セブン商店街の新会長はフルート奏者
長岡天満宮のお膝元
セブン商店会は、霧島つつじのアーチや紅葉の名所として知られる長岡天満宮のお膝元、阪急長岡天神駅から北に続く、7の形をしたセブン通りを中心とした周辺の商店会です。かなりの広範囲に亘りますが、商店ばかりではなく、周りにマンションや住宅が多数混在する特徴的な商店街です。この地域は、戦国の世に、その生きざまを貫いた細川ガラシャ輿入れの里としても知られます。
林前会長から三井新会長にバトン
セブン商店会は、28店舗だった会員数が、ここ数年で78店舗に(4月25月日現在)と、なんと3倍増の大躍進をとげた全国的にも例を見ない商店会です。その勢いのある商店街中に2022年の4月25日、さらなる衝撃が走りました。38歳で2児のママ、フルート奏者の三井奈美さんが前任の林定信会長からバトンを受け継ぎ、新しい商店会長に選出されたからでした。
セブン商店会の三井奈美新会長
三井さんがフルートを吹き始めたのは、出身の福井県敦賀市で通っていた中学生のころ、学校では打楽器をしていたのですが、家に持ち帰れないため、家でもできる楽器をとお年玉でフルートを買ったのがきっかけでした。以後はどんどんその魅力にのめりこみ、「フルートで学校に行く」ことを決意します。その後、東京の武蔵野音楽大学へ、マスタークラスを経て、もっと勉強したいとパリへ留学しました。クレテイユ市、オールネイスボア市の国立音楽学校を卒業します。
やさしいクラッシクサロンのレッスンで
帰国後、実家の近い京都市内に戻ってライブハウスへ勤めたり、チャペルの専属奏者などをしていましたが、9年前家を買って、長岡京市のセブン通りへ越してきました。子育てに追われる日々を経て、5年前、自宅の1Fで看板を出しました。7歳と4歳のママとして頑張りながら、音楽教室を続けています。
商店会のお店紹介YouTubeで広報活動
そんな三井さんが商店会に関わりだしたのは、4年前、当初は「ほんとにメリットあるのかなあ」と疑心暗鬼の入会でしたが、近隣のママさんたちと参加したハロウインや音楽パレードが楽しくて、次の年から理事として広報などに取り組みます。セブン商店会のいいところは「これやってみたいといったら自由にさせてくれるところ」なんだそう。しかし、新型コロナの猛威が商店街にも三井さんの周りにも襲います……。
via www.youtube.com
順調だった教室も休業し、アーティストへの仕事はまったく入ってこない状況に追い込まれます。そんな時、励まし、様々な形で支援してくれたのが、商店街とその仲間たちでした。「普段目立ってあるわけじゃないけど、みんなで助け合う強い絆を感じた」と言います。
via www.youtube.com
三井さんが、地域への恩返しも含めて2021年に始めたのが、長岡京市記念文化会館内にあるpoco a pocoで、ゲストとともに毎月開催する「やさしいクラシックコンサートサロン」です。「コーヒーを飲む感覚で生活に密着した音楽、気さくなクラッシックをを届けたい。」と言います。ポピュラーな曲も演奏したり、曲の魅力や奏者の普段の話などのトークも好評で、この5月で12回目を数えます。
商店会長へ立候補
商店街の役割が変化してきている中で、セブン商店街は、これまで、会員数の躍進のみならず、女性理事が半数をしめ、地域の住民や、企業、行政、外部とのつながりを強めるなどの発展をしてきました。今回の総会以降、さらにアドバイザリーボードに各分野の専門家や企業などの外部委員を加え、サポーターを公募するなどの新たな取り組みが始まります。そんな中、三井さんは、「これまでの恩返しと、つながる地域コミュニティーとしての商店会の役割を果たしたい。この指とまれのこの指は自ら上げたい」と、商店会としては50年ぶりとなる会長への「立候補」を決意しました。
商店会総会で挨拶する三井奈美セブン商店会新会長
「セブン商店会の魅力を発信して、どんどんファンを増やしたい。商店街を拠点に地域の人も住みやすい楽しい街にしていきたい。ママさんでもここまでできるんやというのを見せたいたいんです」と抱負を語ってくださいました。
基本情報
セブン商店会ホームページ
長岡京市セブン商店会の公式ホームページです。人と人をつなぐ商店会を目指しています。