2017年9月2日 更新

山科・岩屋神社の八朔祭「御百燈献灯神事」

岩屋神社の八朔祭に行ってきました。台風や害虫の被害が出やすいこの時期、農作の無事と稲の豊作を神様に祈願します。

八朔とは。

朔はついたち(一日)のことなので、八朔は旧暦の8月1日のことを指します。現在の新暦に直すと、8月下旬から9下月旬頃となります。
この時期は稲穂が実り始める大切な時期で、農民の間で初穂を恩人などに贈る風習が古くからありました。田の実の節供(節句)とも言われ。「田の実」を「頼み」にかけ、武家や公家の間でも、日頃お世話になっている(頼み合っている)人に、その恩を感謝する意味で贈り物をするようになったそうです。現在でも花街にこの習慣が残っていて、毎年8月1日に芸妓や舞妓がお茶屋や芸事の師匠宅へあいさつに回っています。真夏の暑い時に正装しての挨拶回りは大変だなと思っていましたが、昔は9月頃の行事だったわけですね。
 (93306)

岩屋神社では、この八朔祭を九月一日に行うところから二百十日行事とも合せて、百灯(もものみあかり)を捧げて農作の無事と稲の豊作を神様に祈願します。

二百十日(にひゃくとおか)は、立春から数えて 210日目の日、9月1日頃にあたるが,この頃はちょうど稲の実りの時期であるうえに,台風の来襲する季節とも一致するので,昔から農家には厄日として警戒されています。

八朔祭・御百燈献灯神事

 (93310)

午後7時。境内にて参列者全員の修祓の後、本殿で八朔祭の神事。続いて御百燈献灯神事が行われます。
 (93312)

神職が百灯の種火になる御神灯を中央に据えます。宮司が左右の灯火台に火を遷します。続いて参列者が配られたロウソクに御神灯の火を灯し、灯火台の平瓦の灯心(油を染み込ませたもの)に火を灯します。
神職が百灯の種火になる御神灯を中央に据えます。宮司が左右の灯火台に火を遷します。続いて参列者が配られたロウソクに御神灯の火を灯し、灯火台の平瓦の灯心(油を染み込ませたもの)に火を灯します。
 (93314)

その後祝詞奏上、鈴振り神事(参列者を鈴でお祓い)、玉串奉奠が行われて神事は終了。
よしつね (93319)

続いて参列者のお千度参りが行われます。本殿のまわりを年齢の数だけまわります。歳の数だけとなると高齢の方は大変なので、十の位を1回と数えてもよいそうです。例えば、63歳なら6+3で9回となります。
via よしつね
 (93316)

周る数だけ竹櫛を持ち、1周まわる事に、竹櫛は正面の箱に入れていきます。
 (93318)

最後はお神酒を頂いて直会。
八朔祭は、場所によって内容は様々です。2日に大原(江文神社)、3日には松尾大社で行われます。
 (93326)

岩屋神社・詳細情報

 (93322)

住所:〒607-8176 京都市山科区大宅中小路町67
電話:075-571-0833
HP: http://www.iwayanomori.org/shrine/index.html
京阪バス「大宅」徒歩10分
地下鉄「椥辻」徒歩20分
16 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

篠笛の音と美しい芸舞妓さんが祇園東エリアを練り歩きます「観亀稲荷神社 宵宮祭」

篠笛の音と美しい芸舞妓さんが祇園東エリアを練り歩きます「観亀稲荷神社 宵宮祭」

祇園東エリアの花街の氏神さまとして親しまれている「観亀稲荷神社 」で 宵宮祭が行われましたので、その様子をご紹介します。
Kyotopiカメラ部 | 2,747 view
【京都夏2024】学問の神様『北野天満宮』御手洗川足つけ神事始まる!大福梅土用干しも☆

【京都夏2024】学問の神様『北野天満宮』御手洗川足つけ神事始まる!大福梅土用干しも☆

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は上京区北野にある学問の神様として知られる神社。現在、北野萬燈会・七夕ライトアップ、御手洗川足つけ神事が始まっています。
【2023京都桜】桜&菜の花クルーズやスイーツフェスも☆山科疏水~毘沙門堂~本願寺山科別院

【2023京都桜】桜&菜の花クルーズやスイーツフェスも☆山科疏水~毘沙門堂~本願寺山科別院

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は京都山科エリアの桜の名所、山科疏水~毘沙門堂~本願寺山科別院。4月1日の様子。
【京都イベント】10月21~23日開催☆京都最大級の大陶器市「清水焼の郷まつり」

【京都イベント】10月21~23日開催☆京都最大級の大陶器市「清水焼の郷まつり」

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は3年ぶりに開催予定の大陶器市。過去の様子を踏まえ、詳細情報をご紹介します。
【祇園祭2022】長さ約4メートルの剣鉾、心地よい鈴の音が印象的な剣鉾奉納神事と曳き初め「大船鉾」

【祇園祭2022】長さ約4メートルの剣鉾、心地よい鈴の音が印象的な剣鉾奉納神事と曳き初め「大船鉾」

祇園祭といえば、山鉾巡行が注目を浴びますが、山鉾巡行へと繋ぐ神事が行われており、貴重な風景だったので、写真と動画で紹介します。
m.m | 1,260 view

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

よしつね よしつね