【祇園祭2025】感動!ドラマチックな雨の祇園祭「祇園祭 前祭 山鉾巡行」

数年ぶりに雨の中の「祇園祭」。注連縄切りや辻回しなどが、無事に執り行われました。雨でも真摯に向き合い、執り行われる姿に感動しました。

目次

雨の祇園祭

祇園祭の起源は869年。疫病の退散を願う、八坂神社のお祭です。祇園祭は、古くは祇園御霊会(ごりょうえ)と呼ばれ、7月1日から1ヶ月に渡り、神事や行事が執り行われます。
祭のクライマックスは7月17日と24日に行われる「山鉾巡行」です。前祭として、17日に行われた山鉾巡行の様子を、紹介させていただきます。

お稚児さん登場

9時に巡行がスタートする前に、お稚児さんが長刀鉾へ搭乗されます。雨模様で、お稚児さんが濡れないように傘がさされ、ゆっくりと鉾へ進んで行かれます。

お稚児さんは、「社参の儀」で神の使いとなり、巡行が終わるまでは「神」として扱われ、公の場では地面に足を付けず「強力さん」に担がれて移動します。

結構な雨が降っていました。

禿のお二人が先に搭乗され、お稚児さんの到着です。お稚児さんのお衣装や、天冠が華やかです。

注連縄切り

「注連縄切り」とは、八坂神社へ向かう山鉾が、神域への結界を切って進むための神事です。
7月15日の早朝に、高橋町の方々によって、斎竹(いみだけ)が四条麩屋町に建てられました。
二本の斎竹の間に、注連縄が通され、清めの塩が撒かれました。

巡行がスタートし、長刀鉾がお囃子と共にやって来ました。

9時20分頃、いよいよ注連縄切りが始まりました。稚児係のサポートとともに、お稚児さんが、ダイナミックな所作で、剣先を動かされます。

カタン!と大きな音と共に、注連縄が切り落とされました。雨にもかかわらず、目を見張るような素晴らしい刀さばきで、大役をはたされたお稚児さん。大きな歓声と拍手が起こっていました。見ていて、いつにもまして、とてもドラマティックに感じました。

無事に注連縄切りが終わり、「太平の舞」が披露されました。太平の舞は、無病息災や、世の中の平安を願う舞だそうで、見ていてとても有難いです。

鉾が四条河原町へ向かいます。屋根方が雨で滑らないか?見ていて心配でした。

新町御池

今年も、お稚児さんが鉾を降りられるところが拝見したいと思い、1時間前に到着。着いた時は土砂降りでした(泣)四条河原町から河原町御池を経て、11時20分頃長刀鉾が到着。少しして、先に禿のお二人が下車されました。

その後、強力さんに担がれたお稚児さんが登場し、ゆっくりと梯子を降りられます。

今年のお稚児さんは小学校3年生、8歳だそうです。7月1日より祇園祭が始まり、13日に稚児社参で神の使いとなり、山鉾巡行まで数々の大役をこなしてこられました。

この後、八坂神社でお位を返す儀式が行われ、普通の男の子に戻られます。お稚児さん、禿のお二人もお疲れ様でした。

おそらくお稚児さんと禿のお母様でしょうか。雨の中、心配されたと思いますが、皆さんご立派にお役を務められて、安心されたのでは、と思います。

お稚児さん達を見送り、長刀鉾は新町通りへ。三回の辻回しが勢いよく行われ、会所へと南下して行きました。

四条周辺で、蟷螂山(とうろうやま)と遭遇。雨の為、蟷螂にはビニールが掛けられていました。ある意味レアな風景でした。

綾傘鉾

綾傘鉾の会所、大原神社に鉾が戻って来られました。

赤熊を被って棒振り囃子を執り行う綾傘鉾。無事に帰還です。

大原神社の前で、「棒振り囃子」を披露されました。「棒振り囃子」には、棒を振るうことで、周囲の様々な災厄を祓うご利益があると考えられています。

綾傘鉾も、雨除けにビニールが掛けられていました。この後、早々に解体されます。

四条通では、函谷鉾が会所へ無事に帰還されていました。

今回は、祇園祭前祭、山鉾巡行の様子を紹介させていただきました。雨の中でしか見れない風景もあり、貴重な巡行になったと思います。巡行や祇園祭に関わられた皆さま、お疲れさまでした。また来年の巡行まで、楽しみにしたいと思います。

イベント情報

名称:祇園祭前祭(ぎおんまつりさきまつり)
日程:毎年7月17日
関連ページ:https://www.yasaka-jinja.or.jp/