2018年5月14日 更新

【京都珍百景】京の町に昔から伝わる鬼門思想!魔界『鬼門封じ』を探してぶらり☆【厳選4箇所】

京都に昔から伝わる鬼門思想。京都の都市整備や一般住宅に至るまで、この鬼門思想をベースに建物も設計されていたり。そこで、今回はその発想から生まれた『鬼門封じ』となるスポットを集めてみました。

そもそも『鬼門』『鬼門封じ』とは?

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京都市内にある、有名私立大学の同志社大学今出川キャンパス。
この日たまたま時間が空き、キャンパス内にある歴史的建造物でも見学しようと。
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レンガ造りの重要文化財がキャンパス内にあり、京都で有数の歴史的景観。1894年1月30日に開館し、B.W.クラーク夫妻からの寄付によって建てられたクラーク記念館。1979年5月に重要文化財に指定。
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まるでここが日本じゃないような、見るからに歴史を感じる洋館。うっとりします。
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そんな、バリバリ西洋文化の、しかもキリスト教関連施設。その建物の北東の隅にある、この石で囲った小さな四角いスペース。これ、なんだかわかります?『鬼門封じ』です。

『鬼門』自体知らない方に、まずはその説明から。
日本には昔中国から伝わった陰陽道の教え『鬼門』思想がありました。
『鬼門』とは、北東の方位のこと。鬼が出入りする方角であるとして、全ての厄はここから来るとされ、忌み嫌われる方角。そして、その対策として、鬼門の方角に魔よけを施す『鬼門封じ』という発想が生まれました。

このクラーク記念館においては、キリスト教施設であるのに、日本の鬼門思想が取り入れられた建築様式になってる、いい具合の和洋折衷のミックスかげん(笑)
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鬼門封じの代表的な例としてあげられる場所が、ここ京都御所にあります。
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京都御所マップの鬼門の位置に『猿ヶ辻』という場所があります。
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四方塀で囲まれた御所ですが、この猿ヶ辻だけ塀の角が凹んだ状態。そして、見づらいですが、この屋根の軒下に木彫りの猿が祀られています。これは、鬼門(丑寅)とは反対の方角が未申であることから、猿が鬼門除けの象徴とされるため。

これも鬼門封じの建築様式で、『角が立たない』ようにと、このような形に。
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塀の四隅のうち、鬼門以外は普通の造りに。
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さらに、こちらは東本願寺。
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その鬼門でも鬼門封じが。
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その東本願寺のすぐ東側にある、東本願寺の別邸で日本庭園で有名な「渉成園」。
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こちらも塀で囲まれているのですが、鬼門の方角にはやはり凹んだ塀の鬼門封じ。

鬼門思想は特別なものでもなく、一般住宅でも鬼門の方角にちょっとした四角いスペースや、小さな植え込みスペースを設けて、鬼門封じにしているところが結構あります。マクロでは平安京にとっての鬼門封じ・比叡山延暦寺、そしてミクロではこんな神社仏閣や一般住宅の鬼門封じの建造物。街全体が鬼門思想の基に整備されてる面白さ(笑)

そんな視点で神社仏閣や歴史的建造物の鬼門封じを探して歩くのも、楽しいかもしれませんね。

鬼門封じ に関するツイート

鬼門封じめぐりマップ

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