世界一から京都へ!京都で挑む新たなイタリア料理
御所南エリア、堺町通押小路上ル。2026年4月にオープンしたイタリア料理店「Da YUGE」。イタリア料理好きや料理動画をよく見る方なら、店名を見てピンときたかもしれません。
東京サローネグループの本店「サローネ2007」で料理長を務め、2019年にはパスタメーカー・バリラ社主催の国際大会で優勝した世界チャンピオン。さらに料理系YouTuberとしても人気を集める弓削啓太シェフが、満を持して独立し京都に自身のレストランをオープンしました。
実は年末に弓削シェフとプライベートでお会いする機会があり、自身も以前からファンだったこともあって、オープンを心待ちにしていました。
東京サローネグループの本店「サローネ2007」で料理長を務め、2019年にはパスタメーカー・バリラ社主催の国際大会で優勝した世界チャンピオン。さらに料理系YouTuberとしても人気を集める弓削啓太シェフが、満を持して独立し京都に自身のレストランをオープンしました。
実は年末に弓削シェフとプライベートでお会いする機会があり、自身も以前からファンだったこともあって、オープンを心待ちにしていました。
via 弓削シェフのfacebookより
オープンまでの間には、ミシュランガイド三つ星、日本料理の名店「祇園さゝ木」で研修を重ねたそうです。
弓削シェフいわく、「イタリア料理と日本料理は近い」とのこと。食材の持ち味を引き出す、引き算の美学のような考え方に共通点を感じていたそうで、ご縁もあり「祇園さゝ木」で研修させてもらうことになったそうです。
京都食材を多用したり、日本料理の技法を安直に取り入れたりするのではなく、その真髄を自分の中に落とし込み、京都らしさ・美意識を宿したイタリア料理として表現したいとお話しされていたのが印象的でした。
弓削シェフいわく、「イタリア料理と日本料理は近い」とのこと。食材の持ち味を引き出す、引き算の美学のような考え方に共通点を感じていたそうで、ご縁もあり「祇園さゝ木」で研修させてもらうことになったそうです。
京都食材を多用したり、日本料理の技法を安直に取り入れたりするのではなく、その真髄を自分の中に落とし込み、京都らしさ・美意識を宿したイタリア料理として表現したいとお話しされていたのが印象的でした。
店舗は京町家を大胆にリノベーション。店内は広い内庭を望む、開放感のある和の空間。広々としたフラットなオープンキッチンを囲むようにL字型のカウンター席のみを設けています。料理人の一挙手一投足まで楽しめる、ライブ感あふれる空間です。
営業は完全予約制のディナーのみ。提供するのは、おまかせ約10品のコース(22,000円・税込・サービス料別)です。
営業は完全予約制のディナーのみ。提供するのは、おまかせ約10品のコース(22,000円・税込・サービス料別)です。
単身で京都へ移り住み、スタッフとともに新たな挑戦を始めた弓削シェフ。今回はコースの中から、弓削シェフのエッセンスを体現した料理を3品ご紹介します。
京都らしさを落とし込んだ新しいイタリアン
まずは冷製パスタ。
メニューには「サメ」とだけ記されていますが、気仙沼産モウカザメで引いただしに、カッペリーニ、キャビア、カモミールを合わせた一皿です。
メニューには「サメ」とだけ記されていますが、気仙沼産モウカザメで引いただしに、カッペリーニ、キャビア、カモミールを合わせた一皿です。
冷製パスタにキャビアという組み合わせは珍しくありませんが、食材同士がかみ合っていないと感じることもしばしば。しかし、この一皿は違いました。
サメのソースと昆布締めしたキャビアは、驚くほど自然な一体感を生み出しています。そこへカモミールの爽やかな香りが重なり、軽やかな余韻を残します。
サメのソースと昆布締めしたキャビアは、驚くほど自然な一体感を生み出しています。そこへカモミールの爽やかな香りが重なり、軽やかな余韻を残します。
