曼殊院境内の日本唯一の菌を供養するスポット
そして、さらに坂道を上り、洛北の古刹である曼殊院門跡が見えてきます。
新緑シーズンも美しい光景ですが、秋の紅葉シーズンには多くの観光客でにぎわうスポットでもあります。
天台宗の門跡寺院。五箇室門跡の一つ。最澄が比叡山に建立した一堂に始まり、1656年(明暦2)良尚法親王のとき、現在地に移転。明治初期までは北野天満宮の管理職(別当)も兼務。
大書院、小書院、八窓軒茶室、庫裏は重文。枯山水の庭園(名勝)。国宝の不動明王(黄不動)は三不動の一つ。内部の襖絵は主に狩野探幽筆だが、他に狩野永徳筆竹虎図(重文)など所蔵し、観光客にも人気のスポット。
大書院、小書院、八窓軒茶室、庫裏は重文。枯山水の庭園(名勝)。国宝の不動明王(黄不動)は三不動の一つ。内部の襖絵は主に狩野探幽筆だが、他に狩野永徳筆竹虎図(重文)など所蔵し、観光客にも人気のスポット。
で、今回の目的の場所は境内、さらに山手奥に。
普段、立入禁止エリアですが今回は取材ということで特別に撮影させていただきました。
普段、立入禁止エリアですが今回は取材ということで特別に撮影させていただきました。
林の奥にひっそりと石碑が。
『菌塚』と書かれています。そう、ここは菌、微生物を供養するために建立された場所。
私ごとですが、学生の頃、微生物を扱う研究をしていて、日々微生物を培養増殖させては滅菌、ということを繰り返してたのですが。で、研究室全体で、供養参り、武田薬品工業の薬用植物園見学という流れでかつて訪問したことを思い出して。
私ごとですが、学生の頃、微生物を扱う研究をしていて、日々微生物を培養増殖させては滅菌、ということを繰り返してたのですが。で、研究室全体で、供養参り、武田薬品工業の薬用植物園見学という流れでかつて訪問したことを思い出して。
元大和化成株式会社・取締役社長の笠坊武夫さんは酵素抽出に微生物を犠牲にしてきた思いから、昭和56年5月にここ曼殊院境内に供養石碑を建立。
裏面の碑文には曼殊院門跡・第四十世・大僧正圓道筆で
『人類生存に大きく貢献し 犠牲となれる 無数億の菌の霊に対し至心に恭敬して茲に供養のじんを捧ぐるものなり』 とあります。
『人類生存に大きく貢献し 犠牲となれる 無数億の菌の霊に対し至心に恭敬して茲に供養のじんを捧ぐるものなり』 とあります。
発酵食品にかかわる微生物も、考えてみれば人間によって都合よくその働きを有効利用されていますが、微生物目線でいうと勝手に増殖させられて、最後死滅させられる、という不遇のライフサイクル。そんな意識も持ちつつ、ふだん食する発酵食品に関わる菌たちに感謝したり供養することも大切かもしれません。
題字は東京大学名誉教授坂口謹一郎氏の筆。建立時の法要の際には、京都伏見の醸造元・増田徳兵衛氏のお供え銘酒『月の桂』を参加者が菌塚にかけて供養。
そして、毎年5月の第2日曜日には曼殊院で法要もされているそうです。
題字は東京大学名誉教授坂口謹一郎氏の筆。建立時の法要の際には、京都伏見の醸造元・増田徳兵衛氏のお供え銘酒『月の桂』を参加者が菌塚にかけて供養。
そして、毎年5月の第2日曜日には曼殊院で法要もされているそうです。
この日はカタツムリも避暑地として『菌』の恩恵にあずかるほどの暑さでしたが、京都発酵食品部を名乗り、部活する身としては、定期的にお参りしたい場所ですね。
菌塚 への口コミ
今年度から大量にカビを利用する研究を行うので、日本で唯一菌を祀る菌塚を訪問。アニミズムの象徴のようなこの場所は、曼殊院の立入禁止区域内にあって、驚くほど神聖さに満ちていた。 pic.twitter.com/L10KdYWXLQ
— You Die (@act0666) 2018年4月15日
曼殊院門跡 基本情報
名称:曼殊院門跡(まんしゅいんもんぜき)
住所:京都市左京区一乗寺竹ノ内町42
電話番号:075-781-5010
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:大人600円 小人400円
関連サイト:https://www.manshuinmonzeki.jp/
住所:京都市左京区一乗寺竹ノ内町42
電話番号:075-781-5010
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:大人600円 小人400円
関連サイト:https://www.manshuinmonzeki.jp/
洛北、白川通りから東山連峰へ続く坂道を上って行きます。手前に武田薬品工業の薬用植物園。学生の頃、見学に来ました。