【京都和菓子】五条の住宅街に佇む地元密着の名店 老舗七味店にルーツを持つ「甘仙堂」

五条烏丸の静かな住宅街に、そっと溶け込む町の和菓子店「甘仙堂」。老舗・原了郭もルーツを持つ名店で、名物のまんじゅうと季節の水無月を楽しみました。

目次

住宅街に佇む地元密着の和菓子店

オフィスビルやホテルが立ち並ぶ五条烏丸エリア。少し路地に入ると、静かな住宅街が広がり、どこかホッとするような落ち着いた雰囲気に包まれます。

今回ご紹介するのは、五条東洞院を南に下ったところにある和菓子店「甘仙堂」。
まさに街に馴染んだ、地元密着の昔ながらのお店です。

店頭のショーケースには、若鮎、田舎まんじゅう、よもぎ餅、栗餅など、定番の和菓子がずらり。
季節の和菓子「水無月」も黒糖・プレーン・抹茶の3種類が揃います。
いずれの和菓子も200円前後と手に取りやすい価格です。

このほか、予約制で赤飯も販売されています。店内で作業されていることが多いので、購入時は呼び鈴を押してみてください。

店頭で目を引いたのが、老舗「原了郭」の黒七味。
気になってお店の方に伺うと、実は「甘仙堂」は原了郭の分家筋にあたり、近隣の方からの要望もあり、祇園まで行かずとも購入できるよう取り扱っているとのこと。ネットにもあまり出ていない、驚きのエピソードです。

店内のあちこちからは、長い歴史と職人の誇りを感じます。
全国菓子大博覧会での金賞受賞や、「労働大臣認定 和菓子製造一級技能之章」など、その技術力は折り紙付きです。

今回は、名物の「田舎まんじゅう」と季節の「水無月(プレーン)」を購入しました。

田舎まんじゅうは、薄皮で粒あんがぎっしり詰まった昔ながらの一品。

皮はしっとりと薄く、中の粒あんは甘さ控えめで、豆の風味がしっかり。ほっとする素朴な美味しさで、何個でも食べたくなる味わいです。

京都発祥の水無月は、ういろう生地に甘く煮た小豆をのせ、三角形に切り分けた形が特徴です。
6月30日に行われる「夏越の祓(なごしのはらえ)」に合わせ、小豆で邪気を払い、氷に見立てた三角形で暑気払いを願う、風情ある和菓子のひとつです。

むっちりとしたういろうの食感に、程よい甘さの小豆が絶妙にマッチ。まさに、季節の美味しさを感じられるお菓子でした。

地元の方々に長年愛されてきた「甘仙堂」。和菓子とともに、季節の移ろいを楽しんでみてはいかがでしょうか。

店舗情報

店名:甘仙堂
住所:京都市下京区東洞院通五条下ル和泉町525
営業時間:8:30 - 17:30