目次
事前予約で楽しむ京都旅
日本酒を通して気軽にかつ本格的に、楽しくまじめに、京都の伝統産業や食文化を体験できるプランがあります。京焼の窯元での酒器づくりを体験し、そして日本の三大酒処のひとつである伏見へ移動して日本酒体験。日本酒は飲み比べだけでなく、食材や料理とのペアリングも体験できるそう。なんと、自分で作った酒器は当日持って帰ることができます。さっそくツアーに参加してきました。
俊山窯の工房で楽焼体験
まずは、皇室ゆかりの御寺 泉涌寺(みてら せんにゅうじ)門前近くにある「京焼・清水焼 俊山窯(しゅんざんがま)」で、酒器づくり体験です。
泉涌寺周辺は、古くから多くの窯元が軒を連ねる地域。この地で3代続く窯元「俊山窯」は、大正6(1917)年の開窯。京焼の祖の一人である江戸時代中期の陶工・尾形乾山の流れをくむ窯元として、乾山写しの器を得意としています。とくに、陶肌を埋め尽くすように描かれた四季の草花のデザインが特徴です。
乾山の作風を受け継ぎながら現代の感覚を反映させた、“乾山の進化形”ともいえる作品が作られています。
泉涌寺周辺は、古くから多くの窯元が軒を連ねる地域。この地で3代続く窯元「俊山窯」は、大正6(1917)年の開窯。京焼の祖の一人である江戸時代中期の陶工・尾形乾山の流れをくむ窯元として、乾山写しの器を得意としています。とくに、陶肌を埋め尽くすように描かれた四季の草花のデザインが特徴です。
乾山の作風を受け継ぎながら現代の感覚を反映させた、“乾山の進化形”ともいえる作品が作られています。
焼き上がりを想像しながら釉薬を塗っていく
職人さん:今日はお好きな形の素焼きの酒器に、茶、緑、青に発色する釉薬(ゆうやく)を筆で塗っていきます。ベタ塗りでもいいですし、簡単な絵を描いてもいいですよ。
釉薬は熱を加えると色が変わるのだそう。チョコレート色やグレーの釉薬が緑や青色に変わるなんて、まったく想像できません。
用意されている素焼きの酒器は、ぐい飲み型と杯型の2種類。でも、それぞれ微妙に形が違っていて、迷ってしまいます。同じ形にならないよう、あえて道具を使わずに一つひとつ手で形づくられています。
釉薬は熱を加えると色が変わるのだそう。チョコレート色やグレーの釉薬が緑や青色に変わるなんて、まったく想像できません。
用意されている素焼きの酒器は、ぐい飲み型と杯型の2種類。でも、それぞれ微妙に形が違っていて、迷ってしまいます。同じ形にならないよう、あえて道具を使わずに一つひとつ手で形づくられています。
職人さん:まず内側から塗り、外側は高台(こうだい)を持って、クルクル回しながら塗るといいですよ。色が混ざってしまったり、濃かったり薄かったり。意図しない部分を楽しむことも、焼き物づくりの醍醐味です。
コツを教えてくださいますが、なかなかむずかしい。絵画などと違って出来上がりの色がわからないので、少し不安にもなります。でもどんなふうに焼き上がるのか、楽しみな気持ちのほうがふくらみます。
コツを教えてくださいますが、なかなかむずかしい。絵画などと違って出来上がりの色がわからないので、少し不安にもなります。でもどんなふうに焼き上がるのか、楽しみな気持ちのほうがふくらみます。
想定外の仕上がりも、そこが面白さ
塗り終わった酒器を窯に入れて、15分~20分ぐらい焼きます。焼き上がった器は、燃えるようなオレンジ色です。
職人さん:そのまま水に入れて冷まし、色を定着させてもいいですし、メタリックな表情にしたいなら、木の粉を掛けて燻(いぶ)すという方法もあります。
窯から出された器に木の粉を掛けると、まるで器が燃えているように炎が上がります。
燻すと、青い釉薬を塗った部分がとくにキラキラと金属感をまとうようになりました。
職人さん:そのまま水に入れて冷まし、色を定着させてもいいですし、メタリックな表情にしたいなら、木の粉を掛けて燻(いぶ)すという方法もあります。
窯から出された器に木の粉を掛けると、まるで器が燃えているように炎が上がります。
燻すと、青い釉薬を塗った部分がとくにキラキラと金属感をまとうようになりました。
木の粉を掛けた器も掛けなかった器も、どちらも想像以上にきれいな色味が生まれました。ただ、思っていたより色が薄かったのが少し残念。次はもっと濃く塗ろうと再チャレンジを誓いながら、酒器を持って伏見へ移動。日本酒飲み比べとペアリングへ向かいます。
日本酒飲み比べは、酒処 伏見で
やってきたのは伏見・竜馬通り。賑やかでレトロ感ある商店街の一角にある、町家を改装した自家製生甘酒の専門店「AMAZAKE HOUSE」です。おしゃれでかわいい店頭で、こだわりの詰まった甘酒メニューをいろいろ販売されているテイクアウトショップですが、店内で地酒の利き酒体験もおこなってます。代表の橋本さんが、温かくむかえてくださいました。
