【あなたの知らない京都】駐車場の不思議モダンスペース!かつては名水も湧く円町ゆかりの井戸「壺井」

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は中京区、西ノ京円町にある駐車場スペースの一角にある井戸跡。かつては名水も湧き、この土地ゆかりの歴史ある井戸。

目次

かつては名水も湧いた『円町』ゆかりの井戸跡

中京区西ノ京のJR円町駅前。以前、この地名『円町』の由来についてもご紹介しました。

そこから、佐井通りを下ります。ちょうど西大路通りより西側に平行する通り。

いつも通るたびに、不思議な感覚を持っていた場所。

駐車場なんですが、旧二条通りと佐井通りの角。ちょっと不思議なモダン造りの塀に囲まれた一角。通常の駐車場なら、こんな角に障害物ないほうが利便性いいわけですが。

かつてこの旧二条通りを通称『太子道』と呼んでいましたが、現在では新二条通りのことを指すようです。太子道は文字通り聖徳太子を表す通り名で、かつて聖徳太子が太秦広隆寺への参詣道にしていた通り。

そんな場所に、敢えてこんなシャレオツスペース設置するってどういうことかな?と。
よくよく見ると、入り口のようになっていて、石柱があり『壺井地蔵尊』と書かれています。

中を見ると、階段状になっていて、少し低い位置に『名水壺井』と彫られた石板が埋め込まれています。

さらに傍らには、お地蔵さんがあり、お供えのお花も。ご近所の方でしょうかね。

さらに奥。植わっている木の根元にお地蔵さんが。こちらが壺井地蔵尊。その下、半円状にぽっかりと口を広げ、空洞が。

こちらが『壺井』。現在は枯れてますが、かつて名水が湧くことでも知られた井戸。かなり古い井戸で、この円町という土地柄ゆえの歴史を持つ井戸でもあり。

奈良時代の僧・行基が諸国巡礼の際この地で名水を見つけ、それを流行病いの病人に飲ませると、たちまち病気が治り、霊験あらたかな霊水として信仰を集めたのが壺井の始まりとされています。

『壺井』という名は、この井戸の中から壺に入ったお地蔵さんが出てきたことに由来するそうです。

そして、さらにこの円町ゆかりの歴史があります。
江戸時代、かつて西の処刑場だった西土手刑場跡がこのすぐ東にありますが、市中引き回しになった罪人が、刑場で斬首される前の最期にここの水を与えられた、そんな場所。

この周辺の下水工事を境に、井戸は枯れてしまいましたが、この近くの大工さんですかね。平成25年にこのモダンな一角として整備され、今もそのままに井戸が残されているという。

今の景観の中にそのまま引き継がれた、古井戸。なんとも不思議な印象と、そんな場所が残っている京の町の面白さを改めて感じ入りました。

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基本情報

名称:壺井
住所:京都府京都市中京区西ノ京北壺井町