京都ラーメンを支える製麺所直営の名店　半世紀愛される「ラーメン藤 本店」

南区、地下鉄十条駅近く。烏丸久世橋近くにたたずむ老舗ラーメン店「ラーメン藤 本店」。市内では伏見大手筋や五条、また府内で福知山や京丹後にも店舗を展開しており、京都を代表するラーメンチェーンのひとつ。1973年創業とラーメン店の中では老舗と呼んで差し支えない名店です。

駅から徒歩圏内という立地に加え、駐車場は8台分を完備。さらに10時から19時までの通し営業と、車移動が多い人にとっては非常に使い勝手の良い存在です。

ラーメン藤 本店の母体は、京都が誇る製麺所「近藤製麺」。店舗から徒歩数分の場所に工場を構えています。
いわゆる豚骨醤油、背脂チャッチャ系の京都ラーメンを支えてきた製麺所で、第一旭、新福菜館、大栄など、京都のラーメンシーンを長年にわたり支えてきた存在でもあります。

店内へ入ると、L字型のカウンター席が広がり、創業当時の面影を残す昭和感たっぷりの空間。オープンキッチンでは、大きな寸胴鍋、湯切り、盛り付けまでが目の前で繰り広げられ、ライブ感と迫力があります。
券売機はなく、口頭で注文するスタイル。支払いも現金のみと、昔ながらのラーメン店らしさが健在。これはこれで、やはり心地いいですね。

メニューは、ラーメン、特製ラーメン、味噌ラーメン、メンマ入りラーメンの4種類。餃子や豚めしといったサイドメニューも用意されています。
さらに月曜から土曜の昼限定（14時まで）にはサービスメニューもあり、餃子はニンニクの有無を選べるのがうれしいポイント。
加えて、降水確率70％以上の日は替え玉無料という、遊び心あるサービスも健在です。

今回はド定番のラーメンを、ネギ多め、麺固めで注文。たっぷりと盛られたネギの鮮やかさが、食欲を一気に引き立てます。
具材はチャーシュー、ネギ、もやしのみというシンプル構成。

製麺所直営だけあって、麺の完成度はさすが。小麦の風味、しなやかさ、歯切れの良さ、そして喉越しまで、スープとの相性は抜群です。

スープは豚骨醤油の清湯。濃厚ながらクリアで醤油の風味が心地よく、後味はすっきり。特に寒い季節に食べる一杯は、身体に沁みる美味しさです。

薄くスライスされたチャーシューは、身と脂のバランスが良く、スープの旨みをしっかり吸い込んだ一体感のある味わい。ネギと一緒に食べると、また違った美味しさが楽しめます。

スープを吸ったネギも圧巻。ネギ本来の甘みが際立ち、主役級の存在感です。

卓上にはコショウやヤンニンなどの味変調味料も用意。特にヤンニンはしっかりと辛さがあり、旨みも増すので、途中から試してみるのがおすすめです。

11時半頃から14時前後までは行列必至で、常に満席が続く人気ぶり。ただし10時からの通し営業なので、時間をずらせば比較的スムーズに入店できます。

京都ラーメンを代表する一軒。こだわりの麺と安定した美味しさはもちろん、その使い勝手の良さも含めて、長く愛され続ける理由がよく分かります。ぜひ一度、足を運んでほしいラーメン店です。

店名：ラーメン藤　本店
住所：京都市南区東九条南石田町111-1
営業時間：10:00〜19:00　※第3水曜は17:00まで
定休日：木曜
駐車場：あり
HP：https://www.ramen-fuji.jp/