【京都】京都紅葉のアンカー的存在 雅やかな潮音庭の紅葉「建仁寺」【祇園】

晩秋の紅葉名所、建仁寺。アクセスが良く、国内外の観光客に人気の寺院です。四方正面の禅庭、「潮音庭」の紅葉と、風神雷神図などの代表的な文化財も鑑賞出来ます。(12月19日撮影)

目次

京都最古の禅寺

建仁寺の創建は1202年。京都五山の一つで、京都で最も古い禅寺です。四方正面で、気品を感じる庭園「潮音庭(ちょうおんてい)」を有し、毎年12月に入ってから見頃を迎える紅葉名所です。
今回は、潮音庭を中心に、文化財なども紹介します。

潮音庭の紅葉

建仁寺の本坊へ入り、奥へ進むと潮音庭があります。1940年、北村安夫によって作庭されました。
こちらは小書院からの眺めです。
朱色の緋毛氈がひかれ、雅やかで、気品を感じます。

反対側の大書院からの眺めです。三尊石が配置され、そこを中心に紅葉とドウダンツツジが植えられていて、一面に苔がある苔庭です。

この日は雨上がりで、散り始めた紅葉がしっとりとして、苔の上に落ち、なんとも美しかったです。

東側の回廊からの風景です。三尊石の向きが変わるとお庭の印象も変わりますが、こちらからの眺めも美しいです。

南西側に手水があります。日が差すと、紅葉が映り込んで素敵でした。

境内の庭園

〇△□乃庭です。潮音庭と同じく、北村安夫氏による作庭です。〇△□の単純な三つの図形は、宇宙の根源的形態を示し、禅宗の四大思想(地水火風)を、地(□)水(○)火(△)で表しているようです。庭園の意味を知ると、奥深く感じます。

方丈北側の納骨堂と紅葉です。紅葉は終盤でしたが、まだ綺麗な紅葉もありました。

方丈前にある大雄苑です。作庭時期は不明ですが、現在の庭園は昭和初期に加藤熊吉によって作庭されたそうです。大海に見立てた白砂の流れが見事です。

文化財

雲龍図

方丈は庭園に囲まれていますが、堂内は多くの襖絵や文化財を鑑賞することが出来ます。その中でも際立つ襖絵が、海北友松(かいほうゆうしょう)が描いた阿吽の龍の雲龍図です。海北友松は、安土桃山時代から江戸時代にかけて活躍した絵師です。こちらはレプリカのようですが、本物さながらの迫力の阿吽の龍が鑑賞できます。

風神雷神図屏風

建仁寺と言えば、風神雷神と言った印象です。俵屋宗達の風神雷神図屏風は建仁寺所有ですが、通常は京都国立博物館に保管されており、こちらは最新のデジタル技術を生かして作られたレプリカです。迫力は本物さながらで、近くでじっくりと眺められて、細かいところまで観察できます。

法堂内にある双龍図です。2002年の建仁寺創建800年を記念して小泉淳作画伯が2年の歳月をかけて描かれました。畳108畳分の大きさだそうで、壮大ですが、どこかお茶目な表情に温かみを感じる龍図です。
今年は小泉淳作氏の生誕100年に当たる年で、それを記念して小泉淳作展が開催されました。

今回は建仁寺の紅葉を中心に紹介しました。今後の散策の参考になれば嬉しいです。

スポット情報

名称:建仁寺
住所:京都市東山区小松町584
拝観時間:午前10時~午後4時30分受付終了(午後5時閉門)
拝観料:一般 800円
https://www.kenninji.jp/
アクセス:京阪電車「祇園四条駅」より 徒歩7分、阪急電車「河原町駅」より 徒歩10分