京都が舞台の直木賞小説『八月の御所グラウンド』☆読書の秋に訪れたい京都人推し聖地巡礼!

おおきに~豆はなどす☆今回は京都を舞台にストーリーが展開する2023年直木賞受賞作品『八月の御所グラウンド』に登場するスポットを聖地巡礼。地元民目線でご紹介します!

目次

2023年直木賞受賞作品『八月の御所グラウンド』

中京区、地下鉄・京都市役所前駅構内のショッピング街・ゼスト御池にある書店『ふたば書房』。京都・滋賀を中心に店舗を展開する、昭和5年創業の京都では老舗の書店。この日は以前から気になっていた本があり、やってきました。

それがこちら。
2023年直木賞を受賞した作品『八月の御所グラウンド』。タイトルからもお察しですが、京都を舞台に展開する小説。

その著者・万城目学氏は京都で学生時代を過ごした経験もある方。これまでの万城目氏の作品では京都や大阪を舞台とする作品が代表作になっており、映画化もされた青春ファンタジー小説『鴨川ホルモー』など。私もかなり昔に鑑賞しましたが、京都の大学を舞台に、有名神社仏閣や見慣れた京都の街が登場する、京都を存分に堪能できる作品でした。

なので、今回の直木賞受賞作もどんな具合に京都がリンクするのか、と興味津々。店内には万城目氏のサインも飾られていました。そして1冊購入。

小説は『十二月の都大路上下(カケ)ル』『八月の御所グラウンド』の2本立て。ネタバレになってしまうので、ストーリーの詳細については明かせませんが、今回はそのうちの『八月の御所グラウンド』について深堀。本の帯にもあるように、作品は死んだはずの伝説の名投手とのプレーボール、感動&感涙の傑作青春小説。

そして、今回は小説の中で実際に登場する場所を聖地巡礼してみました。

石薬師御門

まずはご存じ、京都市民憩いのスポット『京都御苑』。京都御苑内に進入するには、歴史深いいくつかの御門を通るわけですが、そのうちの『石薬師御門』が物語に登場。

石薬師御門は、応仁の乱で焼失した神楽岡・真如堂の石薬師像から由来し、豊臣秀吉の政権下で聚楽第建設のためここ京極今出川に移転。その後本堂が焼失し再建されるも、元禄年間、東山天皇の命により再度現在地の神楽岡に移転。御門名や町名からかつてここに真如堂があったことを物語っています。

御所グラウンド

そして、物語の中心となる『御所グラウンド』。あまり知られていませんが、京都御苑にはこのような野球のできるグラウンドが2つ設けられ、そのうちのこちらは東北側、今出川広場にあるグラウンド。恐らく、小説の中に登場するのはこちらではないか、と。

一方、同じような仕様で御所の南東側にある富小路広場にあるグラウンド。昔この近くの学校に通い、部活でよくこの周辺で練習していたため、個人的にはこちらのグラウンドのほうがなじみ深いわけですが。

京都御苑内にはこのように野球グラウンドを内包し、ある意味地元民にしかあまり知られていない場所。それを丹念に拾い上げ、物語のベースにするあたりも流石です。

セカンドハウス

さらには、万城目氏自身が相当贔屓にされてたのではないか?と思われるほど、小説の中で頻繁に登場する、昔から地元で親しまれているパスタ&ケーキ専門店『セカンドハウス』。私も学生時代に足繁く通ったお店で、その質感の描き方の的確さに脱帽。実際小説にも登場するメニュー、きのこあさりを最近食べてきました(笑)あと、キャロットケーキもセカンドハウスの名物ケーキ。お店のメニューにも小説に掲載されたことが書かれています。
名称:セカンドハウス出町店
場所:京都市上京区河原町通今出川下る梶井町448−13 清和ビルセイワハイツ 1F
電話:075-241-4051
営業時間:11:00~22:00
定休日:不定休
関連サイト:http://www.secondhouse.co.jp/sec1.html
詳細記事:https://kyotopi.jp/articles/YsbWW

最後に

『八月の御所グラウンド』は、これから迎える読書の秋にもふさわしい作品で、実際その場所を巡り、グルメも堪能すれば、同じ世界感が味わえそうです(笑)

小説を読んだ感想として、かなり精巧に京都がハマったストーリーになっており、舞台が京都であったからこそ成立したような、そんな必然性も感じられ面白かったです。地元民としても激推し(笑)

読了後、ふと昔画家・横尾忠則さんが京都に移住しようかと歌手・美輪明宏さんに相談したところ、あんなに大量に霊が居るところに行っちゃダメ!と言われた、というエピソードを思い出しました(爆)

それはさておき、ぜひ一読あれ!オススメです。ヨ~イヤサ~♪