2016年9月10日 更新

怪しい?!ぼったくり?!とネット上で話題!京都嵐山の「ドリームカフェ(ドリームアット) by 不老庵」

ネット上で怪しい?!ぼったくり?!と話題の嵐山・嵯峨野地区にある「ドリームカフェ」。たた一次ソースが乏しいようなので実際に潜入取材してきました。

※8/8更新
ドリームカフェさんより問い合わせ、苦情があり一部表現を変更し、写真を削除しました。
記載内容については取材当時のものです。

ネット上で、ぼったくりで怪しいと話題の京都嵐山 常寂光寺近くにある「ドリームカフェ」。ネットニュースは誇張し煽ることも多々ありますので、潜入取材をしてきました。一部始終をレポートします。

客引き行為について

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「ドリームカフェ」の周辺には、このような客引きへの注意喚起の看板が複数確認できました。英語、中国、ハングルでも表記されています。

これは「ドリームカフェ」周辺だけで、他の嵐山・嵯峨野エリアでは確認できなかったように思います。

京都市では「京都市客引き行為等の禁止等に関する条例」が制定されており、客引き行為は四条・三条界隈では禁止されています。
なので、仮にこのエリアで客引き行為があったとしても違法ではありません。
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このように店員の方が店先で掃除をしており、通りかかると「こんにちは」と話しかけてきます。そこで立ち止まると、その店員がカフェの紹介、セールスをはじめました。

セールストークについて

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入口横に掲出された印刷物などを使いセールスをはじめます。以下、そのセールストークの一部要約になります。

「こちらはフランスで著名なガイドブックで、日本人で過去に紹介されたのは村上春樹と、オーナーの早川良一(?)のみ」

「ルイ・ヴィトンのシティガイドブックでも紹介された」

「オーナーが世界のVIPをおもてなしをするための場所。そこをカフェとして限定的にオープンしている」

「オーナーが17年前から気にしていた場所で、6年前にようやくご縁できて開業。ボロボロだったところを全部リノベーションして、中はVIPが憧れる空間に変えました」

「竹林の奥には200年前の建物がありリノベーションした超一流の空間」

「お寺さんやVIPも触ることのできない調度品などが普通に置いてあり、中は有限の美を再現した空間」

「見れば見るほど、趣があって美しい世界を作り上げるアーティスト(オーナー)」

「アンティークの食器で、お茶とお菓子を召し上がって頂きながら、おもてなしをさせて頂く」

「究極の世界で、世界の建築界の方にインスピレーションを与える空間、ただ真似したくても、道具が違うので真似できない」

「飛行機のファーストクラスのイメージでラグジュアリーな空間」

「人によっては、ここが本当のミュージアムだと言う」

ちなみに12月に通り掛かったとき、気になり話を聞きました。その時とトーク内容はほぼ同じなのでテンプレのセールストークになっている気がします。

前払いで1人3000円

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入口を抜け20メートルほど奥に進んでいくとリノベーションされた家屋があります。
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こちらが極上の空間が味わえるとされる建物。リノベーションしたと言っても、築200年の家屋とは思えず、想像以上に真新しい印象を受けました。

入店前、ここで1人3000円を支払います。正直「入店前の支払」は、夜のお店でもあまりありませんよね。私は入口の時点で料金について聞いたので納得して支払を済ましましたが、お客さんにはよっては入店の直前に料金を伝えるようです。
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店員さんに言えば領収書はもらえます、それがこちら。一応、住所と電話番号は消しておきました。
発行元は「不老庵株式会社」になっておりました。

領収書の住所行ってみましたが、それはまぁ結構な豪邸でビックリしました。

気になるお庭は?

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コンパクトで悪くはないのですが、庭師さんも入って手入れしてくれるんでしょうか。

嵐山・嵯峨野エリアには山のようにきれいな日本庭園がありますので、個人的にはそれらと比べるとどうしてもガッカリ感は否めません。

極上の空間とは?

