【京都市京セラ美術館】歴史人物に七変化する芸術家・森村泰昌展「ワタシの迷宮劇場」

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は左京区岡崎にある京都市京セラ美術館で絶賛開催中の展覧会。

目次

35年超の活動を総括する注目の大規模個展

左京区岡崎の文化ゾーンに位置する『京都市京セラ美術館』。前身である京都市美術館に改修増築を施し、3年前にリニューアルオープンした美術館。以前からある歴史的建造物を保存しつつ、新たなスペースを設け、多様性に富む展覧会と幅広い来館者が集う施設に生まれ変わりました。

実は、リニューアルオープン時の内覧会に参加しつつ、それ以来初訪です(笑)
今回はずっと心待ちにしていた日本を代表する現代美術家・森村泰昌のセルフポートレート展『ワタシの迷宮劇場』を鑑賞しようとやってきました。勘違いしてフライングし1週間前にも来館し、職員の方に開催は来週ですよ?大丈夫ですか??的目で見られてました(笑)

今回の会場は美術館の一階一番奥、動物園側の新館、東山キューブ。そこにたどり着くまでには螺旋階段のある明るく広々としたエントランスロビーやかつての趣そのままの東エントランス、ガラス張りの日本庭園を望むアプローチを経てたどり着きます。

以前内覧会で訪れた時、何もない広々とした空間のみであった新館・東山キューブ。展示品によりその趣をフレキシブルに創り上げることが可能、との話でしたが、それを再認識したような今回の展示スタイル。空間全体に柔らかなカーテンが円形に施され、そこに作品が展示されています。タイトルの“迷宮劇場”的演出。作品はほとんど撮影可能。

そして、作品数はかなり膨大で、1984年から撮影された森村氏の制作の原点となった約800枚以上のセルフポートレート。私的かつ実験的なインスタント写真を軸に、森村氏自身が多様に七変化し、「ワタシとは何か」を模索する軌跡。代表作ぞろいで、おそらくこれまでに意識せずとも目に触れる機会のあった作品もあり、アートに興味のない人にも意外と馴染みのあるアーティストであるかもしれません。すべての作品を通して、憑依したのかと思うほどの激似感はオリジナルへのオマージュにそのままつながり、それは自身の肉体調整をも含めた制作の完成度の高さが物語っています。

制作にも使用された衣装たちもカーテンの隙間から覗き見る劇場的趣向。

カーテンサークルの中では制作過程の動画なども公開。さらに、森村氏の音声が流れ、心地よさと不思議な世界観が体験できる朗読劇もあり、盛りだくさんな展覧会でもあり。作品の膨大さは、それに傾ける情熱の強さをあらわし、観る者を圧倒します。貴重な展覧会、ぜひ体験してみてください!

詳細情報

名称:森村泰昌 ワタシの迷宮劇場
場所:京都市京セラ美術館東山キューブ 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
電話:075‐771‐4334
会期:2022年3月12日(土)~6月5日(日)
開館時間:10:00~18:00(最終入場は17:30まで)
休館日:月曜日 ただし、3月21日(月・祝)および、5月2日(月)は開館
入館料:一般 2,000(1,800)円 大学・専門学校生 1,600(1,400)円 高校生 1,200(1,000)円 小中学生 800(600)円 未就学児無料
※( )内は前売・20名以上の団体料金。
※当館公式オンラインチケットサイトe-tix からの購入で各当日料金から100円引き。
※京都市内に在住・通学の小中学生は無料。
※障害者手帳等をご提示の方は本人及び介護者1名無料。確認できるものをご持参ください。
公式サイト:https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20220312-0605