ラテン音楽の一種?蹴上インクラインに残る京都レトロ建築『ねじりまんぽ』

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は地下鉄蹴上駅にもほど近い場所にある蹴上インクライン。そのインクラインにある明治時代のレトロ建築。

目次

明治時代に建てられたレトロな『ねじりまんぽ』とは?

東山区、蹴上三条通沿い。蹴上といえば、長さ582メートルにわたる傾斜鉄道跡で、その長さは世界最長と言われる『蹴上インクライン』のある場所。四季折々でその景色を変え、春には多くに観光客が線路上を歩きながら桜を鑑賞する人気スポットでもあり。時には結婚式の新郎新婦が記念撮影するスポットでもあり。

この日は早朝でまだ観光客もおらず晴天にも恵まれ、彼方には五山送り火の一つ船形山も微かに見えました。

そんなインクライン下。かなり古い佇まいのレトロなレンガ造りトンネル『ねじりまんぽ』があります。よく空耳で、それってどんなジャンルのラテン音楽?と思われがちですが、『マンボ』ではなく『まんぽ』です(笑)

ねじったまんぽ、つまりはアーチ部を斜めにねじって積まれる構造のトンネル『斜拱渠(しゃきょうきょ)』のことを指し、コンクリート構造物が発達する大正時代以前に建てられた歴史的建造物がこちら。

その名の通り、まるで渦を巻いたように積まれたレンガがアーチ状空間をつくるトンネルになっており、このような遺構は他でも残っている場所はありますが、特に関西では旧国鉄東海道本線の敷設工事などで見られる工法。ですが、鉄道以外の場所で見られるのは希少なんだとか。

このようにトンネル自体を斜めに通すことと、内壁のレンガをらせん状にすることによって、上部を走行する台車の重みにも耐えうるような構造上の強度も増すんだとか。

ここを抜けると南禅寺につながり、この渦巻構造と相まって、いつもワープする感覚で通る近道コース。

ちなみに余談ですが、こちら左京区岡崎にある有名イタリアンレストラン『チェンチ』では、ねじりまんぽのエントランスがある珍しいお店。店内に再現してしまうとは凄いですね(笑)

さらに、こちらのねじりまんぽの頭上には、その当時京都府知事を務めた北垣国道が揮ごうした扁額があり、こちら東口には「陽気発処(ようきはっするところ)」と書かれ、精神を集中して物事を行えばどんな困難にも打ち勝つことができる、という意味。

さらに、西口には「雄観奇想(ゆうかんきそう)」の扁額。見事なながめとすぐれた考えである、という意味。琵琶湖疎水に建てられたトンネルには、他にもこんな扁額が掲げられ、詳細については琵琶湖疏水記念館でも紹介されています。

ねじりまんぽは京都市内の山々をぐるっと一周できる『京都一周トレイル』のコースもなっていて、時折登山姿の方も行き来されていました。

登山コースにもこんなレトロな明治建築が組み込まれ、行楽シーズンには建物めぐりも兼ねて散策してみたいですね。

詳細情報

名称:ねじりまんぽ
場所:京都市東山区東小物座町