2018年3月17日 更新

割烹に通じる京町屋イタリアン |ワインやチーズも秀逸「西陣の酒酪菜HANAMITSU(ハナミツ )」

西陣にある京町屋イタリアン 「西陣の酒酪菜HANAMITSU(ハナミツ )」。旬の食材をあまりひねくり回さずに、良いところを全面に押し出す的な、どことなく割烹に相通じるところがある誠実なお料理という印象なり。

割烹に通じる京町屋イタリアン

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「最近、京都の新しいイタリアンはなんだか画一的なお店が多くて面白くないですねえ」と珍しく(でもないか)毒を吐いていたら、それならココは良いですよ、ぜひ!とお勧め頂いたイタリアン、酒酪菜HANAMITSU。

シェフは、京都イタリアンでは非常に名高いアペルトゥーラ(2006年閉店で我々は未訪問)、Cucina Italiana東洞のご出身で、西陣の下立売通智恵光院西入、山中油店のお向かいの京町屋にレストランをオープンされたのが5年ほど前。 結果、我々の嗜好にドンピシャリなお店でしたので、気合を入れご紹介。

ランチは一日一組限定の2日前までの完全予約制で¥7200コースのみ!という献立なのですが、夜はアラカルトで近隣の酒呑みを誘うお料理を出されていて、夜のほうがお手軽にやってくることができる珍しいシステム。どの駅からも微妙に遠い位置で、タクシーが一番便利そうなのですが、お天気の日に歩くのは全然苦ではない我々は、JR二条駅から徒歩20分弱ほどで到着。(帰りは、地下鉄丸太町駅まで歩きましたが、そちらも20分ほど。)
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キッチンを囲むL字型カウンター席が10席ほどで夜はこちらのみ、奥に4名ほど入れる個室があり、そちらがランチ用という使い分けをしている模様。が、空間は非常に贅沢な使い方。
写真はメニューの一部で、この裏にパスタメニューがあるのですが見事に失念(汗)。胡麻塩頭で顎髭の柔和なシェフと、チーズ・ワイン担当のトーク軽快な奥様の2人編成で回されているのだ。
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盛りしっかり!な泡グラス(¥800ぐらい?)乾杯!しつつ、お料理を検討。メインのHANAMITSU名物!に心奪われ、それとパスタは1種、前菜3種ということに。
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まずは長崎は五島列島産ホウボウのカルパッチョで¥1800なり。ぬったりとした艶めかしい食感の白身で想像以上に味が濃いのですが、この黒オリーブペーストの旨さったら!
オリーブ独特の風味がしっかりあり、酸味・塩味のバランス抜群・・。 
添えてあるプチトマトまで何気に美味しいのだ。
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お次も速攻で出てくる、琵琶湖産ワカサギのエスカベッシュ。「そろそろ卵入りが入っていますので、いつもよりお得ですよ!」と奥様推薦の¥950なり。程よい酸味で白ワイン劇消化系な一品なのですが・・
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イタリアンなのに、奥様チョイス日本酒が頂けるのがこのお店の美点。左手、長野県は大信州酒造の「香月 純米吟醸槽場中汲み生」¥850、右手はご存知、滋賀の不老泉「杣の天狗 純米吟醸うすにごり生」¥700なり。
ワインよりお手頃価格なのが嬉しい。
先の泡で頂いたホウボウのカルパッチョを吟醸酒に切り替えると、魚の旨味が舌の上にぐーんと立体的に立ち上がってくるのが楽しいのだ。超ウマですな。。
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これまた、なんとも美味しいなと思った丹波黒どりのレバーペーストは¥650なり。お値段以上のボリューム感。過去食べたレバーペーストの中でも特筆すべき旨さ・・。なんだろう、気になる嫌な成分が何も感じられない、レバーの旨味満載なのになぜだか軽やかな一品。思わずバゲット(ブレッドハウスバンブー謹製)¥200を追加の方向で・・。
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パスタ→メインと続くのですが、赤グラスをお願いして出していただいたボトル4種。左手2本は仏コート・デュ・ローヌのSANTA DUC, LES PLANS Pays du Vaucluse、伊サルデーニャ島のLunera Monica di Sardegna、それに奈良県産が2本という面白いご提案。
奈良産メルローの有りえないすっきりさにビックリ。
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悩みに悩んだパスタ。こちらのシェフがパスタが旨いイタリアン、東洞に居られた際にビブグルマン(2014年版)を取られているので、ま、期待も膨らむのだ。 京美山産鹿のラグーソースに合わせるのは、手打ちの幅広麺。パッパルデッレよりも更に広い感じのくにくにした食感が楽しい。過剰なところが一切ない円やかな味わいで、美味しいですな~。 多分¥1800とか、それぐらいのお値段。

