2025年1月19日 更新

【2024年OPEN】御所西のイノベーティブイタリアン「Etto(エット)」

2024年8月にオープン、京町屋のイノベーティブイタリアン「Etto(エット)」なり。最後まで大充実&お腹も大満足、おすすめ。

御所西のイノベーティブイタリアン

 (279668)

京都府庁の西側ブロックすぐそばの油小路通出水上ルにありまして、地下鉄丸太町駅から徒歩13分ほどの住宅街。油小路通にあるエントランスから奥を見ると・・・

お店扉まではご覧の長いアプローチを歩くのですが、京町屋らしい装置が気分を盛り上げますな。お店の名前は「Etto」、2024年8月にオープンしたばかりのイノベーティブイタリアン店。京都の人気イタリアン店「RADICE」ご出身のシェフが腕を振るうお店だと聞いていて、これは超楽しみ!と店内に。 結果、良きお店だ!と思いましたので気合を入れてご紹介。
 (279669)

もう2組カップルが先に入られていて、3組目としてカウンター席へ。カウンター席8席のみの高級感のあるスタイリッシュなお店なのだ。ソムリエさんに上着をお渡ししようとすると、「今日は奥様は和服ではないのですね~!」とお声掛け頂いて、え!とお顔を見たら、祇園白川にあった日本酒&ワインバル「アッティコ バール ジェンテ」のマスターがソムリエさんでした。びっくり~!
 (279670)

基本、コース進行で本日のメニューがこちら。2か月単位で変更があるようです。主要食材名だけで想像が膨らむわけで。
以下、料理名はワタシの創作なので(滝汗)、適当に読み飛ばして頂ければ。
 (279671)

お酒メニューがこちら。なにせお酒をめっちゃ説明できるソムリエさんが居られるので、ペアリング7種¥7500!で速攻で決定。
 (279672)

前菜盛り合わせから超手がかかるお料理!を進行されていて、その様子が手に取るようにわかるのですが、前菜前のおつまみで時間凌ぎをという趣向。左側はゴルゴンゾーラとクリームチーズを詰めたペンネのスナック。左はピッツア生地に胡麻を練り込んだ、胡麻のチュイールという酒場の乾きもの系が登場。良き暇つぶしです。
 (279673)

一杯目は泡。伊のど定番、「ferrali brut maximum blanc de blanc」なり。シャルドネ100%ですが、なんだか久々に呑みました。余韻が長い良いものですな。で、前菜が登場!
 (279674)

いやー、これは凄いのが出てきたぞ的な。情報量が多すぎでついて行けていないのですが、ゼロ時の方向から時計回りで

「ニョッコフリットに生ハム・水牛モッツアレラを乗せたスナック」、
「カリフラワーのムース キャビア乗せ」、
「七谷鴨と富有柿、ハーブ、おろしチーズを乗せたミニピッツア?的な」、
「イカ墨チップに乗せたビワマスマリネ(根セロリピュレ、フィンガーライム)」
「ホタテを日向夏、発酵トマトジュレと合わせた冷菜」というような布陣でした。

熱いものや冷たいもの、濃いものにあっさりなもののバランスが良い組み合わせ。特にお気に入りだったのは・・
 (279675)

ピッツア生地を直径10cmぐらいに広げ、熱々鉄板で結構短時間で焼き上げるピタパン的なものに、七谷鴨と富有柿、ハーブを乗せた一品。そもそも亀岡の鴨が旨い!のですが、甘ーい柿と思わぬ出会いがある一品。ソースがどことなく中華風ですね!と指摘すると、そういうのをイメージしているとのことでした。
 (279676)

カリフラワーのプリン的な。イタリアでは「ビアンコマンジャーレ」というようです。塩加減も丁度良く、こりゃ文句無し。
 (279677)

お料理を食べている間にもどんどんと目の前で次のお料理が進行。
オープンキッチンですが、シェフはカウンター席の上に置いた巨大まな板上で作業するので、ほぼ隠し事不可能な丸だし状態でお料理が進行するのだ。ここまで晒しているお店は非常に珍しいと思います。作業を見ているのが楽しい&質問すると全部教えてくれるので、我々的には大好きなスタイル。

ご店主に最近オープンされたんですよね!とお話をすると、実は十条大宮にあるイタリアンの2号店なんですよ~!と教えてもらい「ええ?本店はGori's Kitchenさん?」と確認すると、そうだとのこと。本店は普段使いに旨いパスタや本格ピッツアが頂ける気軽なお店ですが、こんなすごい箱を作っちゃったんだなと少々ビックリ。
 (279679)

