伏見稲荷に人気ラーメン店が手掛ける新ブランドがオープン
国内外から多くの参拝客が訪れる、日本を代表する観光地・伏見稲荷大社。朱色の鳥居が連なる光景でも知られ、周辺は連日多くの人で賑わいます。
伏見稲荷大社の裏参道。国内外から多くの観光客が訪れる賑やかな通りから、細い路地へ。小さな看板が目印です。
細い路地の突き当たりに「京別邸 鶏雫(とりしずく)」が、2026年9月17日にオープンしました。
運営するのは、京都をはじめ各地で複数のラーメン店を展開するグループ。これまで培ってきたラーメン店運営のノウハウをもとに、ブランド名ではなく、素材や味そのもので勝負する新たな一軒です。
今回は、オープン前に取材で伺いました
運営するのは、京都をはじめ各地で複数のラーメン店を展開するグループ。これまで培ってきたラーメン店運営のノウハウをもとに、ブランド名ではなく、素材や味そのもので勝負する新たな一軒です。
今回は、オープン前に取材で伺いました
店内に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、赤と黒を基調とした華やかな空間。長いカウンターの奥には、テーブルチャージ制の座敷席も用意されています。
伏見稲荷、赤を基調にした和の空間、着物、庭には鳥居。正直、最初は「かなりインバウンドを意識したお店なのかな」と少し身構えましたが、カウンターの上に掲げられた食材を見ると、その印象が少し変わります。
伏見稲荷、赤を基調にした和の空間、着物、庭には鳥居。正直、最初は「かなりインバウンドを意識したお店なのかな」と少し身構えましたが、カウンターの上に掲げられた食材を見ると、その印象が少し変わります。
全国の厳選素材を丁寧に
スープには奥丹波産地鶏、宍道湖産しじみ、指宿産本枯節。麺には北海道産「春よ恋」と三重県産「伊勢の響き」を使い、京都の麺屋棣鄂が手掛ける多加水麺を採用。
具材には近江鴨、阿波尾鶏、マンガリッツァ豚、濃紅卵など。さらに塩にも相当のこだわり。
「あれ、インバウンド向けというより、ずっと本気のラーメン店なのでは?」と、そんな期待が膨らみます。
具材には近江鴨、阿波尾鶏、マンガリッツァ豚、濃紅卵など。さらに塩にも相当のこだわり。
「あれ、インバウンド向けというより、ずっと本気のラーメン店なのでは?」と、そんな期待が膨らみます。
そして、店内でもうひとつ目を引くのがサイフォン。
これも最初は演出のひとつかと思いましたが、実際には味を組み立てるうえで重要な調理器具。名物の「銀の潮そば」では、極薄に削った本枯節から、サイフォンを使って香りと旨味を引き出します。
今回は昼に提供される「銀の潮そば」「金の鶏白湯そば」「鶏汐つけそば」の3種類をいただきました。
これも最初は演出のひとつかと思いましたが、実際には味を組み立てるうえで重要な調理器具。名物の「銀の潮そば」では、極薄に削った本枯節から、サイフォンを使って香りと旨味を引き出します。
今回は昼に提供される「銀の潮そば」「金の鶏白湯そば」「鶏汐つけそば」の3種類をいただきました。
まずは「銀の潮そば」1,600円。
透き通ったスープに細めの麺という、非常に端正な一杯です。ベースとなるのは鶏、しじみ、本枯節。それぞれの旨味を重ねながらも、何かひとつを極端に強く押し出すような仕立てではありません。
特に印象的だったのが、しじみの風味。貝の旨味はしっかりと感じますが、不自然な甘さや重さがはありません。しじみをしっかりと使い和食を思わせるような、きれいな味わいです。
※税込表記です。
透き通ったスープに細めの麺という、非常に端正な一杯です。ベースとなるのは鶏、しじみ、本枯節。それぞれの旨味を重ねながらも、何かひとつを極端に強く押し出すような仕立てではありません。
特に印象的だったのが、しじみの風味。貝の旨味はしっかりと感じますが、不自然な甘さや重さがはありません。しじみをしっかりと使い和食を思わせるような、きれいな味わいです。
※税込表記です。
まずはそのままスープを一口。異なるレイヤーで重なる、素材それぞれの旨味を堪能できます。