この組み合わせは、和食の「親子丼」から着想を得たそうです。
使用する麺はカッペリーニ。極細麺ならではのなめらかな喉越しと、しっかりとしたコシが特徴で、キャビアもよく絡みます。
さらに器も、この料理のために選んだというもの。料理と器が見事に調和した、美しい前菜でした。
使用する麺はカッペリーニ。極細麺ならではのなめらかな喉越しと、しっかりとしたコシが特徴で、キャビアもよく絡みます。
さらに器も、この料理のために選んだというもの。料理と器が見事に調和した、美しい前菜でした。
続いてご紹介するのは、評判の魚料理。京都では「ぐじ」とも呼ばれる甘鯛を定番のうろこ揚げに。
さらに炭火で軽く炙ることで、香ばしさをまとわせています。
ここまでは定番かと思いきや、仕立てはまさかのお椀風。
日本料理の花形ともいえる椀物から着想を得た一皿で、和の器も相まって、どこか親しみを感じさせます。
そして、そのスープはなんとアクアパッツァ。
本来は魚や貝、トマト、ケッパーなどを煮込んだ白濁した料理ですが、フレンチのコンソメの技法を応用し、卵白などで不純物を取り除いて澄んだスープに仕立てています。
日本料理の花形ともいえる椀物から着想を得た一皿で、和の器も相まって、どこか親しみを感じさせます。
そして、そのスープはなんとアクアパッツァ。
本来は魚や貝、トマト、ケッパーなどを煮込んだ白濁した料理ですが、フレンチのコンソメの技法を応用し、卵白などで不純物を取り除いて澄んだスープに仕立てています。
口に含むと、魚介や野菜の複雑な旨味が幾重にも重なり、まさにアクアパッツァの味わい。それでいて、透明感のあるスープとして表現されていることに驚かされます。
お椀のような安心感がありながら、イタリア料理として成立している。日本料理への理解を感じさせる、弓削シェフらしい一皿でした。
お椀のような安心感がありながら、イタリア料理として成立している。日本料理への理解を感じさせる、弓削シェフらしい一皿でした。
そして、イタリア料理、弓削シェフを語るには欠かせないのがパスタ。この日は自家製タリオリー二。細めの平打ちパスタで、小麦の風味ともちっとした食感が魅力です。
合わせるのは、オマール海老から旨味を引き出したソース。仕上げにトリュフを少量削ります。
香りの強いトリュフですが、あくまで脇役。海老の風味を邪魔することなく、ほのかな香りを添えています。海老とキノコは、イタリア・プーリア地方では親しまれている組み合わせだそうです。
香りの強いトリュフですが、あくまで脇役。海老の風味を邪魔することなく、ほのかな香りを添えています。海老とキノコは、イタリア・プーリア地方では親しまれている組み合わせだそうです。
芳醇なオマール海老の旨味と香り、トリュフの芳香、そしてタリオリーニのもちもちとした食感。それぞれの要素が幾重にも重なり、計算された一皿に仕上がっていました。
見た目はシンプルながらも、複雑に設計されたパスタは、さすがの一言でした。
見た目はシンプルながらも、複雑に設計されたパスタは、さすがの一言でした。
王道を押さえながらも、ゲストに驚きや余白を感じさせる料理。素材の個性を際立たせながら、全体として美しく調和させる、そのバランス感覚が印象的でした。
京都には「和イタリアン」「京都イタリアン」と呼ばれる名店も数多くありますが、「Da Yuge」はまた異なるアプローチを見せてくれます。
日本料理を学び、その本質を自らのフィルターを通してイタリア料理へ昇華する。そんな弓削シェフの挑戦が、京都のイタリア料理シーンに新たな風を吹き込んでくれそうです。
京都には「和イタリアン」「京都イタリアン」と呼ばれる名店も数多くありますが、「Da Yuge」はまた異なるアプローチを見せてくれます。
日本料理を学び、その本質を自らのフィルターを通してイタリア料理へ昇華する。そんな弓削シェフの挑戦が、京都のイタリア料理シーンに新たな風を吹き込んでくれそうです。