里の奥にたたずむフレンチレストラン
■柿の実る里を抜けて、隠れ里へ
via 京都西山旅感 HOTSUU 撮影
幹線道路を外れ、柿畑と竹林のあいだを縫う細い道を上っていくと、ふっと街の音が消えます。西山の道を知り尽くした日髙さんのハンドルさばきに身を任せ、里山の景色に見入るうちに到着しました。たどり着いたのは、古い母屋の奥にたたずむ一棟の蔵。案内がなければ、まず見つけられない場所です。
筆者はこの大枝の街道筋を長年取材してきました。店の存在はずっと気になっていたものの、敷居の高さを感じて足が向かなかったのが正直なところです。それだけに、蔵の扉の前に立ったときの高揚感はひとしおでした。
店内に入ると、壁も柱も昔のままの姿で残されています。オーナーシェフの荒川伸也さんによると、蔵は築70年以上。手入れの行き届いた梁が頭上を走り、ひんやりとした空気のなかに、どこか懐かしい落ち着きが漂います。営業は完全予約制。お任せのコースを、7席のカウンター越しに一皿ずつ味わうスタイルです。
筆者はこの大枝の街道筋を長年取材してきました。店の存在はずっと気になっていたものの、敷居の高さを感じて足が向かなかったのが正直なところです。それだけに、蔵の扉の前に立ったときの高揚感はひとしおでした。
店内に入ると、壁も柱も昔のままの姿で残されています。オーナーシェフの荒川伸也さんによると、蔵は築70年以上。手入れの行き届いた梁が頭上を走り、ひんやりとした空気のなかに、どこか懐かしい落ち着きが漂います。営業は完全予約制。お任せのコースを、7席のカウンター越しに一皿ずつ味わうスタイルです。
■皿の上で起きる「一期一会」
via 京都西山旅感 HOTSUU 撮影
荒川さんの料理は、15品以上の野菜を使う創作フランス料理。出汁をたっぷりと活かした京都らしい仕立てで、ナイフとフォークのほか箸でもいただけます。献立は季節と仕入れで毎回変わりますが、初めて訪れた初秋の日には、こんな皿が並びました。
すだちでマリネした大ぶりのエビを出汁のジュレで包んだ前菜。続いて、ピーマンを驚くほどなめらかなムースに仕立てた一品。宮崎・霧島の山中で淡水養殖されたサーモンは、ケッパーとオニオンでマリネしてズッキーニで巻き、ブラックオリーブとトマトの2色のソースに、ディルの花まで添えられています。「全部食べられますので」と言われても、ナイフを入れるのがためらわれるほどの美しさです。
すだちでマリネした大ぶりのエビを出汁のジュレで包んだ前菜。続いて、ピーマンを驚くほどなめらかなムースに仕立てた一品。宮崎・霧島の山中で淡水養殖されたサーモンは、ケッパーとオニオンでマリネしてズッキーニで巻き、ブラックオリーブとトマトの2色のソースに、ディルの花まで添えられています。「全部食べられますので」と言われても、ナイフを入れるのがためらわれるほどの美しさです。
食べる手が止まらず、気づけば無我夢中。
via 京都西山旅感 HOTSUU 撮影
枝豆、オクラ、アスパラガスとうなぎを重ねた一皿には、ヨーグルトのソースとバルサミコ酢。「うなぎとすごく相性がいいんです」というシェフの言葉どおり、意外な組み合わせが口のなかで見事にまとまります。
バターナッツかぼちゃのポタージュには生ハムとピンクペッパー、レモン風味のオリーブオイル。魚料理は高級魚のオオモンハタを、玄米のリゾットとモロヘイヤのソースで。パンもシェフ自らが焼き上げたものでした。
「まだ未熟なだけです」と謙遜する荒川さんですが、食べる手が止まらず、気づけば無我夢中。思わず「芸術作品以外の何物でもない」と声が漏れました。
バターナッツかぼちゃのポタージュには生ハムとピンクペッパー、レモン風味のオリーブオイル。魚料理は高級魚のオオモンハタを、玄米のリゾットとモロヘイヤのソースで。パンもシェフ自らが焼き上げたものでした。
「まだ未熟なだけです」と謙遜する荒川さんですが、食べる手が止まらず、気づけば無我夢中。思わず「芸術作品以外の何物でもない」と声が漏れました。
■世界の海を渡ったシェフが、なぜこの地に
via 京都西山旅感 HOTSUU 撮影
荒川さんはかつて、クルーズ客船の料理人として世界を巡っていました。出港時に食材を積み込み、限られた材料を見極めて献立を組み立てる。その経験が、全国の生産者から直接仕入れた旬の食材で、その日にしか作れない一皿を生み出す今のスタイルにつながっています。店が掲げる言葉は「人も食材も出会いは一期一会」。開業して3年目を迎えました。
客船ではパンやデザートは専門のスタッフが担っていたため、開業にあたって一番心配したのはデザートだったと荒川さんは笑います。若い修業時代の経験を頼りに、パンもデザートも一人で手がける日々。パン専用のオーブンがない中で、小麦の種類を変えながら試行錯誤を重ねているそうです。
客船ではパンやデザートは専門のスタッフが担っていたため、開業にあたって一番心配したのはデザートだったと荒川さんは笑います。若い修業時代の経験を頼りに、パンもデザートも一人で手がける日々。パン専用のオーブンがない中で、小麦の種類を変えながら試行錯誤を重ねているそうです。
大海原を知るシェフ
via 京都西山旅感 HOTSUU 撮影
観光地の喧騒から離れ、疲れた人が心をほどきに来られる場所が、西山にはまだたくさん隠れています。にぎやかな名所とは違う、静かな里山の豊かさ。この店は、その魅力を一皿で教えてくれる存在です。
大海原を知るシェフが、京都の西の端、柿の実る里山の蔵に腰を据えた。その巡り合わせこそが、この店のいちばんの「奇跡」なのかもしれません。帰り道、夕日を受けた柿の実が、ひときわ鮮やかに見えました。
大海原を知るシェフが、京都の西の端、柿の実る里山の蔵に腰を据えた。その巡り合わせこそが、この店のいちばんの「奇跡」なのかもしれません。帰り道、夕日を受けた柿の実が、ひときわ鮮やかに見えました。
レストラン遊儘庵
via 京都西山旅感 HOTSUU 撮影
店舗情報
店名:レストラン遊儘庵
住所:京都市西京区大枝西長町3-165
営業時間:ランチ11:30~、ディナー17:30~
定休日:不定休
料金:ランチおまかせコース8,000円、ディナーおまかせコース13,000円、平日限定お手軽ランチ5,000円(いずれも税込)
予約:完全予約制(電話 075-874-3363 またはWebサイトのお問い合わせフォーム)
駐車場:3台
Webサイト:https://www.yuzinan.jp/
住所:京都市西京区大枝西長町3-165
営業時間:ランチ11:30~、ディナー17:30~
定休日:不定休
料金:ランチおまかせコース8,000円、ディナーおまかせコース13,000円、平日限定お手軽ランチ5,000円(いずれも税込)
予約:完全予約制(電話 075-874-3363 またはWebサイトのお問い合わせフォーム)
駐車場:3台
Webサイト:https://www.yuzinan.jp/