【京都和食めぐり】秋の味覚満載で高コスパ☆伝統と革新の『新しい和食』に驚きの連続「いはら田」

おおきに~豆はなどす☆今回は下京区西大路七条にある京料理店。めくるめく秋の味覚に伝統と革新を盛り込んだ『新しい和食』。そして驚愕コスパで支持される満足度の高さ。

目次

伝統と革新を兼ね備えた驚きの京懐石

下京区西七条。最近JR梅小路京都西駅誕生に伴い、再開発目覚ましいエリアにもほど近い場所。古くからの中央卸売市場の風情と新しいお店や建物が混在するような、そんな場所でもあり。

その、西大路通り沿い。昼間なら暖簾や照明がないので素通りするような、そんな隠れ家的京料理のお店。

普段あまり西エリアで和食や懐石を食べる機会ないんですが、今回は敢えて西のお店を攻めてみよう!と思い、選んだお店。

創業20年近いお店だそうですが、この界隈では有名で定評のあるお店。ここ出身の方が独立開業されたお店も評判だったり。そんな経緯もあり、前から気になっていました。今回は電話で予約して。

店内は1階がカウンター9席、2階が個室2~20席になっていて、計30席弱ほど。今回はカウンター席を予約しました。カウンター上には新型コロナ対策として、アクリル板のパーテーション設置。

ナプキンとともに、マスクケースが添えられていました。こんなのがあるんですね。食事中、一時的に保管するためのもの。

カウンターの一番奥側には坪庭もあり、緑の植栽も。とても落ち着いた空間。

ドリンクメニュー。
日本酒は京都のお酒を中心に、滋賀、兵庫、新潟のものも。ヒレ酒やすっぽん酒など燗酒もあり。

他、果実酒やワインなども。

まずは瓶ビール、プレモルでぷはぁ~。

で、今回はおまかせ料理12000円(税サ別)コースを予約の段階で注文。おまかせ料理は10000~18000円(税サ別)と幅があります。コースの中には熟成但馬牛が焼物で出てくるものもあり。

今回のコースは時節柄、中秋の名月にちなんだ構成。

まずは先附。別名『いも名月』とも言われることから、器の下には里芋の葉をしき、筋子、伊勢エビ、 雲丹、汲み上げ湯葉、トマト上清ジュレ、胡瓜と紅芯大根のお漬物、落花生、穂紫蘇。

この小さな器の中にこんだけのアイテムが入っています(笑)最初から盛りだくさん。

椀物は「月とすっぽん」と題して、すっぽん仕立のお出汁。すっぽん玉子豆腐、松茸、大菊、いんげん、柚子 、芽葱。

玉子豆腐をお月さまに見立てて。

今年お初の松茸。
まだ国産があまり潤沢に出回っていないのと、外国産でも香り高い良質なものもあるということで、今回はメキシコ産。いい歯触りと、香りは特にそん色なく美味しくいただけました。あと、濃厚すっぽん出汁と、玉子豆腐に混ぜ込まれた、すっぽんの皮や肉の食感も面白く。

そして、食事の最中にご主人が次に出すお造りにする戻鰹を藁焼き燻製にした状態のものを見せてくれました。かなりじっくりと燻したんだとか。

お造り。
低温調理で加熱し、柔らかさをキープした明石蛸にさっきの戻鰹のたたき。福井産からしと南高梅ベースの大根おろしやミョウガ、花穂紫蘇も添えらえて。

燻製がよく効き、梅おろしでさっぱりと。蛸が柔らかかった!

すかさず日本酒にチェンジ。
滋賀、純米吟醸 うすにごり杣の天狗。天秤搾りのうっすらにごった生原酒。

さらに創作的お造り。鱧のお造り、函館ウニ、車海老が盛られた織部皿。

この状態で、しばし待ってください~とご主人。

その上からパウダー塩。なんでも米粉が入っている、塩味マイルドなやつ。

さらに、フィンガーライムを散らして。

完成の画。
いろんな味がミックスされた鱧のお造り。皮目も意識しつつ、面白い食感。

さらに、あとに出てくるにぎり寿司で使うマグロを披露するご主人。コロナ禍で客足少ない時期によく来てくれはりました!という感謝も込め、奮発しました!!と(笑)

