京都の知る人ぞ知る、実力派フランス料理店「Le Rokujian（ルロクジアン）」

岡崎、平安神宮の東側にたたずむフランス料理店「Le Rokujian（ルロクジアン）」。実力派の若き料理人２人が腕を振るいます。

知る人ぞ知る実力派フレンチ

左京区の岡崎にたたずむ一軒家のフレンチレストラン「Le Rokujian（ルロクジアン）」。平安神宮の東側、住宅街の中にあり、静かで落ち着いた場所にあります。

昼はカフェなんですが、夜はシェフも変わり洗練されたレストランに変わります。

ウッディーで落ち着いた広々とした店内。こちらの大きいなテーブルが印象的。
カウンター席はなくテーブル席のみで、肩ひじ張らず、ゆっくりと食事を楽しめる空間造りをされています。

「Le Rokujian（ルロクジアン）」では、アマン京都で、若くしてスーシェフを務め、経験豊富なコンビが腕を振るいます。
2人とも料理人の家庭で育ち、幼い頃から料理と共に過ごしてきました。
シェフの堀口さんは公邸シェフ、フランスの星付きレストランなど、パティシエの奥田さんは、東京の有名パティスリー、５つ星ホテルで経験を積まれ、実力十分。

予約制で、コースは11,000円（税別）から。

今回は、15,000円のオマール海老のコースをお願いしてきました。
お料理の内容は、季節や予算、仕入れ状況によって異なります。

一皿目は、フランスロワール産ホワイトアスパラガス、フレッシュモリーユ茸、比内地鶏のチキングレイビーソース。
モリーユ茸には、チーズのベシャメルを詰めてソテーにしており、香草のパン粉をかけられています。

ホワイトアスパラとモリーユ茸を存分に味わえる贅沢な一皿。
丹念に作れたソースも美味しく、食材それぞれのポテンシャルを引き出し、味わい、香り、食感、すべてが計算尽くされています。

二皿目は、和菓子の定番、最中をアレンジした創作メニューのフォアグラ最中です。

フォアグラのテリーヌに橙のジャム、金柑のコンポートが最中で挟まれています。

ねっとり濃厚なフォアグラのテリーヌに、柑橘のさわやかさが加わり、なんともワインが欲しくなる一品。

ワインはオーガニックを中心に、お手頃なワインから高級ラインまで。グラスワインも用意されています。

三皿目は、富山県産ホタルイカ、三重県蛤、朝掘り筍、うすいえんどう豆、スープブルギニオン。

ベーコンやニンニクをきかせたブルギニオンソースを直前で注ぐ演出もあり楽しく。

風味豊かなスープに、ホタルイカと蛤の旨味が重なり、筍とえんどう豆が食感のアクセントに。
春をいっぱいを感じるスープに仕上がっています。

四皿目は今回のメイン、オマール海老と天然明石鯛のパイ包み焼きです。

オマール海老のグリルにシャンパンソースとオマール海老の殻からとったビスクオマールソースをかけます。
軽やかなパイで包まれたふっくらとした鯛、酸味がアクセントになったシャンパンソースが絡まりあいます。

メインのオマール海老は火入れも抜群。ぷりっとした身に濃厚で甲殻類の風味たっぷりのビスクソースでマッチし、奥行きのある美味しさに。

五皿目のお肉料理は、フランスシストロン産仔羊のロティ。

仔羊の中の王様と呼ばれるシストロン産のロティーに赤ワインのボルドレーズソースをかけた一皿です。

付け合わせては、長野県産春キャベツのエテュベ　行者にんにく。
驚くほど柔らかくミルキーな仔羊のロティ。仔羊のと旨味と甘さが口の中に広がり、ソースのコクが重なります。まさに口福の時間。

最後のお料理、六皿目は素カレーです。堀口シェフの父が営むレストランの名物メニューでもあります。

具材に頼らない一見シンプルなカレーですが、ここまで奥深く余韻が残るカレーはそうありません。まさに記憶に残るカレー、欧風カレーの最高峰だと思います。

完成度の高いデセールにも注目。

デセール一皿目は、フランスの郷土菓子ファーブルトンにアーモンドチュイル、コニャックアイス添られています。

コクと甘味の濃淡、食感が考え抜かれています。フルコースを頂いた後なのに、美味しくいただけるから不思議。
デセールが、ここまで美味しいレストランは、そうありません。

デセール二品目は、愛媛県せとかと発酵乳ムースです。
ムースの中にはせとかの皮、実を全て使用したコンポートが入っており、ブラッドオレンジソースが添えられています。

ミルキーさと優しい酸味が混ざり合った、優しくスッキリとした美味しさ。

改めてデセールコースで頂きたいと思うほど、繊細で完成度の高いデセールでした。

最後はカフェと小菓子。セイロン産シナモンとマサラチャイのボンボン、コーヒーとチョコレートのオペラです。お料理を振り返りながら、余韻に浸るいいカフェの時間になりました。

クラシックフレンチをベースに、丹念に作りあげたソースと素材のポテンシャルを引き出したフランス料理です。

濃淡のある奥行きのあるコース構成で、余韻に残る美味しさで、満足度の高いディナーになりました。
記念日などに伺ってほしい、まだまだ知られていない洗練されたフレンチレストランです。