ペアリング2種目は、ニュージーランドの白、「Kim Crawford Illuminate Sauvignon Blanc」なり。ソーヴィニヨン・ブラン100%ですが、現在アメリカで最も売れているニュージーランドワインのようです。ソムリエさんは次のお料理のこの部分に合わせて選びました!とバッチリ説明してくれます。
 (279678)

パンも先ほど入店したタイミングで焼き上がった自家製でフカフカしっとり系。イヤー超旨いですな。
 (279680)

先ほどのお料理の仕上げは目の前で。野菜類のバーニャカウダなのですが、ニンニク、アンチョビが効いたソースを呑めるぐらいのスープ状に仕立ててあるのが工夫。このソースでパンが1個食べられそうなぐらい。
 (279681)

ふんわりと盛り上げた葉野菜・ハーブの下に人参、ジャガイモ、サツマイモなどの茹で野菜、大根、蕪などの生野菜角切りが色々ごろごろと忍ばせてあって、歯ごたえが楽しい一品。これなら野菜嫌いも食べてくれそうな。
 (279682)

ペアリング3種類目は国産から。山形は高畠ワイナリー謹製「高畠 フニクリ フニクラ デ キムラ シャルドネ」なり。いやー、これは素晴らしいのでは。円安のおかげで日本ワインのお値頃感がアップしている今日この頃ですが、おかげでお店でも色々と呑めるようになって喜んでおります。
 (279683)

お次のお料理は、赤ん坊の握りこぶしぐらいありそうなしっかり量の「雲子のフリット」。ソース類が凝っていて、下にしいてあるのが通常はシチリアのパスタに使われる「トラパネーゼ」で、アーモンドにバジル、ニンニクとトマトなどを使ったポテっとしたソース。で、上にパプリカのマリネを乗っけて、一緒に頂く趣向。かなりはっきりした味なので好き嫌いはあるかも?ですが、若者好きな味付け。色々と考えつくなあ!と感心するのですが、工夫が上滑りせずちゃんとウマー!でした。
 (279684)

お次のお料理の準備状況を見せてくれるのですが、エミリア・ロマーニャ州の伝統料理の餡詰めパスタ「トルテッリ」なり。
 (279685)

店内の風景もパチリ。奥に坪庭が見える京都らしい雰囲気。開店1時間後には満席に。
 (279686)

ペアリング4種目。伊ピエモンテの軽やか目の赤「Convento Cappuccini Acq」なり。ブラケット 100%なのですが、吞みやすかったような。
 (279687)

お次が「鰻のトルテッリとキノコのスープ」なり。先に見せてもらった詰め物パスタなのですが、中にそれに小骨が気になるので骨切りをして!皮をパリッと焼いた鰻、燻製リコッタチーズを詰めた一品。スープがまた手が掛かっていて、生ハムと10種類のキノコ類を中華風に蒸しスープにして濁らせずに仕上げたもの。 で、上から黒トリュフ、という旨くないわけがない一品。
 (279688)

トルテッリ持ち上げ図。全然形は無いのですが、風味はめっちゃ鰻! いやー、スープがどことなく上等中華系みたいな感じで、これまた面白い。確かに軽めの赤が合うような!
 (279689)

ペアリング5種目。伊シチリア「Solcanto Cataratto DOP Alcamo」なり。いやー、キャラの違うのを色々入れてくれてあるので楽しいのですが、カタラットなる品種で、結構ビターな感じで旨かったような。で、この太い味のワインを合わせるのが・・・
 (279690)

これがまた美味しい「香箱蟹のサフランリゾット」なり。手の掛かった一品で、サフランリゾットは焼きおにぎりのように、平たい団子にして焼き固めてあり、その上に内子に外子、蟹身を乗っけて、上から蟹をつぶして取ったビスクを掛けてある!という蟹味をこれでもか!と凝縮したような一品。(個人的には、これは日本酒熱燗と合わせたい~!!とちょっと思いました汗) うは!本日一!と思ったのですが、後程これよりも更に好き度が高いものが・・・汗
 (279691)

ペアリング6種目。仏ローヌの赤「Alain Graillot Saint-Joseph Rouge 2021」なり。結構、フランス料理店ではちょこちょこ見かけるフルボディ。シラー100%で実は結構好きな一品。
 (279692)

