2016年4月7日 更新

【三十三間堂前】生々しい「血天井」と天才・俵屋宗達の「絵画」は一見の価値あり!の「養源院」

三十三間堂はご存知の方も多いでしょうが、その前にある養源院をご存知でしょうか。ここには関ヶ原の戦いの前哨戦ともなる伏見桃山城での決死の攻防を物語る血天井が飾られている場所。さらに躍動感あふれる俵屋宗達の絵画は必見!むしろ三十三間堂よりも見どころいっぱい、凝縮されているかも!?

徳川、豊臣、天皇家……不思議な因縁を持つ寺院

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歴史好きなら、タイトルだけでピンと来るかもしれません。秀吉の側室だった淀殿(浅井三姉妹の長女)が父・浅井長政の供養のため立てたのがこの「養源院」。その後、徳川秀忠の正室お江(浅井三姉妹三女)により再興された徳川家の菩提所でもあります。激動の戦国時代に翻弄された浅井三姉妹と、その背景にあった豊臣、徳川、その後の天皇家の軌跡を感じられる因縁深い場所。歴史好きなら必見!

何といっても血天井が心にグッときます

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石田三成を足止めするため、伏見桃山城に立てこもった徳川軍・鳥居元忠。伏見城を守る約2000名に対し、石田三成は4万の軍勢!それでも10日もの間、足止めを成功させたといいます。最後には380余名となり、力尽きた鳥居元忠らは集まって自刃、伏見城は落城。家康の親友だったとも言われる元忠は、最後まで家康のために決死の覚悟で城を守り、それが関ケ原の戦いでの勝利への布石になったとも言われています。

ところがその亡骸(なきがら)は、夏の2ヶ月ほど伏見城に放置。その間におびただしい血が流れ出て染み付き、洗っても削っても取れなくなってしまいます。その板を、供養として養源院の天井に使ったものが「血天井」。
寺院内は完全に撮影禁止ですので、実際に訪れて血天井を目の当たりにしてみて。ちょっと背筋が寒くなります。ガイドさんがいて説明しながら中を案内。そこで「ここが手の跡、ここが足」といった生々しい説明を受けると、まさにタイムスリップしてしまいそうな臨場感。元忠は無念だったのでしょうか、達成感で満たされていたのでしょうか。そこはかとない何かが伝わってきます。

3D感満載の俵屋宗達の絵画もまた心をわしづかみ

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俵屋宗達が描いた襖絵「松図十二面」。白象、唐獅子、麒麟を描いた杉戸絵はすべて重要文化財。無名だった宗達が、養源院の絵師に大抜擢され、この絵で一躍有名に!しかも襖絵はたったこれだけなのです。杉戸絵も併せて、どちらも養源院でしか見られないお宝絵画。今にも飛び出してきそうな3D感あふれる動物、躍動感のある作風は必見です。一日中眺めていても飽きないほど。

他にもまだまだ

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そっと歩くと鴬の鳴く声がするという、左甚五郎の「鴬張りの廊下」。庭好きなら必見!小堀遠州の作庭。お江の肖像画や天皇家の紋「菊」、徳川家の紋「葵」、豊臣家の紋「桐」が同時に眺められるのもここだけ。本堂前の大枝垂れ桜も美しく、本堂までにふたつの社もあります。

養源院 詳細情報

スポット名: 養源院
ジャンル: ミステリースポット
住所: 京都市東山区三十三間堂廻り町656
電話番号: 075-561-3887
料金: 500円
営業時間: 9:00~16:00
定休日: 1月21日、5月21日、9月21日 13:00〜15:00
駐車場: あり
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