さらに本枯節はサイフォンで抽出するだけでなく、食べる直前にも削りたてを添えてくれます。スープの熱によって鰹節の香りがふわっと立ち上がり、食べ進めるにつれてスープにも馴染んでいく。サイフォンも鰹節も単なる見せ場ではなく、きちんと一杯の味につながっています。
さらに本枯節はサイフォンで抽出するだけでなく、食べる直前にも削りたてを添えてくれます。スープの熱によって鰹節の香りがふわっと立ち上がり、食べ進めるにつれてスープにも馴染んでいく。サイフォンも鰹節も単なる見せ場ではなく、きちんと一杯の味につながっています。
麺はしなやかさのある細麺。繊細なスープとの一体感もよく、派手さよりも出汁と香りの重なりを楽しませる一杯です。じつは全粒粉が練り込まれていますが、わからないほど細かく挽かれていて、小麦の風味もしっかり楽しめます。
具材は別皿で提供。京都産濃紅卵や九条ねぎのほか、阿波尾鶏は香ばしく仕上げたもも肉の炭焼きと、しっとりやわらかな胸肉の低温調理に。細切りメンマもコリコリと小気味いい食感で、脇役ながら秀逸です。
別添えにすることで、最初からスープに味が混ざりすぎず、食感もぼやけにくい。まずはそのまま味わい、途中からラーメンと合わせみてください。こうしたひと手間にも、素材をきちんと味わってもらいたいという思いを感じます。
別添えにすることで、最初からスープに味が混ざりすぎず、食感もぼやけにくい。まずはそのまま味わい、途中からラーメンと合わせみてください。こうしたひと手間にも、素材をきちんと味わってもらいたいという思いを感じます。
続いて「金の鶏白湯そば」1,400円。
こちらは銀とは一転して、白濁した鶏白湯スープに平打ちの太麺を合わせます。鶏白湯というと、濃度や脂などでインパクトを出すタイプもありますが、こちらはとても素直。
鶏の旨味と厚みはありながら、過度に重たくせず、まろやかできめ細かな口当たり。素材そのものから丁寧に組み立てたような自然な味わいです。
こちらは銀とは一転して、白濁した鶏白湯スープに平打ちの太麺を合わせます。鶏白湯というと、濃度や脂などでインパクトを出すタイプもありますが、こちらはとても素直。
鶏の旨味と厚みはありながら、過度に重たくせず、まろやかできめ細かな口当たり。素材そのものから丁寧に組み立てたような自然な味わいです。
この平打ち手揉み麺が、またよく合います。丁寧でクリーミーなスープをしっかりと持ち上げる力強い麺。これだけ存在感のある麺だとスープと喧嘩しそうなものですが、不思議とうまく馴染みます。鶏白湯には中細~中太麺を合わせるイメージもありますが、平打ちの太麺との相性の良さは新たな発見でした。
濃厚さを売りにする鶏白湯とは少し違い、雑味がなく、鶏の甘みも感じる「料理としてととのった鶏白湯」と表現したくなる仕上がりでした。
ここでも本枯節の存在が効果的で、鶏の旨味だけで単調にならず、香りや余韻に複雑さを加えています。
何か目新しい調味料を使って驚かせるというより、定評のある素材に手間をかけ、それぞれの持ち味を重ねて再構築したような印象です。
濃厚さを売りにする鶏白湯とは少し違い、雑味がなく、鶏の甘みも感じる「料理としてととのった鶏白湯」と表現したくなる仕上がりでした。
ここでも本枯節の存在が効果的で、鶏の旨味だけで単調にならず、香りや余韻に複雑さを加えています。
何か目新しい調味料を使って驚かせるというより、定評のある素材に手間をかけ、それぞれの持ち味を重ねて再構築したような印象です。
そして「鶏汐つけそば」1,600円。
名前からは少し想像しづらいのですが、こちらはいわゆる昆布水つけ麺のスタイル。鶏白湯と同じ平打ちの麺にはさらっとした昆布水をまとわせ、まずはそのまま、そして塩を添えて味わいます。
昆布の旨味と麺の風味、そこへ塩味が加わるだけでも十分に美味しく、さっぱりとした後味です。
名前からは少し想像しづらいのですが、こちらはいわゆる昆布水つけ麺のスタイル。鶏白湯と同じ平打ちの麺にはさらっとした昆布水をまとわせ、まずはそのまま、そして塩を添えて味わいます。
