2024年1月7日 更新

世界遺産『上賀茂神社』で邪気を祓う神馬の儀式~白馬奏覧神事~

上賀茂神社で白馬が主役の神事「白馬奏覧神事(はくばそうらんじんじ)」が執り行われました。七草粥のふるまいもありましたので、その様子をご報告いたします。

宮中ゆかりの邪気を祓う神事

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「白馬奏覧神事(はくばそうらんじんじ)」は、かつて宮中で、年の始めに白馬(青馬)を見ると、一年の邪気が祓われるという故事から「白馬節会(あおうまのせちえ)」という儀式が執り行われていましたが、その儀式を神事化したものとのことです。
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上賀茂神社の本殿前に七草粥を供え、神馬の「神山号」を神覧に供するのが祭事のハイライトです。
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この時、神前に曳かれた神馬に大豆が与えられる「御馬飼の儀」が行われます。

神馬が境内を曳き歩く「牽馬の儀」

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神事の一環として、神馬が舞殿の周りを3回曳き歩く「牽馬の儀」も執り行われました。
「牽馬の儀」は神職に曳かれた神馬が舞殿の周囲を回り、途中、舞殿の正面で本殿に向かって一礼をするという儀式です。
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神職がお辞儀をすると、神馬も真似をしてお辞儀をすることがあるのですが、その様子が微笑ましく、見物客も大いに和まされる瞬間でした。

「厄除七草粥」の御接待

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白馬奏覧神事が行われる当日は、上賀茂神社敬神婦人会の皆さまによる「厄除七草粥」の御接待(有料)もありました。
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早春に芽吹く七草は、冬の間、山菜を絶たれていた人々にとって、久しぶりに食べられる青菜として喜ばれたことでしょう。
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これを食べて一年の無病息災を祈ったというのも頷けます。
白馬奏覧神事の御接待にもぴったりですね。

2024年の大河ドラマ「光る君へ」ゆかりの『片岡社』

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「片岡社」は、賀茂別雷神社の母神・賀茂玉依比売命(かもたまよりひめのみこと)を祀る、上賀茂神社の摂社のひとつですが、古来より恋愛成就、縁結びの神として崇拝されていたとのことです。
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2024年の大河ドラマ「光る君へ」の主人公・紫式部も「片岡社」をお参りに訪れ、以下の和歌を詠んだそうです。

 ほととぎす 声まつほどは 片岡の
  もりのしづくに 立ちやぬれまし

 ※ホトトギス(将来の結婚相手)の声を待っている間は、この片岡の社の梢の下に立って、朝露の雫に濡れていましょう。
 ※ホトトギスと共に、片岡の社もまた素晴らしいという意味
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片岡社、そして上賀茂神社は、紫式部が「好きな人と結ばれたい」と願って参拝された、ゆかりの神社でもあるようです。

神馬舎で神馬にエサやり体験も

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白馬奏覧神事で見事に大役を果たした「神馬・神山号」は、土日のみ基本、上賀茂神社の神馬舎にいます。
(天候や体調によりお休みあり)
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神馬舎ではエサやり体験で神馬と触れ合うこともできるので、是非一度、足を運んでみてはいかがでしょうか?

基本情報

<白馬奏覧神事>
 ◇開催日時
  ・2024年1月7日(日) 10:00~
 ◇場所
  ・賀茂別雷神社(上賀茂神社)

<賀茂別雷神社(上賀茂神社)>
 ◇二ノ鳥居
  ・開門:午前5時30分 閉門:午後17時00分
 ◇桜門及び授与所
  ・開門:午前8時00分 閉門:午後16時45分
 ◇御祈祷
  ・受付時間:午前9時00分~16時00分
   ※随時斎行(ご予約不要)
 ◇神馬「神山号」
  ・日曜/祝日/祭典日の午前9時30分~15時00分頃
 ◇お問い合わせ
  ・電話:075-781-0011
   受付時間:午前8時30分~午後17時00分

アクセス

◇住所
 〒603-8047
 京都市北区上賀茂本山339番地

◇地下鉄烏丸線
 ・北大路駅 徒歩20分
 ・北山駅 徒歩15分

◇京都市バス
 ・JR京都駅より
  4系統「上賀茂神社行き」 → 「上賀茂神社前」下車すぐ
  9系統「西賀茂車庫行き」 → 「上賀茂御園橋」下車徒歩5分
 ・地下鉄北大路駅より
  37系統「西賀茂車庫行き」 → 「上賀茂御薗橋」下車徒歩5分
  北3系統「京都産大行き」 → 「御薗口町」下車徒歩3分
 ・京阪出町柳駅より
  4系統「上賀茂神社行き」 → 「上賀茂神社前」下車すぐ
 ・阪急大宮駅より
  46系統「上賀茂神社行き」 → 「上賀茂神社前」下車すぐ
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柳町イズル 柳町イズル