けっこうチャーミングなご主人です。

お凌ぎ。
鯖寿司と先ほどのマグロ握り。なんともうっとりの二大巨頭的お寿司。

鯖は韓国・済州島産で寿司飯にも刻んだ漬物が混ぜ込まれています。

食べる時は、下に敷いてある白板昆布で巻いて食べる趣向。旨味がリッチで、鯖にも脂あっていいです、これ。

マグロには昆布卵黄味噌、わさびが添えられ、何もつけずにこのままで。いいマグロです。適度に脂も乗っていて。手前の塊ガリも自家製。

京都 ビックリ仰天 スパークリング清酒。こちらもにごり系で甘め。シュワっと感。

八寸。お料理自体は斬新な食材使ったり組み合わせだったりしますが、こういう一貫して歳時に合わせた構成に、脱帽というか。名月に見立てた最中。

最中の名前の由来も、また月から来てます。詳しく知りたい方はこれを参照のこと →https://kyotopi.jp/articles/KrPlw

最中の皮の中には、トウモロコシ、きくらげ、生麩、西京味噌がミックスされた餡。皮ごとパクリと。甘くない最中もちょっと面白い味わい(笑)

さらに、お月見演出のお盆。

卵黄味噌漬け 龍皮昆布、うさぎ(海老鋳込み百合根饅頭)、甘エビ塩辛、くらげの酢橘浸し、鱧煎餅、子持鮎甘露煮、紫頭巾。

無情にも、うさぎをパクリ。中から車海老。

もう、お酒がすすんで仕方ない~と、兵庫 播州一献 超辛口。料理に合わせるにはちょうどいい辛さ。

焼き物。
鹿児島産鰻を開かず筒状で炭火焼した白焼き。肝と煮凝り、実山椒が添えられ、鰻に乗せて。

これだけで食べても激ウマな肝の炊いたん。味濃厚。

皮パリパリ鰻に乗せて。悶絶の美味しさ。炭火焼きの風味と香ばしさ。筒焼することで、脂を閉じ込めているため、濃厚ジューシー。

なんでも、ご主人の御実家は鰻屋さんだったとかで、そういう意味もあって組み込まれた料理なんですかね。美味しかった!

ご主人が、この後カキフライが出てきます~と言って、提供されたのがこれ。

焚合
土鍋の中央に北海道・仙鳳趾(せんぽうし)産の衣薄めのカキフライ、九条ネギ摺り流し、白ずいき、自家製からすみ、ふり柚子。からすみが効いてました。

さらにさらに、
和風冷製担々麺。ご主人が山椒の香り付いた水を器周囲に注ぐ。

すると、ドライアイス効果で白い煙とともに香る山椒。

ガラスの器には冷え冷えの三輪素麺、極細のやつ。他、スープは豆乳仕立だったり実山椒だったり、和素材で作ったあっさり冷やし担々麺。

最後、お食事は松茸ご飯です~と土鍋オープンのご主人。

炊きたて松茸ご飯には爽やかなふり柚子、漬物かと思いきやナスの煮びたし、きゅうり浅漬け、佃煮、そして赤だし。

ご飯はおかわり可能、ということで、2杯いただきました(笑)

赤だしの具材にはズッキーニ。構成上、全く違和感なく。

酢橘のシャーベットにパチパチキャンディー、ブランマンジェにはシャインマスカット、無花果甲州煮、キュウイ、ミントがトッピング。

トッピングされたプチプチキャンディーが口の中で弾けて、面白い食感を楽しみながら、完食終了。

全てが驚きの連続。一体、食材何種類投入したんだ?そして、どれも豪華な食材づくし。客を楽しませる斬新な演出と自由度、でもそこは京料理の歳時に沿った料理構成。まさしく、伝統と革新の『新しい和食』。そして何よりご主人の客を喜ばせたい、満足させたい!というパッション感じる料理の数々に大満足。いや~コスパいいと思います。フツーこんな値段ではできないかと。

秋こそ多彩に食材がそろい、和食が美味しい季節。けっこう穴場的お店。オススメです!

ヨ~イヤサ~♪

詳細情報

名称:いはら田
場所:京都市下京区西七条比輪田町26
電話番号:075₋314₋8899
営業時間:17:30~23:00
定休日:日曜日
公式サイト:https://www.iharada.jp/