昆布の旨味と麺の風味、そこへ塩味が加わるだけでも十分に美味しく、さっぱりとした後味です。
つけ汁は、あっさりと塩味でととのえた清湯スープ。
さらに印象的だったのが、添えられたフィンガーライム。途中で果肉をプチプチと潰して麺に合わせると、爽やかな酸味と香りが一気に加わります。昆布の旨味と塩というシンプルな構成だからこそ、この薬味のアクセントがよく効きます。
そして、麺とともにぜひ味わってほしいのが、特製で提供される別添えの肉盛り。
さらに印象的だったのが、添えられたフィンガーライム。途中で果肉をプチプチと潰して麺に合わせると、爽やかな酸味と香りが一気に加わります。昆布の旨味と塩というシンプルな構成だからこそ、この薬味のアクセントがよく効きます。
そして、麺とともにぜひ味わってほしいのが、特製で提供される別添えの肉盛り。
近江鴨、阿波尾鶏、マンガリッツァ豚など、それぞれの素材に合わせて仕立てられています。なかでもマンガリッツァ豚は印象的。
厚みを持たせながらやわらかく仕上げられ、脂の旨味もしっかり。ラーメンのチャーシューという枠には収まらないほど、肉料理として存在感がありました。
厚みを持たせながらやわらかく仕上げられ、脂の旨味もしっかり。ラーメンのチャーシューという枠には収まらないほど、肉料理として存在感がありました。
サイドメニューには「雫いなり」も。
五穀米にちりめん山椒を混ぜ込み、甘辛く炊いた油揚げで包んだ一品で、伏見稲荷という場所を意識しながら、一般的ないなり寿司とは少し違った仕立てになっています。
五穀米にちりめん山椒を混ぜ込み、甘辛く炊いた油揚げで包んだ一品で、伏見稲荷という場所を意識しながら、一般的ないなり寿司とは少し違った仕立てになっています。
これだけの素材を揃え、下処理や温度管理にも時間をかけて仕上げ、さらにサイフォンを使った抽出など、オペレーションにも手間をかけながら、基本のラーメン1,400〜1,600円という価格帯。
一般的なラーメンと比べれば決して安価ではありません。ただ、使われている食材と手間を考えると、むしろ価格はかなり抑えられている印象です。
伏見稲荷、赤を基調とした華やかな空間、鳥居、庭、そしてサイフォン。最初はインバウンドを強く意識した演出に見えましたが、実際のラーメンは華やかな空間とは対照的に、素材の良さと手仕事を積み重ねた丁寧な仕上がり。
これまでラーメン店を展開してきた集大成として、ラーメンをもう一歩先へ進めたい。そんな気持ちが伝わってくるような一杯でした。
普段からラーメンを食べ歩いている人にも試してほしい一軒です。見た目と中身のいい意味でのギャップ。伏見稲荷の路地裏で、少し意外な新店に出会いました。
一般的なラーメンと比べれば決して安価ではありません。ただ、使われている食材と手間を考えると、むしろ価格はかなり抑えられている印象です。
伏見稲荷、赤を基調とした華やかな空間、鳥居、庭、そしてサイフォン。最初はインバウンドを強く意識した演出に見えましたが、実際のラーメンは華やかな空間とは対照的に、素材の良さと手仕事を積み重ねた丁寧な仕上がり。
これまでラーメン店を展開してきた集大成として、ラーメンをもう一歩先へ進めたい。そんな気持ちが伝わってくるような一杯でした。
普段からラーメンを食べ歩いている人にも試してほしい一軒です。見た目と中身のいい意味でのギャップ。伏見稲荷の路地裏で、少し意外な新店に出会いました。
店舗情報
店名:京別邸 鶏雫
住所:京都市伏見区深草開土町1番地 Concon伏見稲荷B棟
営業時間:8:00~10:30、11:00~18:00(L.O.17:00)
定休日:不定休
https://www.instagram.com/torishizuku.miyakobettei/
住所:京都市伏見区深草開土町1番地 Concon伏見稲荷B棟
営業時間:8:00~10:30、11:00~18:00(L.O.17:00)
定休日:不定休
https://www.instagram.com/torishizuku.miyakobettei/