薬用・有用植物3000種以上を栽培する穴場の植物園
この山科植物資料館は1934年(昭和9年)、同社の回虫駆除剤サントニン原料となるミブヨモギの『山科試験農場』としてスタートし、1953年(昭和28年)に本館を増築し『山科薬用植物研究所』が開設。1994年(平成6年)に今の名称になり、これまで50年以上にわたり収集された世界の薬用、有用植物を栽培し、現在では3000種以上に及び、歴史のある施設。なので、通常の植物園とは違う、医薬品や機能性食品の原料となる植物を中心に栽培され、日常生活にもゆかりある植物だったり身近に感じることができます。
館内は、大温室、ビオトープ、見本園、シダ園などに分かれ、見学。
館内は、大温室、ビオトープ、見本園、シダ園などに分かれ、見学。
まずはセミナールームにて、山浦館長から会社のこれまでの歩み、資料館の説明を受けます。
その後、館内を案内していただきます。
こちらが同社の主力商品となった回虫駆除剤サントニンの原料となるミブヨモギ。今となっては考えられませんが、当時の日本では食品衛生上の整備が未熟だったため、腸に寄生する回虫をお腹に飼ってる人が多かったんですね(笑)
ミブヨモギは、通常草餅に入っているヨモギとは似て非なる形状。もともとヨーロッパ原産の雑草だったそうで、そこに薬効成分があることがわかり、日本で栽培をはじめられたんだとか。
ミブヨモギは、通常草餅に入っているヨモギとは似て非なる形状。もともとヨーロッパ原産の雑草だったそうで、そこに薬効成分があることがわかり、日本で栽培をはじめられたんだとか。
まずは大温室。熱帯の薬用植物、果樹などの有用植物があります。
香木ビャクダン、胡椒、バニラ、コーヒー、カカオ、パピルス紙の原料となる木など、実際葉や木を嗅いだり、果実を食べたり、見るだけじゃない体験もできます。
温室を出て、周辺の見本園を見学。
こちらはこれからシーズンを迎えるショウブ。花ショウブと菖蒲湯に入れる葉ショウブは違う品種なんだとか。
こちらはこれからシーズンを迎えるショウブ。花ショウブと菖蒲湯に入れる葉ショウブは違う品種なんだとか。
ビオトープ。京都府に自生する絶滅危惧種となる植物50種類を栽培。京都の歴史を知る植物たち。
クチナシの花の甘い香りと実の試食も。
かつては石鹸代わりに使っていたという、サボンソウ。
これも試食あり。ユスラウメ。この辺りは梅園になってました。
知床岬でおなじみのハマナス。オレンジの果実とショッキングピンクの蕾がありました。開花間近。
これ印象的でした。南ヨーロッパから北アフリカに分布するコルクガシ。幹はコルクとして使われ、さらにこの長粒のどんぐりはイベリコ豚のエサに。SDGsやなぁ。
見本園は3つに分かれ、それぞれ芝地に枠を設けて栽培。
ちょっと珍しい枝垂れ状の桑の木。そして、桑の実は試食。たまに産直市場で見かけたり。
この界隈はハッカ類。ミントです。
キョウオウ、春ウコンですね。
アーティチョークも花開くとこんな。
なんかわさわさ茂ってますが、アスパラガス。アスパラギン酸のもと。
漢方薬でもおなじみのトウキ。セリ科の花の可憐さよ。ウイキョウも。
漢方や甘味料にも使われるカンゾウ(甘草)。根の部分にその成分が集中するため、根を伸ばす栽培法。噛んでみるとほのかな甘みを感じます。
ハマボウフウ(浜防風)。料亭などでたまに薬味として添えらえてたり。
ヨモギエリア。ヨーロッパのハーブ酒・アブサンの原料となるニガヨモギやモグサ原料の伊吹山のヨモギ。
サヤトリダイコンという、サヤのできる大根。サヤ部分も不思議と大根の味。
茎部分の赤紫色でなんとなく想像できるビーツ。
今回、抜粋に抜粋を重ね、これでもコンパクトに編集しましたが、実際にはもっと膨大な種類の植物が栽培され、見学所要時間2時間もちょっと足りないくらいで(笑)その植物にまつわる背景や詳細説明を館長から受け、皆興奮気味に質問するなど、なかなか盛りだくさんな内容。
今回は初夏に訪れましたが、季節ごとにその見どころも違い、その都度訪れたいような、そんな植物の魅力にあふれる施設。見学無料の施設でもあり、最近のNHK朝ドラ『らんまん』効果で植物ブームの今こそ、ぜひ見学してほしい場所。かなりオススメです!
今回、抜粋に抜粋を重ね、これでもコンパクトに編集しましたが、実際にはもっと膨大な種類の植物が栽培され、見学所要時間2時間もちょっと足りないくらいで(笑)その植物にまつわる背景や詳細説明を館長から受け、皆興奮気味に質問するなど、なかなか盛りだくさんな内容。
今回は初夏に訪れましたが、季節ごとにその見どころも違い、その都度訪れたいような、そんな植物の魅力にあふれる施設。見学無料の施設でもあり、最近のNHK朝ドラ『らんまん』効果で植物ブームの今こそ、ぜひ見学してほしい場所。かなりオススメです!
普段は平日のみ開館し、予約をすれば誰でも無料で入館できる施設。この日電話で問い合わせたところ、たまたま休日に開催される見学会予定日で、空きがあったので急遽参加できることに。年に数回は休日開催もあるそうで、HPで随時開催告知されているとか。