京都らしい風景が広がる鴨川に架かる最長橋
わりと真新しい状態ですが、建設から80年以上経過し、老朽化がすすみ耐震性も不足していたため、平成27年度から補修工事が行われ、令和3年2月に完成したのが現在の賀茂大橋。
中央の鴨川デルタ(三角州)を境に西側から流れ込む賀茂川とそれに架かる出町橋、東側から流れ込む高野川と河合橋。さらに地元民が水遊びをする憩いの場・飛び石も見え、この時も小さな子供たちが渡っていくのを目の当たりにしました。そして、背景に連なる北山や東山。さらに鴨川デルタの北には下鴨神社・糺の森の緑が広がります。鴨川の中でも最も風光明媚な場所と言えます。
さらに東にそびえるは五山送り火の主峰とも言える大文字山(如意ヶ嶽)。今年はコロナ禍のため、縮小点火で執り行われた送り火ですが、例年多くの方がこの橋の周辺から大文字山を望み、点火と共にご先祖様を送り出す場所でもあります。
石製高欄、車両用防護柵、道路照明、歩道舗装、桁塗装色、歩道灯籠照明色など、周辺景観に配慮したデザインを採用とのこと。概ね以前のデザインを継承する形で改修されました。普段何気なく利用している賀茂大橋ですが、以前の様子を思い浮かべながら渡るのも、いいかもしれませんね。
基本情報
名称:賀茂大橋
場所:京都市上京区梶井町~左京区田中下柳町
場所:京都市上京区梶井町~左京区田中下柳町
今出川通から大原通へと通じる「京の七口」の大原口にあたり、もともと架かっていた賀茂川・出町橋と高野川・河合橋より後の昭和6年に都市計画道路として架橋。当時のデザ イン設計は京都大学建築科教授でもあり、明治後期~昭和初期に関西で活躍した建築家武田五一氏によるもの。そして、鴨川に架かる橋の中では最長で、橋長142mを有します。