからないそうです。
私は女友達なんじゃないかなと考えています。お喋りに夢中になって、あっという間に時間になってしまったことをこのように表現したのではないかと深読み。
考古学者の角田文衛博士によって考証され、紫式部が生きていたころの様子を再現したものです。白砂と苔で平安朝の「感」を表現していて、白色と緑色のコントラストがとてもきれいでした。
紫式部も見たであろう景色。こんなに静かで落ち着ける場所で、どうしてあんなに複雑な物語が書けたのかな…
桔梗が開花する6月〜9月末までに行くとさらに楽しめます!