お次がお肉です! 「長野県産黒毛和牛イチボの炭火焼」。添えてあるのは西村農園のフルーツカブの炭火焼という。炭火にクロモジの木を加えて炙って薫香を付けてあるようです。イチボなので本来は赤身ですが結構脂乗りしっかり目で超レア焼きでした。
 (279693)

お次のお料理は〆パスタなのですが、「お腹の具合はどんな感じですか~?」と確認が入る訳で。この「とろ鰆の炭火焼」が乗っかるのですな。
 (279694)

ペアリングラストも日本ワインで〆! 栃木県はココ・ファーム・ワイナリー謹製「ココファーム 甲州F.O.S.」なり。F.O.S.は Fermented on Skins(果皮発酵)の略で、皮や種を残したままで醸してあるオレンジワインなのだ。これまた中途半端な赤よりしっかりしていて、ウマー!ですな。
 (279695)

では、「とろ鰆のペペロンチーノ 唐墨掛け」なり。仕上がったばかりの自家製カラスミがたっぷり。シェフ曰く、今年は1年分の唐墨を12kg!も仕込んだそうです。隠し味は、鰆と浅利、昆布から取った出汁をタップリパスタに染み込ませているところ。いやー、まさか最後に本日一!
 (279696)

甘いものも抜かりなし。白いドーム状のものはタルト地の上にホワイトチョコのドーム。その中にマスカルポーネチーズとベリーソース!、シャンパーニュのアイスと苺(とちおとめ)という鉄板の布陣。
 (279697)

で、お茶菓子で〆なのですが、お店の600mほど西にあるハーブティ店「たま茶」の茶葉をお使いでした。ほんわりと良いお味で、これは近々買いに行かなくては。小菓子まで抜かりなしでした。最後まで大充実&お腹も大満足!

で、コースが確か¥12000、ペアリングが¥7500、+αで¥43500なり。とはいえ、この内容なので全然納得ですなあ。良きディナーになりました。我々的にはそんなにしょっちゅう来れる価格帯ではありませんが、また良いことがあったら来ることにします。 オススメ!

店舗情報

店名:Etto
住所:京都市上京区大黒屋町47
営業時間:18:00~22:30
定休日:水曜
TEL:050-1721-7448
備考:完全予約
https://www.instagram.com/etto.kyoto/
34 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

京都駅近く|丁寧で美味しいイタリア料理「ジェルモーリオ」

京都駅近く|丁寧で美味しいイタリア料理「ジェルモーリオ」

京都駅から徒歩10分、七条通り沿いにイタリアンのニューカマー「ジェルモーリオ」なり。
スイカ小太郎。 | 4,867 view
【京都】1周年を迎える新進気鋭のイタリアン「ア ケ プント シアーモ?」

【京都】1周年を迎える新進気鋭のイタリアン「ア ケ プント シアーモ?」

地下鉄 北大路駅から徒歩圏内、2022年10月オープンのセンス溢れるイタリア料理店「A che punto siamo? (ア ケ プント シアーモ?)」でディナーなり。
スイカ小太郎。 | 2,086 view
【京都】和食のDNAをもつシェフが作る、唯一無二の創作イタリアン「ろくそう」

【京都】和食のDNAをもつシェフが作る、唯一無二の創作イタリアン「ろくそう」

出町柳駅から徒歩5分ちょっと、和を存分に感じるイタリア料理店の「ろくそう」さんのご紹介。唯一無二のイタリア料理を堪能してきました。
ガロン | 5,717 view
激戦区 伏見桃山で評判のお手軽イタリア料理店「ラ ボッテガ R&R」でディナー

激戦区 伏見桃山で評判のお手軽イタリア料理店「ラ ボッテガ R&R」でディナー

伏見竜馬通のお手軽イタリアン「ラ ボッテガ R&R」でディナーなり。
スイカ小太郎。 | 5,889 view
【京都イタリアン】2021年オープンの注目店☆名店仕込の絶品ぞろい「キアッケレ」

【京都イタリアン】2021年オープンの注目店☆名店仕込の絶品ぞろい「キアッケレ」

おおきに~豆はなどす☆今回は左京区三条京阪にある2021年9月にオープンしたイタリアン。名店出身のご主人繰り出す料理はすでに注目で人気。

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

スイカ小太郎。 スイカ小太郎。