橋本さん:日本酒の味ってよくわからない。種類が多くてどれを選べばいいのかわからない。そんな声をよく聞くのですが、実は瓶に貼られたラベルには、日本酒選びのヒントになる情報がたくさん書かれているんですよ。
伏見の地酒を飲み比べ
一通り基礎知識を学んだら、5種類の日本酒を飲み比べます。用意されているのは、大吟醸、純米大吟醸、純米、純米生原酒、純米熟成酒の原酒。どれも伏見の日本酒ばかりです。それぞれの日本酒の特徴が際立つよう形の異なる4つの酒器と、俊山窯で作ったばかりの酒器で味わいます。
純米を選ぶ人は、日本酒がいけるクチの人が多いらしく、日本酒好きな人ほど本来のお米の味を味わいたくなるのだとか。
何よりも驚いたのは、純米熟成酒。23年間もの間熟成させた古酒で、ウィスキーや紹興酒のような香りと味わいです。
何よりも驚いたのは、純米熟成酒。23年間もの間熟成させた古酒で、ウィスキーや紹興酒のような香りと味わいです。
日本酒の美味しさを引き出す京都産食材
続いて、京都産の食材を中心としたフードペアリングです。いろいろな食材や料理と合わせることで起こる日本酒の味わいの変化を体験します。それぞれのよさを引き立てる組み合わせを通して、日本酒が持つ味わいや香りにより深く触れていきます。
橋本さん:純米酒に合う料理は、つまりお米の味に合う料理。白ごはんに合うしっかり味の料理なんですよ。日本酒と料理のペアリングは、風味、原材料、時間軸とのバランス、新しい風味を生む組み合わせといったポイントを押さえると楽しめます。
説明を聞いて、実際に体験すると橋本さんの言葉に納得です。料理と合わせるとこんなにお酒の味が変化するということに驚きつつ、日本酒の奥深さに一歩近づいたような気がしました。
説明を聞いて、実際に体験すると橋本さんの言葉に納得です。料理と合わせるとこんなにお酒の味が変化するということに驚きつつ、日本酒の奥深さに一歩近づいたような気がしました。
イベント概要
~京の伝統と食文化にふれる旅~
京焼・清水焼工房での酒器制作と伏見・日本酒×食ペアリング体験
開催日時:2022年3月28日(月)、4月15日(金)、5月28日(土)
所要時間:3時間30分
お申込み:https://ja.kyoto.travel/event/single.php?event_id=6337
京焼・清水焼工房での酒器制作と伏見・日本酒×食ペアリング体験
開催日時:2022年3月28日(月)、4月15日(金)、5月28日(土)
所要時間:3時間30分
お申込み:https://ja.kyoto.travel/event/single.php?event_id=6337
京焼・清水焼 俊山窯
大正六年より百年に亘り、京都東山御寺泉涌寺のふもとで、仁清・乾山により完成された「京焼・清水焼」の技術や感覚を応用し、現代生活に寄り添った作品を三代にわたり制作しています。
住所:京都市東山区泉涌寺東林町12
アクセス:京阪電車「東福寺」駅下車、徒歩約10分
ホームページ:https://www.wakuwaku-kyoto.com/
住所:京都市東山区泉涌寺東林町12
アクセス:京阪電車「東福寺」駅下車、徒歩約10分
ホームページ:https://www.wakuwaku-kyoto.com/
AMAZAKE HOUSE
京都の観光地としても有名な発酵文化の街、「伏見」の竜馬通りにある手作り生甘酒のお店です。京都産のお米と厳選した麹で作ったさっぱりした味わいの白米生甘酒と、栄養たっぷり、コクのある味わいで腸活にもオススメな玄米生甘酒の2種類で、火入れをしていないので体に優しい酵素が活きています。
住所:京都市伏見区車町271−1
アクセス:京阪電車「伏見桃山」駅下車、徒歩約8分
ホームページ:https://amazakehouse.com/
住所:京都市伏見区車町271−1
アクセス:京阪電車「伏見桃山」駅下車、徒歩約8分
ホームページ:https://amazakehouse.com/
関連リンク
とっておきの京都プロジェクト |
京都市内の伏見、大原、高雄、山科、西京、京北の周辺6エリアにスポットをあて、知る人ぞ知る隠れた魅力、新たな観光情報や地域のイベントなど、「とっておきの京都」の情報をお届けするWebサイトです。
食の京都 〜千年の都に息づく「食」のストーリー〜|【京都市公式】京都観光Navi
京都には長い歴史とともに受け継がれてきた文化、そして四季折々の豊かな自然の中で、格式高く洗練された京料理、暮らしの知恵が詰まったおばんざいなど、さまざまな食文化が育まれてきました。また、それらを支える、食材、技術、おもてなしの心、さらには新しい文化を取り入れる進取の精神など、その奥深さは尽きません。ぜひ、京都の食の魅力を知り、味わい、楽しんでいただきたいと思います。
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