で、次がわくわくメインの皿なのだ。
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名物だという、ミルクだけで育てた仔牛の骨付きカツレツは¥3900なり。おお、期待通りしっかりボリューム!! 250gあるそうです。
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厚みは15mmほどあるしっかりサイズ!で、火入れは御覧の通り。脂分皆無で淡白な仔牛が、程よく揚げ油を吸ったざっくり系衣を纏って、なんとも美味しい。ミラノ風カツレツが大好物なのでイタリアン店でカツレツがあると、つい●●の一つ覚えで注文するのですが、これはもう高級料理ですな。レモンしっかりで至福。
初めの注文はここまで。まだちょっとアルコールが欲しいので、奥様推しのチーズとチーズに合わせるお酒を頂いて〆ようか?ということに。
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見せて頂いたチーズ。奥様推しチーズは全て日本産で、右手に並んだ4種が北海道方面、奥が湯布院産だったように記憶。3種類で¥1200で、1つ追加すると+¥400になる。説明をしていただいて興味のあるのを5種類お願いする。(情報量大杉で、メモなどしないので記憶はオーバーフロー汗汗)
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合わせるお酒がまた面白い。こちらは玉川の自然仕込生酛純米で25BY!の熟成酒。 古酒の適度にこなれた甘円やか風味を塩っぽいチーズと合わせる作戦。
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こちらはジョージア(旧グルジア)のMakashvili Wine Cellar Rkatsiteliなるオレンジワイン。果皮ごとクヴェヴリという土器の壺で天然酵母で醗酵し、熟成:プレスした後再び壺でで6ヶ月熟成させるという昔ながらの手法で作られているそうだ。
しかしまあ、色々見つけてこられますなあ。骨太なものをイメージしますが綺麗な感じもありいの意外に繊細な味わいで、塩っぽいチーズとよく合いますな、こちらも。
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で、チョイスしたチーズ五種。湯布院チーズ工房の出来立てのリコッタチーズ(スプーンに乗っかっているもの)が添えてあるメープルシロップと超!合うという発見と、北海道のチーズも期待通り旨いのですが、湯布院もなんとも美味しいという発見。ウオッシュタイプのマットネ・ロッソは臭ウマ!でした。赤しそ巻のクリームチーズも美味!

いやー、基本料理はシェフお1人で回しておられるのですが、特に待たされ感もなく、酒呑みにはいい感じでお料理が出てくるのだ。シェフと奥様の阿吽の呼吸の連携を見学しているのも楽しく、なんともまったりできた二時間一本勝負。

以上で、泡2の日本酒3の、ワイン3と、ま、そこそこ呑んで¥18000なり、という超納得価格。 皿に絵を描くような仕事は基本無く、全く今風ではないのですが、旬の食材をあまりひねくり回さずに、良いところを全面に押し出す的な、どことなく割烹に相通じるところがある誠実なお料理という印象。好きな食材があるタイミングなら、更に幸せ度が増しそう。
このお料理があるなら、駅からの徒歩20分ぐらい、どんとこい!ですな。(いや、普通はタクシーに乗るか汗汗) 今回はパスタを1種類しか食べられなかったので、次回は夏の定番物パスタ「鰯とういきょうのスパゲッティーニ」などを中心にぜひ。

酒酪菜 HANAMITSU クチコミでの評判

酒酪菜 HANAMITSU 店舗情報

店名:酒酪菜 HANAMITSU(ハナミツ しゅらくさい)
住所:京都市上京区下立売通智恵光院西入下丸屋町514
営業時間:11:30~14:00 17:30~22:00(L.O.21:30) 
定休日:日曜日
TEL:075-406-1478
関連ページ: http://hnmts.info
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スイカ小太郎。 スイカ小太郎。