【京都ランチ】Apple創業者スティーブ・ジョブズ絶賛の『そば巻』☆数寄屋造り老舗蕎麦

おおきに～豆はなどす☆今回は中京区、地下鉄京都市役所駅にもほど近い場所にある蕎麦の老舗。世界的にも有名なApple創業者スティーブ・ジョブズも通った名店の味。

スティーブ・ジョブズが愛した老舗蕎麦の味

中京区、地下鉄京都市役所前駅から麩屋町通りを下がった場所に、京都を代表する老舗蕎麦『晦庵河道屋』があります。つい最近、iPhoneでおなじみのApple社創業者のスティーブ・ジョブズが京都旅行の際、こちらを気に入って何度か通っていたお店であることをテレビで紹介していて、それがどんな味なのか食べてみたいと思いやってきました。

『河道屋（かわみちや）』を名乗るお店は京都市内に数店舗あり、昔から蕎麦関連のお店という認識でいました。蕎麦関連というのは、通常の蕎麦に加え、蕎麦粉を使った焼き菓子専門店も含まれます。古い京都人の間ではKBS京都で流れるCMでおなじみ『そばぼうろ』はどこの家でも一度は食べたり贈り物としてもらったりした懐かしい蕎麦菓子。食べた後の缶を文房具入れにするなど、京都あるあるな歴史をもつ銘菓でもあり（笑）

ですが、『河道屋（かわみちや）』も暖簾分けなどでそれぞれ店名や商標が違ったり。今回訪れる『晦庵河道屋』は『総本家河道屋』の系列にあたり、蕎麦菓子も『蕎麦ほうる』と呼びます。ちょっとややこしいですが（笑）

晦庵河道屋は江戸時代から続く生そばの老舗で、暖簾をくぐると歴史を感じる数奇屋造りの建物につづく前庭。その奥障子の引き戸になっていて店内に続きます。

今回は入ってすぐ手前の1階桟敷席に案内されました。昔の規格のちょっと低めの座敷席になっていて、他店にはない歴史の古さを感じます。

途中、通り庭になっていて、このスペースもテラス席感覚で使われることもあるみたいですね。そして、さらに奥には椅子席があり、年配の方が利用されてる様子でした。さらに2階にも座敷席、テーブル席があり、京町家の典型、間口狭く奥に細長く続く、鰻の寝床スタイルの間取り。

お蕎麦屋さんなので蕎麦が中心ですが、丼やうどん、単品メニューもあります。そして、複数人なら名物の具沢山鍋『芳香炉』というのもあります。これも他河道屋系列店にあったような記憶でしたが、それぞれ名称が異なります（笑）

で、今回はジョブズが『そば巻』を気に入っていた、という情報を聞き、そば巻950円とそれのおかず感覚でにしん750円を注文。鴨なんばとか温かいお蕎麦も気になりましたが、今回はジョブズの味探訪です（笑）

お茶とおしぼりが出てきて、しばらく待ちます。

この日はわりとランチタイムを逃してしまった遅い時間帯でしたが、店内は観光客中心にほぼ満席状態で、地元にいるとわかりませんが、ジョブズも含め、京都らしさってこういう老舗感なのかな、と思ってみたり。確かに、京都でも唯一無二の存在であると感じるしつらえ。

まずは単品でにしんが登場。
京都では晦日そばとしてにしん蕎麦が主流なので、一気に年末感（笑）お蕎麦と一緒に食べることがほとんどですが、こうしてみるとお酒のアテにもきっと申し分ないだろうな、と（笑）

続いて、注目のそば巻が登場し、にしんと一緒に。

そばを海苔で巻いた系のものは、蕎麦寿司など他にもあり、わりと具材と一緒に巻かれたものを見かけることしばしばですが、こちらはシンプルイズベスト。基本、蕎麦と海苔だけで、中に本わさびだけ入っていて、薬味として九条ネギが添えられいます。そして、別添えの蕎麦汁に浸して食べるとのこと。

今回の蕎麦は新そばで北海道・美瑛産とのこと。ぎゅっと巻かれた蕎麦ですが、コシともっちりさ、さらにいい海苔です。しっかり厚みと光沢あるやつ。それを蕎麦汁に浸して一口で。すると口の中で蕎麦が解放され、意外と本わさびの辛さがツーンと鼻にきます（笑）

美味しいのはもちろんですが、こういう様式美がなんとなくジョブズが気に入る要素だったのでは？と思えるような。まるで虚飾を排除したようなシンプルさでありながら、それぞれの食材の個性が利き、美味しさを奏でるような。まるで、哲学的でもあるような。

単純な美味しさだけじゃなく、このそば巻にいろんなことを投影していたのではないかと。あくまでも想像の域ですが（笑）

いつもなら薬味使いに迷うことはないのですが、こういう感じかな？とトッピング（笑）

さらに、にしん。
しっかりと味が凝縮されており、身欠にしんの濃厚な旨味と甘辛く炊かれた醤油のおなじみの味。ぬる燗とか絶対合うような（笑）というか、そば巻とにしん、日本酒の取り合わせが最高に思えてきます。吞みませんでしたけどね（泣）

会計を終え、トイレに行こうとすると、玄関手前の離れになっているとのこと。古い建物好きとしては、うっとりとする空間。ジョブズはもとより訪れる客の誰もが、このしつらえの醸し出す醍醐味に魅了されるんでしょうね。

一口に美味しいお蕎麦屋さんなら、他にも京都市内にはたくさんありますが、この歴史を重ねたお店の雰囲気や蕎麦はオンリーワン。そんなところがジョブズに愛されたのかもしれませんね。

ヨ～イヤサ～♪