2017年12月9日 更新

12年間、最も比叡山の眺望に優れた地を求めて…辿り着いた最高の場所「圓通寺」

圓通寺は、もともと後水尾天皇の山荘でした。かつて、後水尾天皇は比叡山が最も美しく見える地を求めて各所を巡ったといいます。そしてやっと辿り着いた場所がここ、岩倉だったのです。枯山水の庭園も、この頃に造られたもの。比叡山を借景とした庭園の美は、さすがの一言です。

借景を保護するため眺望条例も作られたほど!

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借景の美しさで名高い岩倉の圓通寺。京都にはほかにも借景の美しい庭園がありますが、高層マンションなどの都市開発は貴重な借景を損なってしまうおそれもあります。
そこで、京都市は借景を保護するための条例「眺望条例(京都市眺望景観創生条例)」を制定しました。周辺区域では、高さのみならず屋根の形式なども制限されています。

圓通寺ももちろん、その対象地です。そうまでして守られてきた最高の借景とは一体どんなものか、わくわくしますね!
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圓通寺の駐車場に車を止めて、中に入ります。庭園に辿り着く前から、侘び寂びのある秋の景色がきれいです。
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山門です。ひと気がなく、ひっそりしています。
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山門から本堂に続く通路。東は八瀬、西は上賀茂、北は鞍馬に挟まれた場所にある岩倉。メジャーな観光スポットでないためか、紅葉の時期も比較的ゆっくり境内を回れます。穴場。
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鐘楼です。銅鐘と紅葉の組み合わせがなんともいえず渋い!
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紅葉越しの海音堂。海音堂とは、観音堂のこと。後水尾上皇の命により不空羂索観音が安置されています。
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玄関です。いよいよ、比叡山の借景が眺められる庭園へ行きます。
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庭園です。奥に比叡山が見えます。
庭は苔を主体にして刈込と大小40余りの庭石が配置されています。この庭石は、上皇になった後水尾天皇が自ら配したといわれています。12年間も比叡山の眺望ベストポジションを探し続けただけあって、庭の造りにも相当なこだわりが見えます。
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こちらは、少し角度を変えて。比叡山が見えないと、少しさみしい感じがします。
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こちらも、別角度からの庭園です。
庭園以外は撮影禁止となっています。以前は庭園も撮影禁止でしたが、都市開発によって景観が失われつつある現代で、記録に残して欲しいという住職の思いから、2002年に庭園のみ撮影を許可されました。
借景を保護する眺望条例が施行されたのは、その後の2007年のことです。

晴れた日は、比叡山が青く輝いてとても美しい圓通寺の借景庭園。後水尾天皇がこだわり抜いた庭、霊峰・比叡山の姿は必見の価値ありです。

圓通寺 クチコミでの評判

圓通寺 基本情報

名称:圓通寺
住所:京都市左京区岩倉幡枝町389
電話番号:075-781-1875
拝観時間:10:00~16:30
拝観料:大人  500円
    大学生 500円
    高校生 500円
    中学生 300円
    小学生 300円
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