地元出身の三代目が手がける、本格寿司の隠れ家
世界中から観光客が押し寄せる伏見区の伏見稲荷神社。京都にお住まいの方は、あまりの混雑ぶりに最近は足が遠のいてしまっているスポットかもしれません。
伏見稲荷周辺は、歴史ある老舗とインバウンド向けの店舗が混在し、少しカオスな雰囲気も。
裏参道、伏見稲荷参道茶屋と日野商店の間にある細い路地の奥に、正統派の寿司店がひっそりとオープンします。正式オープンは2025年12月1日。今回はプレオープン中に伺いました。
気をつけないと見逃してしまうほどの隠れ家です。
裏参道、伏見稲荷参道茶屋と日野商店の間にある細い路地の奥に、正統派の寿司店がひっそりとオープンします。正式オープンは2025年12月1日。今回はプレオープン中に伺いました。
気をつけないと見逃してしまうほどの隠れ家です。
細い路地の突き当たり右手に誕生したのが「京都 鮨 松廣(まつひろ)」。
創業60年、伏見の名店「京料理・寿司 松廣」の三代目が、同じ伏見の地で新たに立ち上げた寿司店です。歴史ある京町家を大胆にリノベーションした店内が特徴です。
インバウンド向けの店が増える伏見稲荷エリアで、地元の職人による正統派の鮨店が誕生したことを、とても嬉しく感じます。
創業60年、伏見の名店「京料理・寿司 松廣」の三代目が、同じ伏見の地で新たに立ち上げた寿司店です。歴史ある京町家を大胆にリノベーションした店内が特徴です。
インバウンド向けの店が増える伏見稲荷エリアで、地元の職人による正統派の鮨店が誕生したことを、とても嬉しく感じます。
一階は、舞台のようなコの字型カウンター席のみ。
木のぬくもりが心地よい空間です。
二階にも部屋があり、今後は体験の場としても活用できないか、さまざまな構想があるとのこと。
木のぬくもりが心地よい空間です。
二階にも部屋があり、今後は体験の場としても活用できないか、さまざまな構想があるとのこと。
満足度の高いおまかせコース
厨房に立つ北倉さんは、ご実家の「京料理・寿司 松廣」だけでなく、名店「木乃婦」でも修行を重ねた実力派。同世代でも注目されている職人です。
名店仕込みで、鮨だけでなく蒸し物や八寸など日本料理から始まり、鮨に着地する構成。十分な満足度のある内容でした。
今回はおまかせランチをご紹介します。予算はお酒を少し頂いて、一万円前後です。
名店仕込みで、鮨だけでなく蒸し物や八寸など日本料理から始まり、鮨に着地する構成。十分な満足度のある内容でした。
今回はおまかせランチをご紹介します。予算はお酒を少し頂いて、一万円前後です。
1品目は、こっぺがにの飯蒸し。
かに出汁の餡とごはん、こっぺがにの一体感がよく、こっぺがにの身や卵、みそを堪能できる贅沢な一皿です。この後の料理への期待が高まります。
かに出汁の餡とごはん、こっぺがにの一体感がよく、こっぺがにの身や卵、みそを堪能できる贅沢な一皿です。この後の料理への期待が高まります。
日本酒は地元・伏見を中心にセレクト。
こちらは増田徳兵衛商店の「塩鯛」。京都独自の酒米「祝」100%の純米吟醸で、料理の美味しさを引き立てる食中酒です。
こちらは増田徳兵衛商店の「塩鯛」。京都独自の酒米「祝」100%の純米吟醸で、料理の美味しさを引き立てる食中酒です。
使用されているお重は、松廣から譲り受けたもので、東海道五十三次が描かれています。店の歴史を感じられ、感慨深いものがあります。
2品目は、季節の彩りが美しい八寸です。
かます寿司、おひたし、柿の白和えなど、どれも丁寧に仕上げられており、心がほどけるようです。
かます寿司、おひたし、柿の白和えなど、どれも丁寧に仕上げられており、心がほどけるようです。
3品目のお造り盛り合わせ、はマグロ、ブリ、イカ。