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暗めの店内は和をベースにした内装で、所々に洋風のテイストが入っています、お花も数か所に飾られています。

間取りは大広間、個室2部屋といった構成です。(ざっとみた感じなのでもう少し広いかもしれません。)

グランドピアノもあり。自然に塗装が剥げいている部分もありアンティークのように伺えますが、詳細は不明。
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こちらは二人用の個室です。

店内は全体的にきれいでゆったりしています。また場所柄とても静かです。
変わった素材や形をした調度品も多く、一見歴史のあるようなものも多くあります。ただ調度品ついては見極める能力がないため、コメントし難いのが正直なところです。

きれいではありますが「VIPが憧れるラグジュアリーな空間」とはオーバーだと感じました。
ちなみに店内にメニュー表らしきものはありませんでした。

お茶菓子について

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お盆は江戸時代のもので、滋賀の朽木(くつき)で作られものとのこと。

お茶は濃いほうじ茶で銘柄は不明、和菓子は「月餅屋 直正」のものです。

「月餅屋 直正」は、創業200年の京都の老舗和菓子店。食べログでは、3.74と好評価です。
こちらは十六夜(いざよい)という粟もちで、13個入り380円(税込)、単価約30円です。

原価がすべてではありませんが、お茶代を入れてもいいところ原価100円くらいのものだと推測します。
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味の確認のため「月餅屋 直正」で十六夜(いざよい)を購入してきました。
ドリームカフェで頂いたものと同じだと思います・・


「月餅屋 直正」はドリームカフェとは無関係です、ありからず。
リーズナブルでとても美味しいで老舗和菓子店です。
三条木屋町に本店ありますので、ぜひ寄ってみてください!

月餅屋 直正 → http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260202/26002393/

入口横の掲出物について

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こちらが入口横に掲出されている印刷物です。
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原文はこのサイトから確認できます。
フランス語なのでサッパリわかりませんが、翻訳機能を使って訳すと「料亭の不老庵」と「早川良一氏」についてざっくり書かれています。

原典: http://www.liberation.fr/planete/2012/03/05/le-protocole-de-kyoto_800576

この記事を執筆した Michel Temman氏は、どうやら「ルイ・ヴィトン・シティ・ガイド」の編集者でもあるみたい。
参考: http://japanese.joins.com/article/870/178870.html

なるほど。そのつながりで「ルイ・ヴィトン・シティ・ガイド」に掲載されたのかな。
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その「ルイ・ヴィトン・シティ・ガイド」を印刷したものがこちら。確かに不老庵が紹介されています。
なので、実際に不老庵が「ルイ・ヴィトン」の代表番号に問い合わせの電話をしました。

その結果はこちら。
「ルイ・ヴィトン・シティ・ガイド」での不老庵およびfuroanの掲載実績はありません。過去の発行物もすべてチェックした訳ではないが、現時点では確認できません
対応された方が間違っており、もしかしたらシティガイドではない、他のルイ・ヴィトンによる発行物での掲載かもしれませんので、再度、ルイ・ヴィトンにコピーを提出し再調査をお願いしているところです。

まとめると・・

掃除中(?)の挨拶からなので客引きかと言われると微妙な事案ですし、このエリアは客引き禁止エリアではありません。

また一流の空間で茶菓子かと言われると、これについては個人の価値観による部分も大きいのですが、個人的には微妙だと感じました。

また料金が3000円と比較的高く前払いであり、あまり茶寮やカフェではなじまない料金体系だと思います。

一般論として「高いな、怪しいな」と少しでも思った方はに行かれないことをお勧めします。

ただ、ドリームカフェさんについては、京都市役所、右京区役所、周辺店舗、周辺商店街に苦情が入っていることを確認しています。

観光地には怪しい店があると言えば語弊はありますが、残念ながら世界中でよくある話です。
事前にしっかり調べる、少しでも怪しいと思えば行かない、これだけで防げることなのでみなさんご注意ください。

続報ありましたら更新してきます。
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つきはし つきはし