旧東海道をつなぐ「三条白川橋」
東山区、三条通り。かつて江戸時代には、江戸と京都を結ぶ大動脈『東海道』だった通り。今では自動車がせわしなく行き来してますが、その時代の名残りを感じる文化財や史跡が今でも随所にあります。
その途中にある三条通りを横切って流れる白川。比叡山南麓の山中を源とし、全長は9.3kmある一級河川。川底に白川砂が堆積し白く輝いたことから、その美しさを称えられ、藤原定家、紀貫之などの和歌にも歌われました。
そんな白川に架かる古い三条白川橋。橋の南側川沿いには柳並木の風情ある景観が楽しめ、京都らしさを演出するスポットでもあり、多くの観光客がそぞろ歩きする場所。
その橋の南東側脇に年季の入った石造りの道標。延宝六戊午三月吉日は延宝6年(1678年)3月に建てられ、京都市の登録史跡になっています。京都にある道標の中では最古。石柱には『是よりひだり ちおんゐんぎおんきよ水みち』と彫られています。
それにしても衝撃なのが、この真新しい橋。三条白川橋です。まぎれもなく。
令和3年より改修工事が行われたようです。
令和3年より改修工事が行われたようです。
欄干部分もこのような状態に。
耐震性を兼ね備え、痛んだ箇所の補修と補強、さらに以前よりこの高欄部分を高くしたそうです。橋を渡る人の転落防止に備えて。
耐震性を兼ね備え、痛んだ箇所の補修と補強、さらに以前よりこの高欄部分を高くしたそうです。橋を渡る人の転落防止に備えて。
そして、この六角形模倣のデザインはそのまま残しつつ、コンクリートで作り直したとか。それにしても、以前の古びた橋がちょうど景観にも合っていたので、正直残念な思いもあります。
ちなみに工事前の様子がこちら。ちょうど最古の道標とともに、この景観に合った渋さを醸していたんですが。
白川自体はいつもの柳並木の涼やかな雰囲気ですが。その先にある一本橋は健在。
こういうのも、時間が経てば鄙びてきて、元々の白川橋のような雰囲気に追いつくんだろうとは思いますが、それにしてもなんとも無機質な様子。
令和に入り、様々な場所で改修工事が行われ、安全性重視と言いつつ、その景観が変わりつつあるような。そんなことをこの橋を見て感じさせられました。
詳細情報
名称:三条白川橋
場所:京都府京都市東山区大井手町交差点
場所:京都府京都市東山区大井手町交差点