あしらいも美しく、咀嚼の流れまで計算された切り出しで、特にブリの旨みには感心しました。脂はしっかりとのっているのに、しつこさのない味わい。技術の高さ、目利きの良さも伝わってきます。
あしらいも美しく、咀嚼の流れまで計算された切り出しで、特にブリの旨みには感心しました。脂はしっかりとのっているのに、しつこさのない味わい。技術の高さ、目利きの良さも伝わってきます。
4品目は、秋冬の定番、蕪蒸し。滋味深いほっとする美味しさで、本わさびがアクセントになり、旨みがより引き立ちます。
中にはごろっと柔らかい鮑も入っていて、贅沢な蕪蒸しです。
日本料理を存分に楽しんだ後は、鮨がスタート。前半でここまで満足度が高いと、この先が楽しみになります。
日本料理を存分に楽しんだ後は、鮨がスタート。前半でここまで満足度が高いと、この先が楽しみになります。
松廣の初代、二代目ともに現代の名工を受賞。松廣の代名詞のひとつである細工寿司から鮨が始まりました。
イカの寿司の仕込みをしているかと思いきや、手前のきゅうりの切れ端のように見えたものは細工寿司のパーツ。
イカの寿司の仕込みをしているかと思いきや、手前のきゅうりの切れ端のように見えたものは細工寿司のパーツ。
初代からの思いが詰まった一貫。
ミリ単位の作業を重ね、出来上がったのは鶴を模した縁起の良い細工寿司。食べるのが惜しいほどの美しさでした。
ミリ単位の作業を重ね、出来上がったのは鶴を模した縁起の良い細工寿司。食べるのが惜しいほどの美しさでした。
続くアジは食感がよく、さっぱりとした味わい。薬味がよく効いています。
シャリはほどよい酸味があり、ほろっとほぐれるようで、粒感も残るバランスのよい仕上がり。
シャリはほどよい酸味があり、ほろっとほぐれるようで、粒感も残るバランスのよい仕上がり。
サバは厚みが増し脂ものる時期。京都の名物も堪能できます。
本鮪特有、濃い旨みが楽しめる赤身。
上品な脂の旨みがあり、余韻が残る美味しさの本鮪トロ。
甘エビはねっとりとした旨みで、テンポよく握りが続きます。
寿司の締めは玉子。何層にも重ね、中は焼き目をつけずトロ火で丁寧に、外はパリッと。30分かけて焼き上げる職人技で、やさしい甘みが口いっぱいに広がります。
赤だしとお茶で一息つき、食後の甘味は自家製抹茶アイスを挟んだ最中。
専用アイスマシンで直前に作るため、濃厚なのに軽やかな口当たり。参道で売ってほしいと思うほどでした。
正式オープン後、料理内容はマイナーチェンジされると思いますが、さらによくなる気しかしません。
正式オープン後、料理内容はマイナーチェンジされると思いますが、さらによくなる気しかしません。
過渡期の伏見稲荷エリアにおいて、地元出身の職人が立ち上げた本格鮨店。
伏見稲荷の“ついで”ではなく、この店を目的に訪れたい一軒です。深草の本店同様、長く愛される店になってほしいと思います。
伏見稲荷の“ついで”ではなく、この店を目的に訪れたい一軒です。深草の本店同様、長く愛される店になってほしいと思います。
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店舗情報
店名:京都 鮨 松廣
住所:〒612-0806 京都府京都市伏見区深草開土町1 ConCon 伏見稲荷 C棟
営業時間:11:00〜15:00 / 18:30〜
オープン日:2025年12月1日
https://www.instagram.com/kyoto_sushi_matsuhiro/
住所:〒612-0806 京都府京都市伏見区深草開土町1 ConCon 伏見稲荷 C棟
営業時間:11:00〜15:00 / 18:30〜
オープン日:2025年12月1日
https://www.instagram.com/kyoto_sushi_matsuhiro/