2023年8月26日 更新

【京都検定】四条烏丸界隈の珍百景☆ホテルビルに食い込む平安鎌倉歌人の祠「俊成社」

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は下京区、四条烏丸から松原通を下がった場所にある珍光景。ホテルビルの壁面に食い込むように存在する社。

ホテルビルの側面の中にある珍百景

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下京区、四条烏丸下がったビルが立ち並ぶオフィス街。
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そのビル群の中に、比較的新設の「ホテル京都ベース」があります。開業して10年余りのホテル。その壁面に真新しい雰囲気の凹み。
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その中をよくよく見ると、小さな祠と両サイドに石灯籠があります。
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この場所は、平安時代後期から鎌倉時代初期の公家・家人だった藤原俊成(ふじわらのとしなり)の住居址で、俊成を祀る社「俊成社(しゅんぜいしゃ)」があります。

藤原俊成は、藤原定家の父に当たり、後白河院の勅命で「千載和歌集」を編集した人物。ちなみに藤原定家は「小倉百人一首」を編集した人物として有名。
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藤原俊成の代表歌は小倉百人一首にも数えられ、「世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞなくなる」があります。その意味は、世の中には悲しみや辛さから逃れられる道は無いのだろうか。世間からずっと離れた山奥でさえ、鹿が妻恋しさに鳴く声が聞こえてくる、という、深い悲しみについての様子を詠んでいます。

毎年俊成の命日である11月28日には、町内の方により俊成の画像と稲荷大明神の軸を掲げる「お火焚祭」が執り行われます。

かつてはこのようにビルの中に祀られた社ではなく、露地の敷地に祀られていた社。時代の移り変わりとともに、社も今の都市空間の中に溶け込み、共存するような珍しい光景ですね。

詳細情報

名称 俊成社(しゅんぜいしゃ)
場所 京都市下京区烏丸通松原下る俊成町
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