2025年4月9日 更新

【京都ツウ】仏像マニアが最後にたどり着く石仏&摩崖仏!南山城の山里「当尾石仏めぐり」

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は京都府木津川市の石仏&摩崖仏群のある当尾地区。山里風景広がる石仏めぐりは仏像マニアなら体験したい山歩きコース。

仏像マニア爆誕☆山里風景に溶け込む石仏&摩崖仏の宝庫

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京都府と奈良県の府県境、南都仏教の影響を色濃く受け、南都の修行僧がこの地に暮らしていたとも伝わる『当尾(とうの)』地区。以前、その当尾地区にある平安時代創建、真言律宗の古刹『岩船寺(がんせんじ)』。以前お参りしたことがあり、その際この周辺が石仏の里であり、古い時代の石仏や摩崖仏が今でも数多く点在し、それらをめぐるコースがあることを知り、今回やってきました。
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実際、この岩船寺周辺から西へ向かった場所にある、平安時代創建の南都仏教聖地『浄瑠璃寺』までの石仏めぐりモデルコースでもその距離約2.5㎞、タイムコース約50分ほど。さらに全部めぐろうと思うともっと時間を要し、実際2時間半ほど(汗)
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今回は、当尾地区で配布されていた石仏マップをもとに、この岩船寺を起点に通し番号の若い順からめぐることに。ちなみに岩船寺最寄りの石仏は③三体地蔵がスタートに。

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岩船寺境内の周りにコースがあり、途中こんな山道に突入。スニーカーであれば問題なく歩けるコースになっています。
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まずは『三体地蔵摩崖仏』。鎌倉時代末期の岩肌に彫られた三体のお地蔵さん。過去・現在・未来とそれぞれに割り当てられたもので、六地蔵信仰以前の地蔵信仰の一形態とも言われています。
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ガッツリ山歩きばかりかと思いきや、途中車も走行するアスファルト道路を横切るような場所もあります。
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どこかで見覚えのあるような京都府指定文化財『ミロクの辻(弥勒仏線摩崖仏)』。かなり古いもので、文永11年(1274年)造立。巨岩に仏が線彫りになっており、これは笠置寺本尊の弥勒摩崖仏を模写した、伊末行の作。笠置寺の摩崖仏の縮小版のような。
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途中、ウグイスの鳴き声も聞こえ、春らしい山里風景も満喫。途中、このような道標もあり、マップと照らし合わせながら進みます。
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一旦、石段を下り、巨岩というか崖の一部の岩に彫られた京都府指定有形文化財『一願不動(不動明王立像)』。弘安10年(1287年)、岩船寺奥の院の修行場の大岩に彫られた、ただ一つだけ一心にお願いすれば叶えてくださるという、童顔のお不動さん。
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当尾の代表的石仏の一つで、こちらも京都府指定有形文化財『わらい仏(岩船阿弥陀三尊摩崖仏)』。永仁7年(1299年)、伊末行の作。上部の屋根石のおかげで保存状態も良好。
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その隣には、土の中に半分埋もれている『眠り仏』。こちらも見逃さずにお参りしてください!
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途中、名残りの椿も。
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『カラスの壺二尊(阿弥陀地蔵摩崖仏)』。康永2年(1343年)のもので、正面に阿弥陀如来坐像、左面に地蔵菩薩立像が彫られています。
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三叉路に建つ江戸時代作『あたご灯籠』。愛宕神は火伏せを司り、ここ当尾ではお正月にここからおけら火を採り、雑煮を炊く習慣があったそうです。

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浄瑠璃寺参道に到着。マップのモデルコースはここで終了でしたが、さらに足をのばして石仏めぐりを続行。
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『長尾阿弥陀摩崖仏』。徳治2年(1307年)造立。連弁台座に座る阿弥陀坐像。

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とにかく、通し番号にないものも多数あり、墓地かと思ったら石仏群だった!みたいなこともあるので要注意(笑)
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竹林のスキップコース。
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こちらも表示はあるのですが、石仏は見当たらず(汗)
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これはすごかった。谷が隔てた先に山の風景に同化した『大門仏谷』。製作時期は不明ながら、当尾の石仏群中、最大級の摩崖仏で、幅約6mの花崗岩に2.8mの如来坐像が彫られています。

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『大門石仏群』。室町時代以降のもので、竹藪の中や細い山道にあった石仏、石塔を集めて安置したもの。
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当尾の在銘石仏では最古の『首切地蔵(阿弥陀石仏)』。弘長2年(1262年)のもので、形状や処刑場に立地したことから命名されたとか。
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最初の方で藪の中にあったため見落とし、スルーしてしまった『藪の中三尊摩崖仏』。弘長2年(1262年)当尾石仏中最古で、橘派・橘安縄作。正面に地蔵と十一面観音、向かって左に阿弥陀を配する非常に珍しい配置の石仏。

と、まあほぼほぼ石仏、摩崖仏を踏破してお参りできました。山里の景観に溶け込みつつも、道行く人の道中の安全を見守ってくれてるようにも感じる石仏、摩崖仏群。意外と多くの方が参道を散策され、さらには外国人観光客もいて、仏像好きが高じると石仏&摩崖仏パラダイスの当尾にたどり着くのかな?と想像してみたり(笑)混雑もなく、ゆったりとめぐりながら山里風景にも癒される散策コース。オススメです!

詳細情報

名称:三体地蔵摩崖仏
場所:京都府木津川市加茂町岩船上ノ門
参考資料:https://www.0774.or.jp/pdf/2021sekibutsumap2.pdf
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