2022年3月31日 更新

事前予約で楽しむ京都旅 浄住寺住職と心の対話坐禅体験と普茶料理を食す

隠れた紅葉の名所として密かな人気を集める西京区の古刹、浄住寺。通常は非公開とされている場所までをご住職に解説いただきながら拝観し、坐禅を体験、さらには精進料理までいただけるプランに参加しました。

心も体もキレイになれる!?感動と発見の体験ツアーへ。

隠れた紅葉の名所として密かな人気を集める西京区の古刹、浄住寺。その魅力は、秋に赤く色づく楓の木が生い茂る参道や、静けさが広がる境内の素晴らしさだけではありません。黄檗宗のお寺ならではの特徴的な寺院様式も一見の価値があります。
京都市登録有形文化財に指定されている本堂をはじめ、通常は非公開とされている場所までをご住職に解説いただきながら拝観し、坐禅を体験、さらには精進料理までいただけるプランに参加しました。
1日8名定員の限定プラン。自分自身と向き合う坐禅体験、心が洗われるようなご住職との対話、そして体の内側からキレイになるのを実感できる精進料理。
最初から最後まで、贅沢の一言に尽きる大満足の一日となりました。
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中国の様式を色濃く残す禅寺

葉室山(はむろざん)浄住寺は、日本三大禅宗のひとつである黄檗宗のお寺です。黄檗宗の開祖は、江戸時代の承応3年(1654)、中国から渡来した隠元禅師。インゲン豆を日本にもたらしたことで知られています。黄檗宗は建物や読経など、随所に中国的な様式が残されているのが特徴です。しかし、ここに至るまでには紆余曲折の長い歴史があったといいます。
もともとは嵯峨天皇の勅願寺として、平安時代の弘仁元年(810)、慈覚大師円仁(えんにん)によって開山。当時は「常住寺」という名の天台宗のお寺でした。その後、幾度も兵火に見舞われ、全山が焼失。しかし江戸時代に入り、もう一度復興させようという機運が高まり、黄檗宗の鉄牛禅師を招き入れて元禄2年(1689年)、黄檗宗の寺院として生まれ変わりました。
しかし、紆余曲折の歴史は今も続いています。

藤岡住職:介護士をしながら、たった一人の住職としてお寺を守っているのですが、数年前の台風で多くの楓の木が倒れたり、建物の老朽化が進んだりと、とても厳しい状況が続いています。そのような中、様々な方から応援をしていただき、クラウドファンディングを通じて植樹を行ったり、少しずつ建物の補修を進めたりするなど、一歩ずつですが前に進むことができており皆様には感謝しています。この坐禅体験を通じて、少しでもお返しできるようにしたいと考えています。
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自分自身と向き合う初めての坐禅体験

本堂の両側には坐禅を行うための板敷きの床が張られています。浄住寺の歴史や黄檗宗についてご説明いただいたところで、坐禅開始です。
集中を妨げないよう、スマホなどの電源をオフにして、上着と靴下を脱いだら準備完了。結跏趺坐(けっかふざ)という坐禅の足の組み方からていねいに教えてくださるので、はじめての人でも安心です。

藤岡住職:足が痛むようなら片足だけの半跏趺坐でもいいですし、それも難しければ胡坐でもいいですよ。
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お庭を眺めながら、京懐石普茶料理を

坐禅体験の後は、藤岡住職のお話を聞きながら、本堂や方丈、庭園を見学します。池泉式庭園があるのは珍しいのだそうですが、山のふもとという立地を生かしたお庭の眺めに思わずため息がこぼれます。紅葉の季節はもとより、青葉の頃、苔の時期、雪をかぶる姿、どの季節にも美しい景観を見せてくれそうです。

藤岡住職:5~6月頃には睡蓮が咲きます。その頃の眺めもぜひお楽しみいただきたいですね。
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一通り見て回ったら、本プランのもう一つの目玉でもある黄檗宗に伝わる中国風精進料理の「普茶(ふちゃ)料理」をいただきます。
今回のプランで料理をご提供くださるのは、京懐石普茶料理をいただけるお寺として有名な、京都市内にある黄檗宗の禅寺「閑臥庵(かんがあん)」です。
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普茶料理とは、隠元禅師によって伝えられた黄檗宗伝来の精進料理のことで、「普く(あまねく)大衆と茶を供にする」という意味から生まれた言葉だそうです。
本来は4人で1卓を囲み、大皿盛でそれぞれが取り分けて食べる様式。これは「席に上下の隔たりなく、同じものを同じだけ」という教えを実践しているのだとか。

目にも鮮やかなお料理の数々!感謝の心をもって、いざ実食

お庭に面して敷かれた緋毛氈の上に用意されているのは、「普茶弁当(三段重)」。
普茶弁当(三段重)

普茶弁当(三段重)

二の重

二の重

吉野葛や植物油を巧みに使い、しっかりした味付けで食べやすいのが特徴で、大豆や胡麻をはじめ、野菜をふんだんに使っており高タンパク低カロリーな健康食です。
薬膳料理とも通じるものがあり、これを食し続けていた黄檗の高僧は、おしなべて長生きだったそうです。京懐石普茶料理とは、後水尾法皇が好まれた三百年来の伝統の味を広く世間に広めるため、禅家の簡素な食礼に手を加え趣向をこらしたものとのこと。

特別に閑臥庵の執事の小嶋様からもお話しをお聞きすることができました。

閑臥庵小嶋様:当庵では、四季を感じられる食材や器、設え、庭園の花木などを使い、京都らしいおもてなしの心や気配りを大切にしております。今回は、より手軽に味わっていただく為にお一人ずつ、三段のお重にまとめました。四季の素材を生かしながらも、青黄赤白黒の五色を基本として、色合いや盛り付けも美しくなるように心をこめておつくりしています。平等に分け合う和合の精神のもと、親睦を深めるために和気あいあいの雰囲気の中、料理が供されるすべての事に感謝の心をもちながら、食材も残さず召し上がっていただければと思います。

ていねいに、手間をかけて作られた料理を口にすれば、自然と感謝の気持ちが湧き上がってきます。健康や食事に気を遣っている方には、ぜひ味わっていただきたい。美しい風景と、おいしい普茶料理で文字通り心も体も満たされて大満足でした。

こちらの体験は月に2回ほど開催しており、所要時間は約3時間です。

イベント情報

浄住寺住職と心の対話座禅体験と普茶料理を食す
開催日:4月3日(日)、10日(日)、16日(土)、24日(日)、30日(土)(その後も随時追加。最新情報は下記リンクをご確認ください)
時間 :10:30~13:30
場所 :葉室山 浄住寺
https://ja.kyoto.travel/event/single.php?event_id=5694
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